12月が近づいてくると、クリスマス会の準備を始める保育園も多いのではないでしょうか。

毎年訪れるクリスマスですが、子どもたちには今年も楽しんでもらいたいですよね。

ですが、毎年クリスマス会に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では子どもたちの満面の笑みを見るためにも、

  • 保育園でクリスマス会を開催するときに考えるべきこと
  • 保育園でクリスマス会をする場合のスケジュール
  • 保育園でクリスマス会をする場合に気をつけること
  • 年齢別の喜ばれる出し物

など、現役保育士である筆者がクリスマス会をやる場合の注意点やおすすめの出し物などを紹介します

保育士は様々なことに気を配る必要はありますが、ぜひ全員が楽しめるようなクリスマス会を作ってくださいね。

保育園でクリスマス会を開催するときに考えたい4つのポイント

保育園でクリスマス会を開催するとき、考えるべきことは山ほどあります。

その中でも、特に重要なポイントがこちらの4つです。

  • サンタ役は誰がやるか
  • 出し物の対象年齢はどうするか
  • 出し物は毎年恒例のもの?新しいもの?
  • クリスマスの飾りつけはどの範囲に?

サンタ役は誰がやるか

クリスマスといえば、サンタさんです。

保育園に男の先生がいれば、サンタさん役は簡単に決まります。

ですが、男性が1人もいない保育園の場合、サンタ役選びには苦戦しますよね。

サンタ役の適任がいない場合、新任の女性保育士が抜擢される可能性が高いですが、「サンタさん=男性」という構図は、子どもの中でも既に出来上がっているものです。

ニセモノのサンタさんだと分かっていても、できれば男性のサンタさんを用意してあげたいですよね。

たとえば、外部の体操指導の先生に頼んで半日だけサンタさんになってもらったり、サンタさん役を半日だけ務めてくれるアルバイトを雇うのでも良いでしょう。

「サンタさん!!」と、サンタさんに向かって飛びついていく年長クラスの子どももいると思うので、できれば体格がの良いサンタさんが望ましいです。

出し物の対象年齢はどうするか

保育園には、0歳児から6歳児まで幅広い年齢層の子どもが集まっています。

それなので、すべての出し物が全園児対象というわけにはいきません。

しかも、乳児クラスは幼児クラスよりも、給食の時間が30分程度早く設定されていますし、クリスマス会だったからといって、そのリズムを狂わすわけにもいきません。

保育園児全員でクリスマス会を楽しむのであれば、午前の早い時間帯に全員が楽しめるようなイベントを用意し、後半戦で幼児組が楽しめるようなイベントを用意するようにしましょう。

出し物は毎年恒例のもの?新しいもの?

クリスマスは毎年訪れるものなので、出し物は毎年同じものをと考えている保育園は少なくありません。

毎年同じ出し物をすることで、新たにクリスマス会へ向けた制作をする必要性はなくなって経済的というメリットはあります。

さらに、毎年恒例の出し物であれば、日々忙しい保育士がクリスマス会へ向けてのリハーサルをあまりやらなくてもいいというメリットもあります。

ですが、毎年同じものを行うというのも、新鮮さに欠けておもしろくないですよね。

もし新しい企画があるのであれば、毎年恒例の出し物の中から1つだけ置き換えるような形で、その企画を提案してみてはいかがでしょうか。

すべての出し物を、真っ新な状態にするというのはなかなかリスクがありますが、1つだけ新しい出し物に置き換えるというのであれば、いくらかハードルは下がるでしょう。

クリスマスの飾りつけはどの範囲に?

クリスマス会の飾りつけの範囲も、昨年のデータを元にしっかり把握しておきましょう。

  • 園全体をクリスマスカラーにするのか?
  • クリスマス会を開催するホールだけを装飾するのか?

などによっても、保育士の仕事量は変わってきます。

昨年そのまま残してあった飾りつけを使うにしても、1年経って壊れてしまったものもあるかもしれません。

子どもたちに喜んでもらうためにも、飾りつけはなるべく早めに出し、不備のあるものは早急に直すことを心掛けておきましょう。

できれば、子どもたちにもクリスマスの制作をしてもらい、それをホールに飾ってみましょう。

そうすることで、子どもたちもクリスマス会に参加しているという気持ちになれますし、子どもたちの制作があることで、園全体が一気に明るくなりますよ。

保育園で行うクリスマス会の流れの例

保育園で行うクリスマス会。

出し物を詰め込むあまり、クリスマス会が長丁場になってしまっては子どもたちも疲れてしまいますので、長くても1時間半辺りで切り上げられるような内容にするようにしましょう。

