また、各担任がクラスの子の遊戯の振り付けから衣装、音楽まで全て考え指導していくことは本当に難しく、頭を悩ませる保育士も多いです。

そんな先生方にヒントとして、お遊戯会の様々な見せ方があることをお伝えしていきます。

体系移動で差をつけよう!

お遊戯会を行うにあたって、保育士は事前に沢山の準備をしていかなければなりません。

一つひとつ大切なことではありますが、最も大切なのは体系移動です。

踊りに色々な技があって、衣装にもこだわりがあったとしても、その見せ方一つで印象は大きく変わります。

踊りや衣装もあまりこだわらずに、体系移動だけ意識して考えていくだけで、とても見ごたえのあるお遊戯会となります。

オススメの体系移動

では具体的にどのような体系移動があるのか、ランキングにして紹介していきます。

第1位:前後移動

一番単純で分かりやすく、見栄えもいいのが前後移動です。シンプルに前の列と後ろの列(2列で踊っている設定)の子が入れ替わります。

その入れ替わり方はただ前後して移動するのでは、逆に小さい年齢の子どもたちは難しい移動です。

小さい年齢の子どもたちでも取り組める前後移動は、同じ列の子と手を繋ぎ、大きな一つの円を描くように回って移動するものです。

この時に注意することは、端にいる子どもは理解力が高い子を勧めます。理由は、決まった場所に止まらなければならないからです。

また手を繋いで移動するのは列も乱れにくく、また可愛らしいので、とてもおすすめです。

また年中・年長児であればメリハリがつけられるようになるので、前後移動する際は踊りの振りをつけながら移動していくと見ごたえがあります。

第2位:半円型

半円型は年代問わず、作りやすい体系です。

特に劇を行う場合、登場シーンは役によってどうしても差が出てしまいますが、半円の状態で常に待機しているのであれば、登場シーンがなくても我が子の顔がずっと見ていられるので保護者受けがとても良いです。

また子どもたちも自分の登場シーンが終わり、待機に戻るという時もスムーズに戻りやすく、分かりやすいです。

第3位:V字型

これは舞台を広く使い、ダイナミックな踊りを踊るときにおススメの体系です。

少し難易度が高いものなので、理解が出来る年齢の子どもたちが行うことができるものとなっています。

また、V字型は逆V字型もあります。難易度をあげたい場合は、V字→逆V字に移動すると、見ごたえがあります。

第4位:一列

単純に一列まっすぐ並んで、手をあげるだけでも手の高低が自然とみられ、とても見栄えが良いです。

一列に並ぶだけでそろって見えるので、かっこいい曲などにはお勧めです。

また縦に一列でもいいですし、斜めや横に一列になると子どもたちの顔がしっかり見えますし、一体感を出すことが出来ます。

しかし一列になった後、他の体系になる際にバラバラになってしまいがちなので、次の体系がスムーズに行えるよう練習をしたり、指導の配慮が必要です。

第5位:円

子どもたち同士で円を描き、手を繋ぐだけでも可愛らしく、一体感がみられます。

子どもたち自身も、本番で緊張している中で円になると、友だちの顔が見えて笑顔になり、ほっと安心する姿もみられるので、演技のどこかにいれてあげると喜びます。

しかし円を描くのは、子どもにとって難易度が高いです。

その為、日頃の保育で円を描く練習を取りていくことが大切です。

体系移動の指導ポイント

次に体系移動の指導するにあたって、必要なポイントがあります。

体系移動の練習をする際は、踊りや歌、その曲に馴染んでから取り組むようにしましょう。

踊りもあまり覚えていないうちに伝えてしまうと、子どもたちも覚えることが沢山出てきてしまい、混乱してしまいます。

子どもたちのペースに合わせて行っていくことが大切です。

1.隣にいる友だちの名前を伝える

初めは大変かもしれませんが、一人ひとりどこに移動するのかを伝えていかなければなりません。

単純な移動でも、時間をかけて伝えていきましょう。

また伝える際に、今いる場所からどこへ行くか、隣の友だちは誰になったのかを伝えるのがポイントです。

子どもは耳で聞くより、目で見て覚えていく方が吸収が早いので、身近にいる友だちを覚えると、体系移動もすぐに覚える事ができます。

2.手を繋いで移動する

低年齢の子が体系移動をすると、バラバラに見えてしまいがちです。

5歳児になると周りを意識して移動することができますが、低年齢の子どもたちにも分かりやすく伝えるには、同じ列の子同士で手を繋いで移動することです。

手を繋いでいる姿は、見ている側も微笑ましい姿なので、そのままでもいいですし、移動がスムーズになったら手を放して行ってみても良いです。

3.移動するタイミングをそろえる

2番目と同じことですが、移動も綺麗に見せる為に手を繋ぐことともう一つ、皆が同じペースで移動することが大切です。

手を繋いで、子どもたちが分かりやすいリズムを取りながら移動することがポイントです。

例えば…

「おひっこし!おひっこし!」

「いち、にー、さん、しー、おひっこし!」

「みんなでみんなでおひっこし!」

このように子どもたちにも分かるように移動のタイミングを合わせられるように工夫していきます。

もちろん言葉でなくても、数字のカウントでも理解して行うことが出来ます。

4.隣の子と列を合わせる

体系移動や踊りの振り付けも覚えるようになってきたら、あとは出来ることを整えていくことが大切です。

子どもは、慣れてくると張り切っていた時と違い、踊りも適当になってきます。

その為移動した後、定位置にしっかりといるか確認するよう指導していきます。

もちろんそちらに集中して踊りが踊れなくなってしまうのは良くないですが、少し意識を向けていくよう促すだけでも、変わっていきます。

子どもには、隣にいる友だちと同じ位置にいるか確認するよう伝えると分かりやすいです。

まとめ

演技指導は、指導する前に保育士がどのように指導をするか考えることが重要です。

ただ音楽を流して、保育士の真似をして踊る…という練習方法だけでは、いずれか飽きが必ず来ます。

子どもたちが達成感を味わうことができるように、練習方法も工夫し、更に分かりやすく指導することが必要です。

また演技指導をしていると、子どもたちも上手く出来るかな?と不安に思ったり、保育士も他のクラスの方が上手いのでは?とプレッシャーに感じるようになります。

まずは、保育士が不安定になってしまうと、子どもも不安定になってしまいます。

保育士もプレッシャーがかかりますが、自分の担当する子どもたちのことを信じてあげてください。

同時に、あまり上手ではなくても「今日はとてもよく頑張ったね。」と必ず誉めてあげて下さい。

もちろん誉めてばかりが良いわけではありません。時には、引き締めていくことも大切ですが、子どもたちが自信を持って、堂々と舞台で演技出来るように仕向けていくことが一番大切です。

保育士も、子どもたちも行き詰らないよう、事前に演技練習のスケジュールを十分に組み、保育士が完成形のイメージをしっかりと持ちながら指導していければ、子どもも楽しく取り組めるはずです。

保育士も自信を持って指導していくことが大切なので、上記にあげたポイントをおさえながら取り組んでみて下さい。