冬ならではの遊びである雪遊び。雪に触れて感触を楽しんだり、真っ白な雪に足跡を付けたり…。子どもの頃の雪が降った時のワクワクした気持ちを覚えている方も多いのではないでしょうか?
雪がめったに降らない地域では特に、雪が降っただけでも子ども達は大はしゃぎです。みんなで雪遊びをすれば楽しさは倍増!
ただ、雪の日ならではの危険性も知っていないと思わぬ怪我や体調不良につながることもあります。
雪の日をもっと楽しく安全に過ごすために、おすすめの雪遊びと遊ぶ時の注意点をご紹介します。
まずは雪に触れてみよう!
雪の日には、子ども達はワクワクした気持ちで登園してきます。早く雪で遊びたくてうずうずしている子ども達。その気持ちをくんで、朝の会などの活動が終わったら早速身支度をして雪遊びに出発です。
まずは、雪に触れて感触を楽しみましょう。
「つめたい!」と声をあげる子ども、「さらさらしてるね」と雪を観察する子どもと反応は様々です。保育士も一緒に雪に触れながら、子ども達と楽しさを共有しましょう。
雪の感触を楽しむのは手だけではありません。足で雪を踏んでみると、氷の多い雪の上ではサクサクと、水の多い雪の上ではピチャピチャと音がします。
音の違いを楽しみながら、足での感触も楽しんでみましょう。まだ足跡のついていない、真っ白な雪の上に足跡をつけた瞬間には子ども達も歓声をあげて喜んでくれますよ。
子どもが雪に触れることをためらっている場合には、保育士の手に乗せた雪に触れることから始めてみましょう。
初めは怖々と触れている子どもも、慣れてくると自分の手に乗せて触れることができるようになりますよ。
無理をせずに子どもに合わせた、関りをしてあげてくださいね。
雪で形を作ってみよう!
雪に触れることを楽しんだ後は、いよいよ雪で形を作ってみましょう。色々な形が作れることは、雪の最大の楽しさです。
そうは言っても、雪遊びの経験が少ない子ども達は何をどのように作れば良いのか分からないということも…。
子ども達が作る物に迷っている時には、積極的に提案をしてあげてくださいね。
1人でも作れるミニ雪だるま
雪だるまは雪で作る物の定番ですが、大きさや形を少し変えるだけでも楽しさが広がります。
1人で作れるミニ雪だるまもその1つです。
作り方は簡単!小さな雪玉を2つ作って重ねるだけです。小石や葉っぱ、木の実などで顔のパーツを付ければ可愛いミニ雪だるまの出来上がり。
いくつも作って並べたり、顔の表情を変えて友達と見せ合ったりと、遊びが広がります。小さな雪玉は簡単に作れるので、雪だるま作りに慣れていない子ども達でも短時間で作ることができ、おすすめです。
友達と力を合わせて、巨大な雪だるま
ミニ雪だるまに慣れてきたら、大きな雪だるまにも挑戦してみましょう。
少し大きめの雪玉を作ったら、その雪玉を転がしてどんどん大きくしていきます。大きくなるにつれて1人では転がせなくなりますので、友達との協力が必須です。
大きな雪玉ができたら、更にもう1つ。1つ目の雪玉よりも少し小さい雪玉を力を合わせて作ります。
2つの雪玉が出来上がったら、小さい方の雪玉を大きい雪玉に乗せて雪だるまの土台が完成します。雪玉を乗せる時には保育士も手伝ってあげてくださいね。
出来上がった雪だるまの土台に、葉っぱ木の実で顔のパーツやボタンを付け、木の枝で手を付け、バケツの帽子をかぶせれば、立派な雪だるまの完成です。
友達と協力して作る楽しさや達成感を感じることができますよ。
3歳以上児クラスでの遊びにおすすめです。
子どもが大好きな動物達
子ども達が大好きな動物も雪で作ることができます。楕円形の雪玉に葉っぱで耳を赤い木の実で目をつけた定番の雪うさぎから、丸い雪玉に葉っぱの耳と小枝の鼻をつけたぞう。
同じく丸い雪玉に三角にちぎった葉っぱの耳と小枝のひげをつけた猫など、ほとんどの動物を作ることができます。
子ども達は創造力を発揮させて、大人が驚くような動物を作ってくれることも!