一般的な流れは下記の通りです。

9:50ホールに集合→クリスマス会開始の挨拶
10:00保育士が手遊びや絵本で盛り上げる
10:10全員でクリスマスソングの合唱
10:20保育士から子どもたちへの出し物
10:30サンタさん登場→プレゼント渡し
10:45全員で記念撮影
10:50乳児クラスの退場
11:00幼児クラスの出し物
11:30クリスマス会終了→各クラスに戻る

こちらは、乳児クラスは出し物を行わないパターンです。

乳児クラスは、クリスマスにはサンタさんが来るということを肌で味わってもらうだけになります。

次に、乳児クラスが出し物をする場合のスケジュールの例です。

9:50ホールに集合→クリスマス会開始の挨拶
10:00保育士が手遊びや絵本で盛り上げる
10:10全員でクリスマスソングの合唱
10:20幼児クラスからの出し物
10:40サンタさん登場→プレゼント渡し
10:50全員で記念撮影
11:00乳児クラスの退場
11:10幼児クラスからの出し物
11:40クリスマス会終了→各クラスに戻る

乳児クラスが出し物を行うので、先ほどの例よりも若干ではありますが時間が延びています。

全員参加型のクリスマス会をという場合には、こちらの乳児参加型スケジュール例がおすすめです。

クリスマス会で気を付けておきたい3つのポイント

クリスマス会を先ほどの表の通りに進めたとしても

  • 乳児クラスに合わせて、全体で楽しめる出し物は前半に
  • サンタさんを怖いイメージのまま終わらせない
  • 全員でクリスマス衣装を着る
  •  

という、気を付けておきたいポイントが3つあります。

乳児クラスに合わせて、全体で楽しめる出し物は前半に

クリスマス会の流れで気を付けておきたいことの1つ目は、乳児クラスの給食の時間に合わせて、全員で楽しめる出し物はクリスマス会の序盤で行うようにすることです。

乳児は集中力がまだ付いていないので、頑張れてせいぜい1時間です。

記念撮影には全員が元気よく写っていてほしいので、そこで眠くならないよう、前半戦の出し物はなるべくスピーディーに行いましょう。

サンタさんを怖いイメージのまま終わらせない

クリスマス会の流れで気を付けておきたいことの2つ目は、サンタさんは怖いというイメージを定着させないことです。

サンタさんを初めて見る子どもの中には、サンタさんがホールに入ってきた瞬間に泣き出してしまう子もいるかもしれません。

大人からしてみれば何とも思わないサンタさんですが、突然真っ赤な服装をした大きなおじいさんが現れたら、ビックリして泣いてしまうのは当たり前ですよね。

子どもが泣いてしまった場合は、保育士が優しく抱っこしてあげたり、膝を貸してあげたりして、子どもたちの気持ちを落ち着かせる工夫をしてあげるようにしましょう。

12月に入ったら、「今度、保育園にサンタさんが来るよ~!」と、クリスマス関連の絵本を読み聞かせしてあげて、サンタさんへのハードルを低くしておくことも忘れずにしてくださいね。

