あなたは保育士をしていて今、自分の仕事に見合った給料を貰って満足しているでしょうか?

よく、保育士はお金がないと言われていますが、その1番の原因は給料が安いから。

女性の職場だからとか関係なく、ただ保育士という業種がそもそも給料が低いために、お金がない方がかなり多いわけです。

では保育士の給料は、一般企業や他の子育て関係の職業と比べ、どれくらいまでに薄給なのでしょうか。

この記事ではそんな

  • 保育士にお金がないと言われている理由
  • 保育士と同業他社や異業種との給料格差
  • お金がない状況を打破するための方法

この3点について説明をしていきます。

他の業種と比べるとどれだけ給与が低いかわかりますし、また保育士がお金を増やす方法なども合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

保育士にお金がない1番の理由は給料が単純に安いから

冒頭でもお話しした通り、保育士はお金がないと言われています。

それは薄給が原因なのですが、なぜ保育士は長年に渡り給料が安いと言われ続けてしまっているのでしょうか。

まずは、保育士の給料について少し具体的に見ていきますね。

保育士の給料

保育士の給料は、令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】を参考に、説明をしていきたいと思います。

まず、以下の図をご覧ください。

表にある通り、保育園には私立と公立の保育園が存在しており、それぞれの月給は以下の通りです。

 月額給料平均勤続年数
私立保育園保育士の場合301,823円11.2年
公立保育園保育士の場合 303,113円11.0年

これを見ると、私立でも公立でも、給料に大差はないことがお分かりいただけるでしょう。

政府が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、保育士としての勤続年数7.8年での年間賞与額は、70万円ほどだと発表されています。

それなので、ある程度の勤続年数のある保育士は、単純計算で年収430万円前後だということが推測できます。

ですが、保育士は薄給が主な原因で、5年離職率が非常に高い職種として知られています。

要は、ここでご紹介した、平均勤続年数7年~11年に至るまでに退職してしまう保育士が多いということです。

そうなってくると年収はさらに安くなり、年収300万円台なんてことも平気であり得る職業なのです。

日本の将来を担う子どもを育てている保育士。

やりがいは十二分にあるのですが、年収300万円台の期間が長いと、やる気の減少に繋がってしまうのは事実でしょう。

その結果として、昨今問題視されている保育士不足が浮上してしまっているのです。

保育士の給料の重要なポイント

保育士の給料は、勤続年数10年以上で年収430万円前後。

でも、5年離職率が高い職業でもあるので、実際にこの年収を稼いでいる保育士はほんのわずか!

保育士には昇給がほとんどない

実はこれまで、保育士にはほとんど昇給や昇格といったものがありませんでした。

それなので、年収アップをするためには勤務年数を重ねる他に成す術はなかったのです。

しかも、元々保育園には一般企業のように複数の役職があるわけではなく、その結果として、長年勤務しているにも関わらず肩書きは平社員のままという保育士も多くいたのです。

役職が変わらないのですから、大きな昇給はほとんど望めません。

これが、保育士の5年離職率が高い原因とも言われていました。

それに待ったをかけたのが、平成25年度より施行されている保育士の処遇待遇制度です。

これは、

保育士の勤務年数などに応じて給料アップを行った保育園や、保育士にキャリアアップへの取り組みをさせている保育園に、国が給付金を支給する

といった制度で、保育園側は、国から支給された給付金を勤続年数が長い保育士などの給料に反映させ、保育士の早期退職者を減らす努力をしていきましょうというものです。

この制度により、保育士の年収は少し上がりました。

とはいえ、現在もなお一般企業に比べると低い水準をキープしてしまっているのも事実です。

保育士はお金がないは本当?同業他社との給料の差を比較してみた

保育士は、給料が低くてお金がない!と言われていますが、次は保育士と同じく子どもを育てている同業他社の給料との比較ではどうなのか?

