保育士の仕事をする上では、子どもと接するばかりではなく、子どもの親である保護者との関わりが必須です。

主に毎日の送迎時、または電話などで会話をして関わります。

保護者と話す内容とは

  • 1日の様子
  • 成長の様子
  • 体調
  • 怪我
  • 友達同士のトラブル
  • 家庭への要望
  • 園からのお知らせや注意
  • 家庭と園との子ども情報交換
  • 育児のアドバイス
  • 悩み相談

等です。

園で子どもを預かる立場として、保育士は保護者に対し、責任を持って“報告・連絡・相談”をする必要がありますが、関わり方や伝え方を一歩誤ると、誤解を招きトラブルになってしまったり、悪い印象を与え信頼関係が崩れてしまうこともあります。

では、保護者と円満に関わりを持つにはどうすれば良いのでしょうか。

保護者との接し方には気をつけたほうが良いポイントがあります。

保育士、幼稚園教諭を経験して、私が実際に感じたことをいくつか紹介します。

表情について

表情で主に気をつけるべきポイントは

  • 笑顔で明るく、話しかけやすい印象の表情を意識する
  • 不安や緊張を表情に出さない

この2つです。

笑顔で明るく、話しかけやすい印象の表情を意識する

笑顔の人をイヤに思う人はそこまでいないでしょう。

それくらい笑顔というのは印象がいいです。

無愛想な表情では、第一印象から相手に良く思われず、警戒され、こちらから伝えたい事が全てマイナスに捉えられてしまいがちです。

まずは笑顔から意識してみましょう。きっと相手も聞く耳を持ってくれます。

不安や緊張を表情に出さない

不安や緊張など、自信の無さが表情に出てしまうと、相手も動揺したり、不信感を抱かれたりします。

明るさや笑顔も大事にしながらも、冷静に毅然と話をしましょう

話し方・声について

表情の次に注意するべき点は、話し方や声です。

ポイントとは

  • ハキハキと正しい言葉遣いで話す
  • 高めの声で話すことを意識する

この2つです。

ハキハキと正しい言葉遣いで話す

ハキハキと話すととても頼もしい印象を持たれやすいです。

逆に、小さな声でモゴモゴと話したり、若者言葉など正しくない言葉遣いをすると、頼りない印象ですので、気をつけましょう。

高めの声で話すことを意識する

低めの声では暗い印象を持たれてしまいます。

高めの声を意識するだけで随分と明るい印象になります。

態度について

最後は、親に対しての態度です。

ここでは

  • 決して上からものを言うのではなく、同じ目線に立ち、相手の気持ちを考える
  • あからさまに否定した言い方をしない
  • 怪我や友達とのトラブルは表現の仕方に気をつける
  • はっきりと伝えなければならないことは、曖昧ではなく実直に伝える

この4つを意識してみてください。

決して上からものを言うのではなく、同じ目線に立ち、相手の気持ちを考える

保育士である以上、時には保護者へ子育てのアドバイスをしたり、悩み相談に乗ったりしなければなりませんが、その際には相手の気持ちに寄り添い受け入れながら話しましょう。

上から物を言うのは、生意気、傲慢だとか反感を持たれてしまいますし、相手にも受け入れてもらえません。

特に、20代の保育士の方で相手が30代の親の場合など、年上を相手にする場合は注意が必要です。

あからさまに否定した言い方をしない

保護者も仕事をしながら家事に育児に奮闘し、一生懸命頑張っています。

そんな精一杯の子育てや考えを否定されると悲しく悔しいですし、育児に自信を無くさせてしまうかもしれません。

そもそも保育士とは育児を支援し、応援する立場です。「○○してみてはいかがですか?」等と優しく促し、良い考えとして提案するような言い方で伝えてみるのもオススメです

怪我や友達とのトラブルは表現の仕方に気をつける

例えば、頭を打った場合。度合いにもよりますが、

×頭をガーーーンッと打ち付けました。すみません。  

○頭をコツンと打ってしまいましたが、すぐに冷やし様子を見ています。(今の様子まで話す)申し訳ありません。

このように、過剰な言い方をすると保護者の不安や心配を煽ってしまうので、表現の工夫が必要です。

ただし、命にも関わることなので、怪我や事故は正直な状況を話しましょう。

はっきりと伝えなければならないことは、曖昧ではなく実直に伝える

上記でも述べたように、保護者に状況をダイレクトな表現で伝えてしまうと、不安になったり動揺したりして冷静さを欠いてしまい、なかなかスムーズに解決に至らない場合もあります。

ケガやトラブルだけでなく、子どもの発達について気になる点を指摘したりなど、保護者にとってショックを受けるような話をしなければならない時もあります。

もちろん何事も正しく伝えなければいけませんが、表現には工夫が必要で、これについては保護者と関わる上でなかなか慎重で難しいところです。

まとめ

保護者と接する以前に、日頃から自らの態度や表情などを意識して、良い印象を持たれるよう好感度を上げておいたり、いつもコミュニケーションをとり日頃から挨拶を交わしたり、たわいもない世間話ができる仲になっておくことが重要です。

なぜならば、園で怪我や事故、友達関係等、何かトラブルが起きた際の保護者側の反応も随分違ってくるからです

信頼関係がなく、不信感を持たれている場合、訴えられる程激昂されることもありますし、逆に信頼されている場合は笑って許してもらえることもあります。

よって改めて大事だと思うのは、見た目や内面の印象と思いやり、そして言葉の選び方と表現の工夫です。

実際に保護者の方から聞いた話ですが、やはり第一印象から好感度が高い保育士に対しては、

「あの先生はいつもニコニコ笑顔で優しそうだな」

「あの先生に子どもを預けたいな」

と思うようです。

入園スタートからそのような印象を待たれる保育士を意識していると、保護者とも円満な関係を築いていけるのではないでしょうか。

保育士としてはもちろん、人として誠実に関わることで、保護者とも良い関係を築くことができると思います。