勤務をする保育園探しのポイントは何でしょうか?給与面や通勤時間、保育園の規模ももちろん重要ですよね。しかし、いざ働き始めると職場の人間関係が何よりも大切なことに気が付きます。
保育士同士がお互いを尊重している職場は居心地が良く、保育士が活き活きと働いていることで子どもにも良い影響を与えます。反対に保育士同士の関係が上手くいっていない園では、保育士同士の連携が取れずに子どもにも悪影響です。
安心できる環境で働くために、そして子どもにより良い保育を提供するために需要な保育士の人間関係。
この記事ではそんな職場選びの時に、人間関係のいい保育園を選ぶポイントをご紹介します。
人間関係のいい保育園とは?
どんな保育園が人間関係のいい職場だと言えるのでしょうか?いくつかご紹介します。
- 保育士同士がお互いの保育を尊重している
- 陰で悪口を言わない
- 先輩から後輩へ適切な指導がされている
- 後輩が先輩を尊敬している
- 保育士が笑顔で挨拶を交わしている
- 保育の意見交換を気兼ねなくできる環境が整っている
- 保育の連絡事項が全職員に行き届いている
保育には正解がありません。10人の保育士がいれば10通りの保育があるのです。その中では意見がぶつかることもありますし、自分の保育と合わないと感じる時もあります。
しかし、一緒に働く仲間として、意見を言い合う時は陰で悪口として言うのではなく、意見交換の場を設けているかという点がポイントです。
そしてお互いの保育を尊重したうえで先輩保育士は指導を、後輩保育士は先輩保育士の良い部分を尊敬できている保育園は人間関係の良い職場です。
自分の保育と合わない、もしくはどこか気に入らない後輩や同僚だからと言って、挨拶をしない、連絡事項を伝えないという態度をする人がいると途端に職場の人間関係は悪くなります。
保育士は子どもに人間関係の基礎を教える存在です。しかし残念ながら、自分自身のことになると適切な人間関係を築けていない人もいるのです。
求人情報からわかる人間関係
では、どの様に人間関係の良い保育園を見つければ良いのでしょうか?まずは、就職活動の際に職場選びの初めの情報となる求人情報を見ていきましょう。
大学や短期大学、専門学校などに来る求人の場合には、毎年求人を出していないかという点に注目しましょう。
毎年求人を出しているということは、毎年退職者がいるということです。保育士が退職をする原因は人間関係だけではありません。
しかし、平成23年度の厚生労働省の調べによると、職場環境においての保育士離職理由の第1位はどの年齢でも人間関係です。
この結果からも分かるように、保育士が毎年退職しているということは人間関係に問題があるという場合も多いのです。過去3年ほど、毎年多数の求人を出しているという保育園は要注意です。
転職サイトや求人サイトの求人情報では、常に求人が出ていないかという点に注目しましょう。常に求人を出しているということは、退職者が多く保育士が足りていないということです。
また求人情報によっては、有給取得率や残業時間数が書かれている場合もあります。残業が少なく、有給がしっかりと取得出来ている園は、保育士の人数が豊富で保育士が余裕を持って仕事をしています。
仕事に余裕があると人間関係も良好に築けている場合が多いので、求人情報に書かれている時にはチェックしておきましょう。
保育士の転職サイトに関してはこちらの「保育士転職サイトを比較」という記事も見てみてください。
見学時に注目するポイント
人間関係のいい職場を見極めるのために欠かせないのが、職場を見学することです。
見学時に注目する点を具体的にご説明します。
保育士の表情と挨拶に注目
保育士がにこやかに子どもと接しているか、見学者である自分に笑顔で挨拶をしてくれているか、保育士同士が笑顔で会話をしているかという点に注目します。
見学者が来ても挨拶をしない、子どもへの対応もそっけないという場合には、保育士自身に余裕がなく職場が殺伐としている状態です。
人は自分に余裕がないと、他人にも優しくできないものです。保育士同士の人間関係も上手くいっていないと考えた方が良いでしょう。
先輩保育士と後輩保育士の関係に注目