全員でクリスマス衣装を着て、クリスマス会をする

せっかくのクリスマス会ですから、保育士だけではなくて子どもにもクリスマス衣装を着てもらいましょう。

お遊戯会のように上から下まで準備するのは大変ですから、簡単に作れる衣装で大丈夫です。

年長クラスであれば、子どもたちが簡単に手作りできるようなワッペンなどを作ってもらい、当日はそれを胸につけるという形でも良いかもしれません。

全員がクリスマス衣装を着るというのは、会場の一体感と、クリスマスムードを演出する目的ですので、絶対というわけではありません。

保育園のクリスマス会で喜ばれる出し物3選【5~6歳編】

では、最後に年齢別でクリスマス会におすすめの出し物をそれぞれ紹介していきます。

5~6歳の子どもたちにおすすめの出し物がこちらの3つです。

  • プレゼント選びリレー
  • クラス対抗プレゼントゲーム
  • クリスマスソングの合奏

プレゼント選びリレー

プレゼント運びリレーは、保育士が予め段ボールでソリを作っておきます。

ソリの箱車部分に、クラスでいつも使っているオモチャなどを詰めて、クラス対抗でソリを運んでいくというゲームです。

普段も行えそうな出し物ではありますが、ソリがクリスマス感を演出してくれるでしょう。

それなので、ソリはクリスマスムード一色の装飾を心がけるようにしましょう。

クラス対抗プレゼントゲーム

クラス対抗プレゼントゲームは、保育士がまず、クリスマスのプレゼントに見立てた箱を用意します。

子どもたちはクラスごとに並び、その箱をどんどん積み上げていきます。

時間内で、プレゼントの箱をいちばん高く積み上げることのできたクラスが優勝という、とてもシンプルなゲームです。

クラスの絆も深まりますし、手先が器用になってくる5~6歳クラスにはもってこいの出し物であるでしょう。

クリスマスソングの合奏

5~6歳にもなってくると、カスタネットやタンバリン、トライアングルなどの楽器を上手に使えるようになるでしょう。

保育士がクリスマスソングの伴奏をして、子どもたちが楽器を使って合奏という形を取れば、演奏がバラバラになってしまうリスクを軽減できます。

おすすめの楽曲は、「あわてんぼうのサンタクロース」です。

曲のところどころに「ドンドンドン」や「リンリンリン」などの擬音語があるので、その部分を合奏という形で楽器の演奏に当てることができます。

その他の部分に関しては合唱という形で、お歌を歌ってもらっても良いでしょう。

すべての部分で合奏を取り入れるということであれば、海外の定番クリスマスソングでも良いかもしれません。

Wham!の「ラスト・クリスマス」であれば、子どもたちもCMやスーパーなどで一度は耳にしたことがあるかと思いますし、クリスマス会で披露するには十分ではないでしょうか。

保育園のクリスマス会で喜ばれる出し物3選【3~4歳編】

次に、3~4歳の子どもたちが喜びそうな

  • クリスマスクイズ
  • パネルシアター
  • クリスマスソングの合唱

この3つの出し物をそれぞれご紹介していきます。

クリスマスクイズ

クリスマスクイズは、サンタさんが子どもたちへ、クリスマスに関連するクイズを出すというものです。

クリスマスに関連するクイズはたとえば、「サンタさんのおうちはどこにあるでしょう?」、「トナカイの名前は何て言うでしょう?」などです。

サンタさんが回答を準備しておく必要がありますが、子どもたちが難しいクイズに苦戦する姿が可愛いですよ。

パネルシアター

普段のお誕生日会などでも登場するパネルシアターを、クリスマス版として子どもたちに届けてあげましょう。

絵本とは違った楽しみがあるパネルシアターは、特に3~4歳児を魅了する出し物のひとつでもあります。

クリスマス時期になると、街中がイルミネーションでキレイに輝きますよね。

それと同じで、保育室を少し暗くして、ブラックライトを照らしたパネルシアターにしてみてはいかがでしょうか。

普段のパネルシアターとは少し違うものを見ることができて、子どもたちのテンションも上がること間違いなしです。

クリスマスソングの合唱

3~4歳クラスでは、定番のクリスマスソングを覚えてもらうために、合唱を取り入れてみると良いでしょう。

定番中の定番でもある「ジングルベル」、「赤鼻のトナカイ」などはいかがでしょうか。

手拍子しながら歌ったり、できるのであれば少し楽器の演奏も取り入れてみても良いかもしれません。

保育園のクリスマス会で喜ばれる出し物2選【乳児~2歳編】

最後に、乳児~2歳児の子どもたちが喜びそうな、

  • クリスマスの絵本読み聞かせ
  • クリスマスソングでダンス

この2つの出し物をそれぞれご紹介していきます。

クリスマスの絵本読み聞かせ

「クリスマスとはこういうイベントなんだよ」というのを知ってもらうため、クリスマス関連の絵本の読み聞かせをしてあげましょう。

真っ赤な洋服をまとったサンタさんに、興味津々になる子どもも多いのではないでしょうか。

おすすめの絵本は、「ノンタン!サンタクロースだよ」、「メリークリスマス、ペネロペ!」、「さんかくサンタ」、「いち、にい、サンタ」などです。

これらは、サンタさんやクリスマスのことを理解していない乳児向けの絵本になっていますし、絵も大きくて分かりやすいので、子どもたちの目に焼き付いてくれること間違いなしです。

クリスマスソングでダンス

定番のクリスマスソングを使って、ダンスを披露してみたら絶対に可愛いですよね。

まだ振り付けを覚えるということはできないので、保育士も一緒にダンスをする必要がありますが、先生を真似て一生懸命に踊ろうとしている姿に、成長を感じてする保育士もいるのではないでしょうか。

0歳児の場合は、保育士が手や足を動かしてあげて、リズムに乗って踊らせてみましょう。

まとめ:保育園のクリスマス会は保育士も子どもたちも楽しめるものを!

1年に1度のクリスマス会。

せっかくであれば、全員がしっかり楽しめる出し物を出してあげたいですよね。

12月に入ったらクリスマスの制作をしてもらって、それを園に飾りつけするところからスタートすれば、長い期間クリスマス気分を味わうことができます。

保育園で行うクリスマス会は、子どもたちの年齢層が幅広いので、全員が一緒に楽しめるイベントというのは少ないです。

ですが、それぞれに良い思い出を作ってもらえるよう、今回ご紹介した内容をぜひ参考にして頂けたらと思います。