3歳未満児クラスでは、保育士が作った動物の当てっこゲームをしても楽しいですよ。
全身を使った形作り
雪玉を使った形作りだけではなく、手や足、時には全身を使った形作りも子どもは大好きです。
- 雪の上に両手で手形をつけてちょうに見立てる
- 足跡で雪の上に大きな絵を描く
- 柔らかい雪の上に倒れて全身の形を作る
など、感触を楽しみながら見立て遊びや造形遊びに発展します。
「これは何の形に見えるかな?」など想像力を働かせながら楽しめる声掛けをしてみてくださいね。
クラスみんなで!雪合戦
大勢で楽しめる雪合戦も雪の定番の遊びです。
初めは、雪を投げ合って逃げたり、追いかけたりという遊びでも十分に楽しめます。子ども達は歓声をあげながら走り回り大いに盛り上がります。
ただ、4,5歳児クラスではルールを決めると更に盛り上がり楽しむ事ができますよ。
雪合戦は公式ルールもあるほど、遊びを越えた競技としての側面もあります。
公式ルールでは、1チームは7名、試合は3分3セットマッチ。
ノーバウンドの雪球に当たった選手はアウトとなり外に出る。1セットに使える雪球は90個など細かいルールが定められています。
小学生用の試合もあり、コートの幅も細かく決められています。
ただ、保育園ではそこまで本格的に行う必要はありません。
まずは、雪の上に四角くコートを書きセンターラインを引きます。
クラスの人数を2つに分けてあらかじめ雪玉を作る時間を設けます。ある程度の雪玉ができたら、保育士の合図で雪合戦の開始です。
公式ルールでは、雪玉に当たった選手は外に出なければなりませんが楽しむことが1番ですので、外には出なくても良いでしょう。
相手のコートに届くように思い切り雪玉を投げ、当てても当たっても子ども達からは歓声が上がります。
雪玉がなくなったらその場で作り、3分経ったら雪合戦は終了。1度休憩です。
子ども達から「もう1回やりたい!」と声は上がったら、2回戦、3回戦も楽しんでみて下さいね。
雪玉はあまり硬く作ってしまうと怪我をする恐れがありますので、柔らかめに作ること、顔に向かって投げないことなどの約束事を決めておきましょう。
0,1歳児クラスにおすすめの雪遊び
歩行が安定している状態であれば、戸外での雪遊びが可能ですが、歩行ができない、まだ安定しないという場合には歩き慣れない雪の上での遊びは危険です。
しかしせっかくの雪ですので、まだ歩けない子ども達にも雪を感じてもらいたいですよね。保育士の人数に余裕がある時には、1人ずつ抱っこをして戸外に行き、雪に触れても良いでしょう。
しかし、1対1で戸外に出ることは難しいという状態も多いかと思います。そんな時のおすすめアイテムがタッパーです。
大きめのタッパーに雪を入れて室内に持ってくれば、子ども達が触れて感触を楽しむことができます。
初めての雪の感触に、冷たくて手を引っ込める子ども、サクサクとした感触が楽しくて雪を握ってみる子どもと思い思いに雪を感じます。
小さな雪だるまを作ってタッパーに入れてきてあげても良いですね。初めて見る本物の雪だるまに、小さなこども達も喜んでくれますよ。
雪に触れた後には、雪にまつわる絵本や紙芝居を読むなど、次の活動に繋げることもおすすめです。
雪遊びをする時の注意点
子どもが大好きな雪遊びですが、普段の活動とは違う危険性もあります。子どもも興奮している状態ですので、いつも以上に気を配らないと怪我や体調不良につながることも…。
安全に安心して雪遊びを行うための注意点をご紹介します。
保護者に必ず伝えてから行う
雪遊びを行う際には、必ず事前に保護者に伝えるようにしましょう。
雪が降る季節になったら、お便りなどで雪が降ったら雪遊びをすること、雪の日には長靴、手袋、帽子、雪遊びに適した上着を持参してもらうように伝えておきます。
そして雪遊びをする当日の登園時にも、保護者に雪遊びをすることを伝えます。
雪遊びをする時には、いつも以上に体調面に気を配る必要がありますので、家庭での様子も細かく聞くことが大切です。
雪遊びの準備は万端に!
