産休から仕事に復帰して働こうと考えているお母さんなどが、保育園を選ぶ際にまず気になるのが、「無認可保育園」と「認可保育園」の違いではないでしょうか?
お母さんが仕事で働いている間、子どもがずっと過ごす場所だからこそ、よく考えて選んであげたいですよね。
そこでこの記事では
無認可保育園とはどういった保育園なのか、
無認可保育園のメリット・デメリット
無認可保育園と認可保育園は一体何が違うのか
など無認可保育園に関することを詳しく紹介します。
これから無認可保育園に入れようと考えている方や無認可保育園で働こうと考えている方の参考になれば幸いです。
無認可保育園とは?認可保育園との違いについて
認可保育園とは、国が定めている児童福祉法に基づいた認可基準を満たし、都道府県知事(政令指定都市市長や中核市市長など)に認可されている保育園のこと。
この場合の「児童福祉法に基づいた認可基準」とは、保育士などの職員の人数であったり、施設の広さであったり、設備などを指します。
認可保育園には「公立認可保育園」と「私立認可保育園」があり
- 公立認可保育園は市町村などの自治体が運営
- 私立認可保育園はNPO法人、社会福祉法人、または株式会社などが運営
と経営している組織の違いがあります。
認可保育園の種類
認可保育園の場合、国から保育園に対して補助金がでて、各自治体が独自に補助金額をさらに上乗せしていることもあります。
特に待機児童問題の解消や子育て支援に積極的に関わっている自治体は、この補助金額が高いです。
下記がそれぞれの保育園の特徴です。
小規模認可保育園
0歳から3歳までの子どもが対象の保育園で、子どもの定員が6名以上19名以下といった少人数の認可保育園のことをいいます。
今、待機児童の解消にこの小規模認可保育園が利用できるのではないかと期待されています。
また、子どもの人数が少ないため、感染症のリスクも少なく、きめ細やかな保育ができるといったメリットあります。
夜間認可保育所
夜の22時まで子どもを預かってくれる保育所のことをいいます。
お母さんやお父さんの仕事の関係上、どうしても遅い時間のお迎えになってしまうご家庭の支えになっています。
子ども達が仮眠できる部屋などの設備が整っているのが特徴です。
無認可保育園の特徴と種類
一方、無認可保育園とは「認可外保育園」とも呼ばれていますが、国が定めている児童福祉法に基づいた認可基準クリアできていない保育園のことをいいます。
ただし、国の認可は受けてはいないものの、都道府県での認可の基準はクリアをしているというケースもあります。
例えば東京都であれば「認証保育園」などがその例です。
認可保育園と無認可保育園の中間のような位置が認証保育園だと思っていただければいいでしょう。
ここで重要なのは、「国が定めている認可基準をクリアしていない=不十分な保育園ではない」ということです。
無認可保育園には24時間保育を実施していたり、さまざまな習い事ができたりといった、保育方針に特徴のある保育園も多く、国による制約を受けたくないために敢えて無認可保育園を選んでいる人気保育園も存在するのです。
認可が下りていないから危ないとか、認可が下りていないから教育が不十分だというわけではないのは覚えておいてください。
無認可保育園の種類は以下の通りです。
地方単独保育事業所
認可保育園の場合は国から助成金が給付されます。
これに対し、地方自治体が独自に無認可保育園に助成を行なっている施設のことを地方単独保育事業所といいます。
事業所内保育園
会社の中や傍に用意された、従業員の子ども向けの保育施設のことをいいます。
小さな子どもをもつお母さんでも、安心して働ける環境作りに役立っています。
病院内保育園(院内保育)
事業所内保育所と同じく、病院で医師や看護師などとして働くお母さんのために設置された保育施設のことをいいます。
24時間交代の仕事をしていると一般的な保育園に子どもを預けることが難しいですが、この病院内保育園があれば安心して働くことができるのです。
へき地保育園
離島または山間地などで保育を行っている施設のことをいいます。
無認可保育園の5つのメリット
どちらかというと認可保育園の方が良いと考える保護者の方も多いです。
しかし、認可保育園には認可保育園のメリットがありますが、無認可保育園にも下記のようなメリットがあります。
保護者の就労状況などに関係なく入園させることができる
認可保育園の場合では、保護者が子どもの保育をすることができない場合に限り入園が認められます。
例えば両親がフルタイムで働いている、専業主婦のお母さんであっても病気のために保育が難しいなどが挙げられます。
一方で、無認可保育園の場合は、そのような制約がありません。
入園できるかどうかは施設によって異なり、保育ができないという状況ではない家庭の子どもであっても入園できることが多いのです。
手続きが簡単である場合が多い
すでにお話した通り、無認可保育園では保護者の就労証明書などが必要ありません。
