保育士の就職や転職にあたって、履歴書が重要なのは言うまでもありません。
悩みながら書く方も多いのではないでしょうか。
その中でも最難関が「志望動機」。
その他の履歴書の書き方はネット調べればいくらでも書くことができるでしょう。
ではなぜ志望動機が大切なのか。なぜなら志望動機こそが、採用側が一番気にしている箇所の一つだからです。
「志望動機」は、書き方次第で、採用側に与える印象が大きく変わってきます。
この記事ではそんな保育士の方が転職する際や新規で保育園に就職を考えてる方におすすめの志望動機の書き方を紹介します。
志望動機の書き方はもちろんのこと例などもまとめましたので、参考にしてみてください。
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目次
志望動機を書く前に大切なポイント
まず、気になるのが、「パート・非常勤」と「正社員」では志望動機を変えたほうがいいかということです。
結論から言うと、パート・非常勤と正社員で志望動機を変える必要はありません。
あなたが感じる、その「保育園の魅力」や、あなた自身の経験、転職をする理由などは、パート・非常勤でも正社員でも大きく変わることはないからです。
なので、どちらに就職する場合も志望動機は同じと考えて書きましょう。
採用者の目で志望動機を考えるのがコツ
「志望動機に何を書こうか」
頭を悩ませている方にお伝えしたい最大のコツが一つあります。
それは、採用者の目で志望動機を考えてみることです。
この記事を書いている私も、一時期採用する側にいたのでよくわかります。
採用する園や、保育園運営会社では、履歴書が一通来ることはとてもうれしいのです。
採用者は履歴書を読みながら「できればいい人であってほしい」と思っています。
そして、「前職でトラブルがあったり、問題の多い人でないといいな」という不安も感じています。
採用者は、あなたの志望動機から
- 前職の退職理由
- 登園を選んだ理由
- 登園でどう活躍したいのか
などを読み取ろうとします。
志望動機は採用者にとって、あなたという人間を雇った場合のイメージを描きやすい項目なのです。
志望動機に含めたいポイント
なので、志望動機には以下の項目について、きちんと書く必要があります。
- 前職を退職した理由(その理由は当園で解消できるか)
- 当園の保育理念などへの共感(当園でなければいけない理由)
- 前職での経験(経験を当園でどう活かしたいか)
- 今後の目標(当園でどう活躍したいのか)
上記の項目がきちんと入っていて、それが伝わる内容であれば大丈夫です。
採用者は、あなたへの不安を解消して、園に入った場合のイメージを前向きに描くことができます。
それが最終的には採用につながりやすいことは言うまでもありません。
以下に、あなたのタイプに合わせて、最適な書き方になるよう、3つの「志望動機」のパターンを用意しました。
例文なども参考にして、実際に書いてみてください。
志望動機の書き方や例文①:園の特徴から書く場合
注意したいのは、志望動機は、あなたの置かれている状況によって、表現の仕方を変えなくてはいけないということです。
あなたが志望している「園の特徴」によっても、強調すべきポイントが違います。
そこが
大規模園なのか
- 小規模保育をウリにしているところなのか
- あなたの前職が大規模園にいたのか
- 小規模園にいたのか
によって、内容を変えていったほうがいいでしょう。
以下のパターンから、選んでみてください。
大規模園の場合の志望動機
大規模園ならではの子どもたち同士の結束や、保育士の層の厚さなどを強調するといいでしょう。
大規模園の場合の例文
「異年齢の交流の中で子どもたちが大きく成長していく姿や、行事を通してクラスの子ども達が一つに、園全体が一つになっていく経験を、貴園では大事にされていると感じています。また、様々な経験を持った保育士同士が学び合えるような環境に感じています」
小規模園の場合の志望動機
小規模園ならではの、一人ひとりの子どもへの面倒見の良さを強調するといいでしょう。
小規模園の場合の例文
「貴園のホームページを拝見しますと、一人ひとりに寄り添った保育を保育理念にされているとあり、私は家庭的な保育を理想としていますので、強く共感しました」
大規模園から小規模園への転職の場合の志望動機
大規模園での経験をマイナスに捉えすぎず、小規模園ならではの子どもへの面倒見の良さの魅力を強調しましょう。
大規模園から小規模園への転職の例文