雪遊びをする時には、手袋、上着、帽子などの身支度をしっかりと整えた状態で戸外に出ましょう。
子どもは興奮していると身支度がおろそかになりがちですので、戸外に行く前にチェックしてあげてくださいね。
もちろん保育士も、風邪をひいては大変ですのでしっかりと身支度を整えてから雪遊びに向かってください。
また、雪遊び中に忘れがちなのが水分補給です。
雪遊び中は厚着をして、思い切り身体を動かしていますので、意外と汗をかきます。脱水症状を防ぐ為にお茶や水を用意しておいて、水分補給をする時間を設けましょう。
雪遊びが終わったら濡れた洋服を必ず着替えて、身体を温めてくださいね。
遊ぶ場所のチェックを徹底する
雪遊びをする前には遊ぶ場所のチェックが必須です。具体的に見ていきましょう。
この3つがポイントです。
- 凍っていて滑りやすい場所はないか
- 屋根の上から雪が落ちて来そうな場所はないか
- 小枝や小石が混ざっている雪はないか
雪が降った時には日陰では氷になっている場合もあります。子どもが乗ると転倒の恐れがありますので、子どもが入れないように区切っておきましょう。
屋根から雪が落ちてくると危険ですので、事前に落とすか屋根の下では遊ばないようにします。
また、雪に小枝や小石が混ざっていると気付かずに握って怪我をしたり、投げて友達に小石が当たり怪我をする可能性もあります。必ず雪の状態を把握して、危険な物を取り除いてから遊ぶようにしましょう。
怪我をしないために、子ども達とのお約束
怪我をしないためには、雪遊びを始める前に子ども達と約束を決めることも大切です。
子ども達とのお約束
硬い雪玉を投げたり顔に向かって投げると怪我をすること、雪を食べるととお腹を壊すことがあることなど、約束の理由も合わせて伝えると良いでしょう。
雪遊び中には約束が頭から抜けてしまうことも多々ありますので、その都度声をかけながら、安全に留意して遊びを見守っていきたいですね。
子どもの健康状態を把握する
雪遊びに夢中な子ども達は、自分の体調の変化に気付かないことが多くあります。
そのため、雪遊びをする時には、いつも以上に子どもの健康状態に気を配る必要があります。まずは、登園時に保護者から子どもの健康状態を細かく聞いて把握をすることが第一です。
そして、雪遊びの途中にも顔色や唇の色は悪くないか、鼻水や咳は出ていないかなど、子どもの体調の変化を見逃さないようにしましょう。
雪遊びをする冬の時期は、インフルエンザの流行時期でもありますので、急な発熱には特に注意しましょう。
まとめ
子どもにとっても保育士にとっても、雪が降ると特別な1日になります。雪に触れ、雪ならではの遊びを楽しむ、いつもと違う経験は子どもの興味を広げ成長させてくれるチャンスです。
安全に雪遊びができるような事前準備を心掛けることで、雪遊びはより安心して楽しめる遊びとなります。また、年齢や発達に合った遊び方を提案することも保育士の腕の見せ所です。
安全面に配慮しながら、子ども達と思い切り雪遊びを楽しんでくださいね。