現在、保育士不足と言われ続け、保育士の給料見直しや、潜在保育士が復職しやすい環境を整えるなどの声が上がっています。

このように、どうにかして保育士を増やしたいと思われている一方で、保育の現場では毎年のようにリストラが行われていることをご存知でしょうか。

以前、保育の現場にいた私だからこそわかる、リストラの主な原因と保育士の裏側をお伝えしたいと思います。

保育士がいないからリストラされない。

そんなことはありませんよ?

保育士がリストラされてしまう理由

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リストラはどんな業種でもあることです。

保育士がいくら足りていなからといっても、当然リストラはあります。

給料もよくて、雇用保険等も問題ない。

しかし、翌月にリストラされてしまったという可能性も考えられます。

主に、リストラされてしまう原因は

  • 少子化問題
  • 経営上の問題
  • 幼保一元化の問題
  • 不当解雇

この4つが主な原因です。

子供がいない少子化問題

都会の保育園では待機児童問題が後を絶えず、保育士不足と言われ続けている一方で、田舎の保育園では少子化が進んでいるのが現状です。

実際に、私が勤めていた保育園も田舎にあった為、この問題を大きく抱え込んでいました。

来年には多くの子供たちが入園してくれるだろうという期待も虚しく、年々、入園者は少なくなっていました。

最初こそ60人ほどいた園児たちも、気付けば40人へと減っていました。

しかし、このような小規模保育は、マンモス園に比べると一人一人と密に関われる為、子供や保護者との信頼関係がより強くなります

そうすると、行き届いた保育を実現することが可能になってくるので、預ける側にとっては悪いことばかりでもありません。

保育士としてもこれほど有難い環境はないものです。

ですが、経営する側にとっては大きな問題となるのです。

それは、雇われている保育士にとっても同じことでした。

都内では考えれないと思いますが、地方ではよくあることです。

保育園などの経営上の問題

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入園する子供が減るという事はつまり、園側としては収入が減るわけです。

ちなみに、園の収入の80%は人件費です。

一般的に、人件費が85%を超えている場合には人件費過多と言われ、70%を下回る場合には雇用環境劣悪と言われています。

つまり、子供が減れば収入が減り、園として何を削るかと言うと、残念ながらこの人件費なんですね。

そもそも保育士の必要人数は、0歳は子供3人に対して保育士が1人、1.2歳は子供6人に対して1人、3歳は子供20人に対して1人、4.5歳は子供30人に対して1人という定義があります。

これをもとにして、リストラしていくんですね。

園側としても、この現状を伝えるのは心苦しいでしょう。

実際に私の同僚も数人、年度末の契約更新の際に、リストラを言い渡されていました。

威厳のある園長も、この時ばかりは申し訳なさそうな、悲痛な表情をしていたことがとても印象的でした。

園長にも同僚にも、同情のような気持ちが湧いたのと同時に、自分でなくて良かったという思いが生まれました。

そして、この経験から、雇っていただいているという有り難さを再認識することもできました。

ですがこれを機に、私は毎年やってくる契約更新のたびにビクビクした経験があります。

幼保一元化

同僚のリストラ通告と同じ頃、幼保一元化という言葉が出てきました。

幼保一元化とは、幼稚園と保育園の一元化を図ろうとする政策のことです。

育児サービスの多様化に伴って生じている幼稚園と、少子化で定員オーバーの保育所において、両者の問題を解決するべく幼稚園と保育園を一元化しようということでした。

これは実は、大幅に人件費を抑制することができるんですね。

一緒に見れるわけですからね。

そこまで人件費が必要ではなくなります。

さて、この幼保一元化ですが、私の園には実は大きな損失が生まれました。

幼保一元化の案が進み、隣町に認定こども園ができたのです。

ただでさえ田舎で子供の少ない街に、定員が200人とのことでした。

もちろん、うちの園の子供たちを奪うようなことはしない、という約束もあったのですが、結果として、次の年から新たな入園希望者はガクッと減りました。

そしてその結果、また1人リストラ通告という、辛い現実を突きつけられました。

私はその数年後に自主退職をしましたが、勤めていた保育園は現在無くなり、別の施設となっていました。

いくら、自分で働きたいと思っていても、このようなことがあれば、リストラもされてしまいます。

おつぼねたちによる不当解雇

さて、リストラ原因の中で、実はこれも多いのが現実です。

保育士にとって、職場の人間関係は本当に大切です。

今でこそ男性保育士も増えてきましたが、まだまだ女性の職場です。

正直、全部の園がそうではないのですが、少なからずドロドロしています。

職員同士の時でも、優しい先生、でいるわけではないようですね。

友人は10年勤めた園で不当解雇されました。

理由を聞いて驚いたのですが、主任に嫌われていた為、とのことでした。

何かと理不尽な事を言われ、仕事内容の連絡事項もきちんと通達してもらえず、辛い日々を過ごしていましたが、それでも子供が大好きで、必死に積み上げてきた10年間。

ですが突如、「来月から新しい子を入れたいから辞めて欲しい、クビにするのは簡単だけど、それだと可哀想だから、自主退職にしてくれる?」と言われたのだとか。

私から見ても友人は仕事のできるタイプで、保護者からの信頼も厚いと思われるので、これを聞いた時はショックでなりませんでした。

結果として友人は、自主退職し、また新たな園で保育士として頑張っているようです。

経営上の都合、仕方なくではなく、個人的な感情で不当解雇する事は少なくないようですが、先生と呼ばれる立場の人間がこのようなことを行って欲しくないものです。

リストラはいつあるかわからない

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さて、保育士もリストラされることもある、という事実を知っていただけたでしょうか。

保育士とは、子供の命と心を預かる大切な仕事です。

大きなストレスもかかえ込むでしょう。

今回は保育士をピックアップして書かせていただきましたが、どの仕事においてもいえることですよね。

雇っていただいている感謝の思いと、自分の下で働いてくれている感謝の思い、両者がしっかりと感じることが大切だということです。

急なリストラなどにも対応するために、常日頃から他の保育園などの情報を集めておくと、リストラされた時もスムーズに転職することができます

普段は忙しいので、自分では中々情報を得ることができないので、そんなときは「保育士専門の転職サイト」などを使うといいですよ。

保育士専門の転職サイトを使うことで、逐一保育園の情報などが入ってくるので、忙しい人でも情報を簡単に得ることができます。

それに、転職サイトでもプロのアドバイザーがいる、転職サイトもあります。

いわゆる転職エージェントですね。

アドバイザーに相談すれば、どんな情報も入ってきます。

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リストラはいつあるかわからないので、常に情報は持っておいた方がいいですよ。

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