私は現在、大規模な園で働いています。たくさんの子ども達と触れ合えることはよいのですが、一人一人の園児としっかりと向き合い、保護者の皆さまにも寄り添っていけるような保育をしたいと思うようになりました。小規模の保育園である貴園では、保育理念にも『一人ひとりに合わせた保育』とあり、私の理想とするような、きめの細かい保育を実践されているように感じています。今までの経験を活かして、子ども達、保護者の皆さまと密にコミュニケーションをとって、深い信頼関係を築いていきたいと考えています」
小規模園から大規模園への転職の場合の志望動機
大規模園の魅力の強調と、小規模園ならではのスキルを活かせることを付け加えてください。
小規模園から大規模園への転職の例文
「今まで5年間、定員30名の小規模な園に在職してきました。乳児が主であることもあり、他の学齢の子ども達の保育に触れることなく過ごしてきました。貴園の保育理念を拝見しますと、縦割り保育を重視されていて、異年齢保育に力を入れているということに共感しました。貴園のような大きな園で、様々な学齢の子ども達の保育に関わり、他の保育士の皆さんと学び合いながら、自分自身のステップアップをしていけたらと考えています。今まで小規模園で培ってきた、子ども達一人ひとりに向き合う保育の実践は貴園でも生かせるスキルではないかと考えています」
志望動機の書き方や例文②:あなたの経験から書く場合
あなたの今までの経験に応じて、「志望動機」の書き方も変わってきます。
経験に合わせて強調すべきところが変わってきますから、例文を参考にしてみてください。
新卒・未経験の場合の志望動機
採用者側にとって、新卒保育士や未経験者は「すぐに辞めてしまわないか」など不安が多いものです。
反面、保育士として伸びていける人材であれば、長く活躍してもらえる可能性もあると感じています。
新卒の場合、
- 保育士としての資質(子ども好き)
- やる気と体力
- 素直さ
が感じられる文面を狙いましょう
新卒の場合の例文
「わたしには年の離れた妹がいたこともあり、子どもの世話が昔から好きで、学生時代から保育士を目指してきました。保育の勉強を続ける中で、子どもの成長をそばで見守ることのできる保育士の仕事の魅力を強く感じました。貴園では、特に体力づくりに力を入れているということですので、子どもたちと外遊びを楽しみながら、運動能力を伸ばしていってあげられたらと思います。私自身、バレーボール部に入っていたこともあり、体力にも自信があります」
新卒ではなく、保育の仕事が初めての場合も上記と同様、
- 保育士としての資質(子ども好き)
- やる気と体力
- 素直さ
が感じられるようにするとよいです。
未経験でも、子育て経験やボランティア経験等があればそれを強調してみてください。
未経験の場合の例文
「保育の仕事は初めてになりますが、二人の子供の子育て経験や、ボランティアで地域イベントでの保育などを経験してきております。子どもが好きで、保育士士資格の勉強も始めています。貴園の保育理念『個性を活かした保育』という考えに共感しています。それぞれの個性を伸ばしていけるような保育について前向きに学びながら、実践していきたいと考えています」
経験が5年未満の場合の志望動機
前職を退職した理由をポジティブに伝えることはマストです。
前職での経験も適宜織り交ぜながら、保育士としての自分を表現してください。
今までの経験も重視されますが、人柄もまだまだ重視されますので、前向きな姿勢が感じられるとなおよいでしょう。
経験が5年未満の場合の例文
「私は前職では2歳児、年少の担任をしてきました。仕事にはやりがいがあり、行事のリーダー等は率先してやりながら、日々子どもたちの成長を実感していました。ですが、異年齢の縦割り保育をさらに実践していきたいと考えるようになりました。貴園では、行事以外でも日常の保育時間に縦割りでの活動が数多くあり、異年齢の子どもたち同士の交流が盛んと聞きました。異年齢の中でもまれることで子どもは大きく伸びると考える私の理想に合う部分が多いと感じます。保育理念にも共感することが多く、貴園を志望させていただきました」
経験が5年以上の場合の志望動機
保育士として経験が長く、一通りの経験はしてきて、人によってはベテランの領域ではないかと思います。
保育士は経験が重視される職業ですので、採用側としては、園の中堅のまとめ役を期待しています。
今までの経験を伝えながら、採用後はどのように活躍ができるかを具体的に示してください。
主任などの役職があった場合は、それについても表現してください。
経験が5年以上の場合の例文
志望動機の書き方や例文③:あなたの条件から書く場合
ブランクがあったり、転職が多かったりすると、採用側にネガティブに見られかねないかと心配になるものです。
そうした場合の志望動機の書き方を用意しました。