子どもに関係している職業はさまざまありますが、

  • 幼稚園教諭の給料
  • 児童館職員の給料

この2つの職業と保育士の給料の比較をしていきたいと思います。

幼稚園教諭との給料の差

政府が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、

 月額給料賞与などの特別給料年収
25~29歳の幼稚園教諭224,000円782,300円3,470,300円
25~29歳の保育士229,500円690,600円3,444,600円

このように、あまり大差は見られません。

ただ、保育士と幼稚園教諭では、仕事内容が下記のように大きく異なります。

  • 保育士のほうが、子どもを見る時間は圧倒的に長い
  • 保育士のほうが、幅広い年齢層の子どもを見なければならない
  • 保育士のほうが、園での教育に力を入れる必要がある

保育園は児童福祉法により、日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又 は幼児を保育すること(児童福祉法第39条)と定められており、幼稚園は学校教育法により、幼児を教育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること(学校教育法第22条)と定められています。

どちらも、子どもを育てる上で重要な施設であることに変わりはありませんが、保育園のほうが家庭で行うようなしつけも行っていかなくてはならず、その結果、保育士のほうが重労働だと言われてもいます。

それでいて、幼稚園教諭とほぼ変わらない給料というのは、なんだか腑に落ちませんよね。

児童館職員との給料の差

児童館は、主に0歳~18歳までの乳幼児や子どもが利用できる施設のことです。

たくさんのオモチャが用意されており、ボール遊びなどができるホールが開放され、場所によっては児童館の外に公園が設けられている場合もある、地域の子どもの遊び場として君臨している施設です。

児童館は室内で遊べるということもあり、悪天候の日や、真夏や真冬にも大活躍をしてくれるので、子どもたちにとってもその親御さんにとっても、なくてはならない存在でもあるでしょう。

そこの施設運営をするのが児童館職員の仕事です。

児童館職員は保育士のように、子どもたちに物事の良し悪しを教えていく仕事でもあります。

主な仕事内容は、制作の準備、誕生日会などのイベントの準備や開催など、保育士と似通っている部分が多く、保育士が転職先として児童館職員を挙げる例も多いようです。

そんな児童館職員と保育士の年収の比較を見ていきましょう。

 平均年収
児童館職員325万円
保育士 345万円

保育士のほうが平均で20万円高い水準ではありますが、大差があるわけではありません。

児童館職員として働くメリットは、

  • 幅広い年齢の子どもに携わることができる
  • 保育園児よりも手がかからない場合が多い
  • 保育士に比べると、持ち帰り仕事が少ない

このようなものがあります。

反対にデメリットとしては、

  • 来園する子どもの年齢層が幅広いので、そのサポートが大変
  • 保育園よりも児童館のほうが圧倒的に少ない→働き口が少ない
  • 正社員の求人が少なく、非正規労働がメイン

などといった問題があります。

非正規雇用がメインということもあり、保育士をリタイア後にパートとして児童館職員になる人が多いようですよ。

保育士でお金がない時におすすめしたい解決方法はこの5つ!

保育士は、薄給がゆえにお金がないと言われていますが、解決法はいくつかあります。

主な解決法は、以下の通りです。

  • 他業種への転職をする
  • 保育士以外で子どもと関われる仕事を探す
  • 公立保育園に転職をする
  • 副業をする
  • 普段の生活で節約を心がける

それぞれ具体的に紹介していきますね!

他業種への転職をする

学生時代の夢を追いかけて保育士になった人も、現実的に家計が回らなくなりそうな場合は、転職も視野に考えるのがおすすめ。

国税庁が発表した「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」によると、平成30年における正社員の平均年収は500万円、男女別にみると、男性560万円、女性386万円という結果が発表されています。

職種別に見ると、以下の図の通りです。

保育士が分類されている「医療・福祉」の分野の平均年収は397万円と、この表から見ても、低い位置にいることが分かりますね。

とはいえ、年収の高い業種へ転職するとなると、資格がなければ難しいかもしれません。

それなので、資格がなくても働けて、かつ保育士時代よりも高い年収を貰える仕事を見付ける必要が出てくるでしょう。

保育士以外で子どもと関われる仕事を探す

子どもと関われる仕事は、何も保育士だけではありません。

先ほどご紹介した児童館職員はもちろん、子どもと関われる仕事には以下のような仕事があります。

  • 学童クラブのスタッフ
  • ベビーシッター
  • チャイルドマインダー
  • 英語教室やピアノ教室などの先生
  • ベビーマッサージの講師
  • テーマパークのスタッフ
  • 子ども服の販売員
  • 遊び場のプレーリーダー

