共働き家庭の増加などから保育園不足が深刻な問題である昨今。新たな認可保育園も増えてきています。しかし、新しく保育園が設立されたとしても働く保育士が不足しているという状況に…。

そんな中、保育士確保のために国だけではなく、都道府県や各自治体が様々な助成金制度を実施しています。

仕事量に対して給与が低いと言われることも多い保育士ですが、助成金制度を理解し上手に活用することで、その問題が緩和される可能性も!

保育士の助成金制度にはどんな種類があるの?実施している自治体は?保育士を目指す人への制度もあるの?という疑問にお答えします。

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保育士の助成金制度や補助金とは?

保育士の助成金制度と聞いて1番に思い浮かぶのは、国を挙げての処遇改善ではないでしょうか?

2013年から開始されたこの政策は年々その額を増やし、開始から4年経った2016年には2013年に比べて保育士1人につき月額約26000円の増額(最大4万円)となっています。

参考:厚生労働省ホームページ

月4万円プラスはかなり大きいですよね?

今まで「保育士は長年続けてもそこまで給料が上がらない」と言われ続けていました。

しかし、この制度で「長く勤めれば、それだけきちんと給料が上がる」と保育士のモチベーションが上がることが期待されます。

また、研修制度の充実化はキャリアアップを狙う保育士にとっては勉強した分だけお金がもらえるという、嬉しい制度となっています。

その他、役職に関わらず、全ての保育士に対し月額6000円が支給されるので、新卒の保育士でも確実に給料アップが実現されるようになりました。

助成金や補助金の注意点

ただ、注意点としてはこの処遇改善では、保育士1人ひとりに直接補助金が支払われるのではなく、保育園に対してまとめて支給されます。

そのため保育士の給与に反映されない、補助金分は支給されるがそのぶん残業代が支給されなくなったなどの問題も起こっているのが現状です

自治体によっては補助金支給に規定を設け、保育士に補助金額が支払われているかという調査を行うなど、保育士にとって本当の意味での処遇改善がなされるような取り組みが進められています。

国を挙げての処遇改善の他に、独自に助成金制度を定めている都道府県や自治体もあります。

保育士不足が特に深刻な地域で積極的に取り入れられ、その地域で働く保育士の給与アップや家賃補助、子育て中の保育士のために条件を満たせば返済を免除される保育料貸付制度を行っている地域もあります。

自分が利用可能な制度を把握することで、処遇改善にプラスした助成金制度の利用が可能です。

東京都の助成金では給与4.4万円アップする可能性もある

保育士不足が特に深刻な東京都では、保育士確保のために東京都独自の保育士助成金制度を導入しています。

具体的には2015年度より東京都で働く保育士に月額2.1万円の助成金の交付を始めました

この助成金制度は、認可保育園だけではなく認証保育園や小規模園にも適応され、より多くの保育士が助成金を受け取ることができる制度となっています。

また、2017年には東京都で働く保育士に更に月額2.1万円上乗せするという方針も決定し、2017年度の予算案に計上されています、

2015年に月額2.1万円の交付が開始された東京都の保育士助成金制度。

2016年には月額2.3万円が交付されています。

2017年に決定した2.1万円の助成金上乗せが開始すれば、すでに交付がされている2.3円と合わせて月額4.4万円の助成金が保育士1人につき支払われることとなります。