このように入園させる際に必要となる書類が少なくて済むという点も、無認可保育園のメリットだといえるでしょう。
就職活動をしていたり、復帰前で何かと忙しいお母さんには有り難いことですよね。
時間外保育などの受け入れ態勢が充実している
認可保育園よりも無認可保育園の方が、延長保育や休日保育、そして夜間保育などの時間外保育の受け入れ態勢が整っていることが多いです。
また、無認可保育園の中には、病気の子どもを預かってもらえる秒児保育を実施している園もあります。
認可保育園では、子どもが熱を出してしまうと保護者は仕事を休まなければいけない状況になるため、このような点では無認可保育園の方がなにかと融通が利きますよ。
無認可保育園の方が教育面で充実していることもある
これは一概には言えないのですが、無認可保育園の方が認可保育園よりも教育面で充実していることもあります。
国からの認可を受けていないため、法律による制約が少なく、その園独自の教育方針を貫くことができるためです。
なかには英語教育を行なっていたり、リトミックを取り入れていたりする無認可保育園もあるほどです。
お母さんの毎日の負担が軽くなる場合がある
無認可保育園の場合、なかにはオムツやミルク、おやつなどを保育園側が用意してくれる場合があります。
また、認可保育園では当たり前のように行われている「持ち物すべてに名前を書く」「オムツは保護者が持ち帰る」といった手間を省いてくれることもあるのです。
毎日のことなので、忙しい方にとっては嬉しいメリットの1つでしょう。
いいことばかりじゃない?無認可保育園のデメリット
ただし、無認可保育園はメリットばかりではありません。
デメリットもあるので、その点もしっかりと理解をしておきましょう。
保育料の高さ
大きなデメリットといえる点は、保育料の高さ。
子どもの年齢にもよるものの、1ヶ月あたりの保育料が5万円から7万円という無認可保育園が多いのが現状です。(あくまでも例)
特に、先ほどメリットの例に挙げたような、教育面での充実を特色としている無認可保育園の保育料は高いことが多いです。
一方、認可保育園の場合は、認可保育園そのものが自治体より補助金を受けています。
そして、認可保育園の保育料は保護者の収入によって決定されるため、収入に見合わないような高額な保育料になることはまずありえません。
とはいえ、自治体によっては無認可保育園であっても補助金を出しているところもありますし、収入が高い人は認可保育園の保育料よりも無認可保育園の保育料の方が安いという場合もあります。
詳しいことは、自治体や保育園に直接問い合わせて確認してみるようにしてください。
無認可保育園でチェックする4つのポイント
無認可保育園に子どもを保育園に預けることを決めたら、さっそく保育園の見学に行ってみましょう。
ここでは、見学する時にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
保育園内の照明は明るいか
照明の明るさなんて、何が関係あるの?と思われるかもしれません。
けれど、これが意外と重要なのです。
保育園の中が暗い場合、それだけその保育園の雰囲気も同じように暗いと考えられます。
また、照明に気が行き届いていないということは、清掃がしっかりできていないという証拠でもあります。
子どもが明るい環境でのびのびと過ごせるためには、実は照明の明るさはとても重要なのです。
保育士の有資格の割合や職員の入れ替わりの頻度
これは園長先生や案内をしてくれた担当の先生に直接聞くしかないのですが、ぜひ質問してほしい事柄です。
- 何人の保育士で何人の子どもをみているのか
- 保育士の入れ替わりは激しくないかどうか
といったことを確認しましょう。
保育士の入れ替わりが激しいような保育園は、常に保育士が不足しているような状態であることが多く、子どもにしっかり目が行き届いていない可能性が考えられるためです。
テレビを見せる時間
保育園にテレビが設置されている場合は、どのくらいテレビやDVDを見せるのかといったことも重要になります。
保育士が足りないためにテレビをつけているのか、それともダンスや歌を楽しむために見せているのか、どのような使われ方をしているのかが推測できるためです。
災害対策や緊急時の対応はどのようになっているか
- 不審者が来た場合
- 非常口の場所
- 消化用具がどこにあるのか
といったことも質問していきましょう。
できちんとした返答がかえってくれば、日頃から防犯意識や災害対策意識の高い保育園だといえます。
まとめ
認可外保育園と聞くとマイナスなイメージを持ってしまう方が少なからずいるのですが、実際はそうではありません。
ただ庭がない、施設の面積が基準よりも狭いというだけで、充実した保育をしている認可外保育園はたくさんあります。
まずはお母さんが実際に足を運んで保育園の雰囲気を感じてみることがとても大切です。
保育園に入園させると決めたら、すぐに保育園に連絡をとり見学の予約をとりましょう。