また、「正社員→パート・非常勤」の場合と、その逆のパターンなども志望動機に変化が出てきますから、そのための例文を用意したので参考にしてみてください。。
ブランクがある場合の志望動機
経験のある保育士を採用したい採用側にとっては、ブランクをマイナスに捉えることはあまりありません。
復帰の理由も入れた形で、あなたの前向きな姿勢をアピールしてください。
家庭を持っている方は、その状況についても記入したほうがよいと思います。
ブランクがある場合の例文
「新卒後6年間務めた保育園は結婚を機に退職しました。今回、自分の子どもを育てながら、もう一度、保育士として子どもたちの育ちに深くかかわっていきたいと考えるようになりました。その際、貴園の保育理念を拝見し、家庭的な保育を理想とする私の考えに合う部分も多く貴園を志望いたしました。現在、7歳と3歳の二人の子どもがいますが、下の子どもは近所の保育園に預けながら勤務することになります。子育て経験も生かしながら、働いていきたいと思っています」
転職が多い場合の志望動機
「前職を退職した理由」をポジティブに伝えましょう。前職で心がけたことなども織り交ぜるといいでしょう。
その際に前職の問題点を並べるようなことは避けてください。
転職が多い場合の例文
「新卒で入職した園では、保育技術の初歩から、一通りの業務を覚えることが出来ました。前職では3歳児の担任として、20人の園児の保育を担当しました。一人ひとりの子どもたちのことを知るために、出来る限り保護者ともコミュニケーションを密に取り、信頼関係を築くことを心がけました。大規模な園でしたので、次第に、もっと家庭的な環境で一人ひとりの育ちをじっくり見ていきたいと考え、退職しました。貴園のホームページを拝見し、一人ひとりに寄り添った保育を保育理念にされているとあり、私の理想に近く、貴園を志望させていただきました」
正社員からパート・非常勤の場合の志望動機
フルタイムの正社員を希望しない理由をきちんと明確にしておきましょう。
正社員からパート・非常勤の場合の例文
「前職では正社員で、フルタイムで勤務しておりましたが、結婚を機に退職しました。子どもも小学生になり、近隣で保育士としてパート勤務ができるところを探していました。今回、貴園のホームページを拝見して保育理念にも共感するところが多く、志望いたしました」
パート・非常勤から正社員の場合の志望動機
正社員へのモチベーションを表現しましょう。
保育士資格を取得しての正社員応募であれば、その旨も書いてください。
パート・非常勤から正社員の場合の例文
「前職では、2年間パートで保育補助をしていました。保育の初歩的な技術や身に着け、保護者対応などの経験を積みました。今回、専門学校に通い、保育士士資格を取得しましたので、フルタイムで保育士として働きたいと考えています。貴園の保育理念には共感することが多く、今までの経験も生かしながら、ぜひ貴園でがんばってきたいと考えています」
志望動機でNGな書き方
志望動機では、ネガティブな表現は控え直接書くことはやめましょう。
志望動機は、採用側があなたを雇った時のイメージになるものです。
ネガティブなイメージばかりが先立たないように注意しましょう。
以下のポイントを参考にして、ポジティブに変換して表現するようにしてください。
前職の退職理由を書く際のポイント
「人間関係」「体調の不調」等、前職を辞めた理由は様々あるかと思います。
それをストレートに書いてしまっては、採用する側には、また同様のことを繰り返すのではないかという不安を感じさせます。
特に体調の件は、保育士という体力的にハードな職業では、伝え方に注意が必要です。
前向きな転職であることが伝わるように、表現には気を付けてください。
待遇面の希望を書く際のポイント
待遇面に不満があって、前職を辞めた方は、今回の転職で待遇面の条件は譲れないと考えると思います。
待遇面の希望が目立ってしまい、あなた自身の志望動機がそれしかないように見えることは避けたいところです。
待遇面の希望は、履歴書に記入するのは控えて、面接でお話しするようにしてください。
まとめ
志望動機は、“ラブレター”といういい方もあるようです。
転職に際して、履歴書に書いてある志望動機は、採用側に直接響く部分だということでしょう。
ラブレターであれば、重要なのは、自分の言葉で書いているかどうか、ということでもあります。
自分らしい表現で、応募先の園への気持ちや、今までの自分について書いてみることをおすすめします。
その際にウソはつかずに、誇大な表現にせずに、素直な気持ちで臨んでみてください。
きっと伝わる「志望動機」になることと思います。