先輩が必要以上に後輩にきつい口調で接している、後輩が先輩の顔色を窺ってビクビクとしているという場合には、後輩いじめをしている可能性があります。
もちろん保育の先輩としての指導は必要ですし、子どもの怪我に繋がる場合には強い口調になってしまうこともあります。
しかし、いつでも強い口調で接したり、訳もなく後輩に強く当たることは指導ではなくいじめです。その結果、後輩は子どもではなく常に先輩の顔色を窺うようになってしまいます。
反対に、先輩保育士が後輩保育士に適切な指導をして、後輩保育士がのびのびと保育ができる環境を整えている園では、後輩保育士は子どもと思い切り関わり保育力を身に着けていきます。
見学時の先輩保育士と後輩保育士の姿を、そこで働いた場合の先輩保育士と自分の姿と照らし合わせながら注目してみて下さいね。
保育士の年齢層に注目
見学の際には働いている保育士の年齢にも注目しましょう。狙い目は20代から40代、50代まで幅広い年代の保育士が働いている保育園です。
幅広い年代の保育士がいるということは、退職する保育士が少なく良い職場環境の保育園だと言えるからです。
また、同年代の保育士ばかりですと意見がぶつかりやすい状況でも、年配の保育士がいてくれることで、スムーズな意見交換に繋がります。ベテラン保育士の存在で、安心して働けるというメリットもありますよ。
面接時に注目するポイント
求人票をチェックして見学を終え、応募。そしていざ就職面接です。
面接は、保育園側が応募者の人柄や態度をチェックしたり、能力を見極めるという意味合いが大きいですが、応募者側が就職先の最終決定をする場でもあります。
面接では、園長や主任、保育士の中でも上の方の立場の人が面接官となる場合が多いものです。上の立場の人の人間性は、保育園全体の人間関係に影響します。
例えば面接官に笑顔がなく、高圧的な態度な時には、周りの保育士にも同じように接していると考えた方が良いでしょう。
子どもと笑顔で接するべき保育士や保育園経営者がその様な態度の保育園は、良い雰囲気の保育園とは言えません。
また、面接の時間になっても面接官が現れずに待たされるという場合も中にはあります。
突然の子どもの怪我などでやむを得ず遅れてしまったならばまだしも、訳もなく時間に遅れることは、応募してきた保育士を大事に考えていない証拠です。
働き始めてからも、同じ様に扱われる可能性が高いので、勤務先としてはおすすめしません。
見学では見えなかった面が面接で見えることもあります。この保育園では働けないと感じた時には、面接後に辞退をすることも可能ですので、勤務をする前に分かって良かったとポジティブに考えましょう。
園長の人柄は人間関係をあらわす!
人間関係の悩みの中には、園長との関係が上手くいかないという場合も多くあります。
園長が一緒になって子どもと遊び保育士に近い存在としていてくれる園は、雰囲気の良い保育園が多く、保育士同士の人間関係も良好な場合が多いのです。
保育の大変さを園長自身が感じていることで、時間帯によっては保育士人数を増やすなどの配慮もしてくれるため、保育士が余裕を持って働けるというメリットもあります。
しかし実際には、園長が保育に全く入らず保育士に指示をするだけという保育園も多くあります。特に、ベテランの保育士になればなるほど、園長との関りが増え園長から求められるものも多くなります。
園長には保育の大変さが伝わらず常に高い水準を求められる。しかし、その水準に達することができずに先輩保育士は余裕がなくなり、後輩保育士に強く当たるようになるという悪循環です。
見学や面接の時には、園長が子どもや保育士と近い立場でいるのか、それとも経営者としての立場が強く保育には入っていないのかという点にも注目をしてみてください。
まとめ
人間関係のいい職場を選ぶことは、働き始めてからの自分の生活や人生に影響します。
特に保育士として働く人は、辛くても「子どものために」という思いが強く退職できずに身体を壊してしまうという場合がとても多いのです。
そうならないためには、働き始める前に人間関係のいい職場を見極め、働いている自分の姿と照らし合わせてみてください。
ポイントを押さえて、じっくりと選ぶことで理想とする職場はきっと見つかるはずですよ。就職活動や転職活動を考えた時には、ぜひ参考にしてみてくださいね。