しかし、この東京都独自の保育士給与アップ制度も、保育士に直接増額分が支払われるわけではありません

そのため、この額全てが保育士に支払われるとは限らないという実態があります。

補助金額をアップする制度が、元々のねらい通り保育士にしっかりと払われ、保育士不足が解消されるように願うばかりです。

各自治体独自の給与アップ制度

保育園不足が深刻な東京都は、独自に保育士の助成金制度を定めましたが、それとは別に自治体が独自に助成金制度を定めている地域もあります。

例えば、東京都の中でも特に待機児童問題が深刻な千代田区では、保育士1人につき2万円の補助金を支給しています。

同じ東京都内であっても、自治体内の保育園で保育士に働いてもらうために、様々な助成金制度を提案しているのです。

また、東京都以外でも自治体独自の保育士助成金制度を定め、保育士確保への動きを見せている自治体は多くあります。

具体的に見ていきましょう。

実施している自治体紹介

自治体制度
千代田区私立保育所などで働く常勤保育士1人につき月額2万円の補助金を支給
太田区私立保育所などで働く常勤保育士に月額1万円を支給
杉並区私立保育所などでの勤務が決まった保育士に5万円分の商品券を贈呈
茨城県つくば市私立保育所などで働く常勤保育士に月額3万円を支給
千葉県船橋市私立保育所などで働く常勤保育士1人につき32,110円の補助金を支給
千葉県成田市私立保育所などで働く常勤保育士1人につき補助金を支給。勤務年数に応じて金額が変わり、1年から3年以下の保育士は年間72,000円、段階に応じて金額が増え、最高額は16年以上で年間25万2千円の支給。
千葉県松戸市毎月3.2万円、期末手当として7.1万円を支給
埼玉県さいたま市私立保育所などで働く常勤保育士1人につき10,500円の補助金を支給

千葉県松戸市は1年目から12年目までの保育士に4.5万円、13年目から20年目までの保育士には4.6万円から7.2万円を「松戸手当」として毎月支給されています。

また、松戸市内であれば住宅補助も最大3万円支給されるので、一人暮らししたい保育士には嬉しい制度ですね。

船橋市でも、毎月3.2万円の支給に加え、年度末の3月に7.1万円も支給されます。

そして、「ふなばし手当」として最大月額8.2万円の家賃補助が受け取れるので、かなり手当が充実していますね。

埼玉県戸田市では、年間20万円をボーナスに上乗せする取り組みが行われています。

さらに、家賃を助成する宿舎借上支援も開始されました。

東京都では、独自の助成金制度として、都内で働いている保育士に毎月4.4万円を支給されるようになりました。

その他の自治体でも補助金制度が開始されているので、今後、全国的な保育士の給与アップが期待されています。

自治体独自の助成金制度は年々増えてきています。

ご紹介した自治体以外でも給与額や補助金が増える地域はありますので、働く地域を選ぶ際には市区町村のホームページや保育士特化の転職サイトなどで確認すると良いでしょう。

特に転職サイトには保育や助成金に詳しいアドバイザーもたくさんいるので、気軽に相談することができますよ。

1人暮らしの保育士に嬉しい家賃補助制度

助成金制度は、月給や年収に反映させるだけではありません。中にはもっと直接的に保育士の生活を補助するという役割をもった助成金もあります。

その代表が、家賃補助制度です。

「保育士宿舎借り上げ支援事業」と呼ばれ、生活の基盤となる家賃を国や自治体で補助することにより、保育士の生活を安定させるというねらいがあります。

「保育士宿舎借り上げ支援事業」という名称の通り、保育施設が借り上げた住宅に居住することで国や自治体、保育施設から家賃の補助が受けられます。

各自治体によっても違いますがほとんどの自治体で、保育士経験が5年以下の保育士に限るという条件が定められています。

保育士になって1人暮らしを始め、生活の基盤を作るまでの家賃を補助するという意味合いがあるためです。

しかし中には保育士経験が5年以下ではなく、自治体内の該当施設での勤務年数が5年以下と定めている自治体もあり、他の地域での保育士経験があったとしても家賃補助を受けられる場合もあります。

家賃補助制度を実施している自治体を具体的に見ていきましょう。

実施している自治体紹介

・世田谷区、大田区、江戸川区、足立区、杉並区、台東区、墨田区、中央区、品川区、板橋区、港区、千代田区、江東区、目黒区、中野区、北区

保育施設で借り上げた住宅に居住することで最大月額82,000円の家賃補助を受けられる。

東京都23区の半数以上が家賃補助制度を実施しています。具体的な補助内容はほとんどの自治体で共通です。

世田谷区が発表している家賃補助制度によると…

参考:世田谷区ホームページ

家賃(上限82,000円)の8分の7を国、都、区が負担。残りを保育施設が支払うことで最大82,000円の家賃補助が受けられるというものです。

82,000円を超える額は、自己負担として保育施設に支払う場合があります。

・神奈川県横浜市、川崎市

保育施設で借り上げた住居に居住することで、最大月額82,000円の家賃補助を受けられる。(家賃の4分の3が補助額、残りは保育施設負担)