これらの職場で働きたい場合、保育士資格を保有していて、なおかつ保育士として一定期間の就労実績があれば、優先的に採用される可能性が高いです。

正社員としてはもちろんですが、非正規としても働くことのできる職業ばかりなので、自身に子どもが出来て働き方を変える場合にも、良いのではないでしょうか。

公立保育園に転職をする

冒頭でお話しした通り、保育園には私立保育園と公立保育園の2通りがあります。

先ほど見ていただいた図においても微々たるものではありましたが、私立保育園と公立保育園では、公立保育園のほうが高給という結果が出ていることは明らかです。

公立保育園に勤務する保育士のほうが給料が良い理由は、公務員扱いだからです。

ですので、公務員給料の基準が適用されるメリットがあります。

それ以外には、

  • 賞与額が良い→年収が高い
  • 日々の残業が少ない
  • 有給などの休暇が取得しやすい
  • 地方公務員という立場なので安定している

といったメリットが存在しています。

反対に、

  • 約5年ごとに異動がある
  • 私立保育士に比べると意欲が低いと思われがち
  • 公立なので、園の特色が弱い

といったデメリットも存在しています。

とはいえ、給料面だけを見れば、私立保育園よりも高待遇なのは間違いありません。

現在私立保育園で保育士として勤務している場合、年収アップのために公立保育園の採用試験を受験してみてもいいのではないでしょうか。

副業をする

給料が低いのは保育士全体の問題なので、個人の頑張りでは残念ながら大幅な昇給はあまり期待できないでしょう。

せっかく取得した保育士資格を無駄にすることなく、それでいて収入をもっと増やしたいと望むのであれば、副業をおすすめします。

ここで一点注意して頂きたいのが、公務員扱いの公立保育園に勤務する保育士は、副業が禁止されているということです。

やむを得ず副業をしていてそれがバレた場合、最悪クビになる可能性があるので注意が必要ですので、副業はやらないに越したことはないでしょう。

私立保育園の場合も、入社当時に貰っている規定の中に副業禁止の文字があれば、副業はやってはなりません。

特に規定がない場合は、本業である保育士の仕事に支障が出ない程度に、副業を行っても問題はないとされています。

とはいえ、園児や保護者に遭遇する確率が高い場所で働くのはNGです。

保育園とは真逆の方向にある勤務地を探すなり、在宅でできる仕事を探すなり、何らかの配慮は必要といえるでしょう。

また、副業である程度の額を稼いでしまうと、源泉徴収で大変な思いをする可能性があります。

どれくらいまでであれば税金が免除されるのかなど、副業を開始する前にきちんと調べておくことをおすすめします。

個人的にはネットで稼げる副業から始めるのがおすすめ

あくまでも個人的にですが、まずはネット上で稼ぐことができる副業から始めるのがいいかなと。

例えばこちらのサイトで紹介しているような、

https://watakoji.net/lp

誰でもすぐに10万円稼ぐことができる方法などもネット上では多くありますので。

ただ、詐欺のような案件もありますので、もし始めてネットで副業するなら相談などは受け付けていますので、いつでもお気軽に相談ください。

>>お問い合わせはこちら

普段の生活で節約を心がける

保育士の給料だけで生活をしていく場合、普段の生活を見直して、少しでも節約できるようにする努力も必要です。

たとえば、

  • 自炊を心掛ける
  • 遠出する回数を限定する
  • 無駄な買い物は控える
  • カフェの利用を控える

など、節約をしようと思えばできる箇所は意外と多いはずです。

独身時代から節約を意識した生活をしていれば、将来結婚をして、妊娠出産で一時的に働けなくなった場合も、家計を上手く回せるようになるかもしれませんよ。

お金がないなら打破するためには転職も視野に入れよう!

この記事では

  • 保育士にお金がないと言われている理由
  • 保育士と同業他社や異業種との給料格差
  • お金がない状況を打破するための方法

この3点について説明をしてきました。

働く場所は絶対に保育業界!と決めているのであれば、給料を増やすために副業をしたり、日々の生活で節約を心掛けたりが必要になってくることでしょう。

保育業界でなくとも、子どもと関われる仕事さえできればという事であれば、働き口は多く存在していることも分かりました。

まずは、自身が保育業界に固執したいのか否かを判断し、そこから環境の打開策を決めていけば良いのではないでしょうか。