・千葉県船橋市、流山市、野田市

保育施設で借り上げた住居に居住することで、最大月額82,000円の家賃補助を受けられる。

・埼玉県さいたま市

保育施設で借り上げた住居に居住することで、最大月額8万円の家賃補助が受けられる。(家賃の4分の3が補助額、残りは保育施設負担)

全ての家賃補助制度では、補助額が各保育施設に支払われます。

全ての家賃金額が補助されるわけではなく施設の負担額もありますので、該当する自治体内の全ての保育施設で、住居を借り上げて家賃補助制度を実施しているわけではありません。

保育士としての生活基盤を築くためには嬉しい制度ですので、勤務先を選ぶ時には、「保育士宿舎借り上げ支援事業」を実施しているかということを確認してみましょう。

子育て中の保育士へ、保育料の貸付制度

妊娠出産を経てもう1度保育士として働きたいけれど、子どもが通う保育園の保育料が高くて、保育士の給与を考えるとためらってしまう、という子育て中の保育士のための制度です。

貸付制度ではありますが、一定の条件を満たせば返済免除となることも。

例えば

  • 東京都
  • 茨城県
  • 福岡県
  • 宮崎県
  • 岐阜県
  • 埼玉県さいたま市

などでは、未就園児を保育施設に預け各都道府県や市区町村で働く保育士が対象で貸付が受けられます。

保育料の半額(上限27,000円)を無利子で貸し、その後2年以上勤務をした時には返済は免除となります

1週間に勤務するべき時間数が各都道府県によって定められているなどの条件はありますが、保育料の半額が免除となるのは子育て中の保育士にとっては嬉しい制度です。

該当する地域で働く場合には、申請を忘れずに!ぜひ2年間以上働いて、最大限に制度を利用しましょう。

保育料貸付制度を実施する都道府県や市区町村も年々増えていますので、勤務をする際には必ず確認をすることをおすすめします。

保育士資格取得を目指す方へ、保育士修学資金貸付事業とは?

保育士として働く人だけではなく、これから保育士を目指す人のための制度も進められています。それが「保育士修学資金貸付事業」です。

例えば東京都では、都内に住民票があり保育士養成施設(大学・短期大学・専門学校)に在学している、もしくは都内にある保育士養成施設に在学している人で卒業後に都内の保育施設で働こうと考えている場合には、この制度が利用できます。

月額5万円以内、総額120万円以内の貸付制度が利用でき、希望者は入学準備金と就職準備金として各20万円以内の貸付を受けることも可能です。

また、卒業後都内の保育士施設で引き続き5年間、保育士として働いた場合には返済が免除されます。

  • 埼玉県
  • 千葉県
  • 神奈川県
  • 宮城県
  • 長野県
  • 札幌市
  • 愛知県
  • 愛媛県
  • 京都府
  • 大阪府

など多くの都道府県で「保育士修学資金貸付事業」は実施されています。

保育士になる人を支援することで保育士の人数を確保し、保育士不足の解消に繋げようという意図があります。

どの都道府県でも保育士資格取得後には、貸付を受けた都道府県で継続して勤務をすることによって返済が免除となりますので、保育士を目指す人の強い味方です。

まとめ

保育士確保のための助成金制度。国を挙げての処遇改善だけではなく、都道府県や市区町村などが、各自治体が独自の制度を設けることで自治体の保育士不足解消を目指しています。

特に東京都が都を上げての助成金制度を実施したことで、東京都への保育士流出を危惧した近隣の県も新たな助成金制度を開始しています。

各自治体の助成金制度を把握し、より多くの収入を得ることはやりがいにも繋がります。

保育士として自立して生活するためにも、助成金制度を上手に利用していきたいですね。

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