子どもたちの成長のためにも欠かすことのできない、誕生日会。

保育園では、毎月誕生日会をおこなうのが定番です。

月に1回訪れる誕生日会に胸を弾ませている子どもも多く、子どもたちの期待を裏切らないために、毎月どんな出し物を出すかと奮闘している保育士も多いでしょう。

そこでこの記事では、

  • そもそも誕生会をやる理由は?
  • 開催する意味
  • おすすめの出し物

などについて詳しく解説していきます。

誕生日会が保育園児にもたらす理由を知り、子どもたちが笑顔になってくれるような誕生日会の出し物を考えてみましょう。

保育園で誕生日会を開催する目的や意味

誕生日が特別なイベントであることは明確ですが、保育園であえて誕生日会をおこなうのには、

  • 誕生月の子どもは「お祝いされる喜びを知る」
  • 誕生月以外の子どもは「お祝いする楽しさを知る」
  • 行事や集会という場に慣れてもらう

という大きな3つの理由があるからです。

開催する3つの大きな理由についてそれぞれ解説しますね♫

誕生月の子どもは「お祝いされる喜びを知る」

誕生月の子どもにとっての誕生日会は、みんなの前に立って、お友達や先生たちにお誕生日をお祝いされる、特別な時間です。

いつもとは違う環境に緊張する子どももいますが、最後には「みんなにお祝いしてもらってうれしかった」という感情が出てくることでしょう。

その感情が、子どもの心を豊かにします。

大事な人は家族だけではないことを知ってもらうにも、誕生日会は最適なイベントなのです。

誕生月以外の子どもは「お祝いする楽しさを知る」

年に12回おこなう誕生日会ですが、11回はお祝いする側です。

自分がしてもらって嬉しかったことを、お友達にしてあげたらお友達も喜んでくれた」

こういう気持ちを育てることができるのも、毎月おこなう誕生日会ならではです。

大好きなお友達の笑顔を見ることができたという喜びもまた、子どもの心を豊かにします。

行事や集会という場に慣れてもらう

保育園は、集団で過ごすことを学ぶための場所で、今後の人生の基礎を学ぶ場所でもあります。

日本にはさまざまな行事があること、自分の思い通りに動けない日もあることなどを知ってもらうため、保育園ではさまざまな行事をおこなっています。

保育園時代に行事や集会に慣れてしまえば、その後進む小学校でも、落ち着いた心で行事や集会に参加できるようになります。

保育園でおこなう誕生日会の注意点

保育園で誕生日会をおこなうのは、子どもの成長だけをみれば素晴らしいイベントであることに間違いはありません。

ですが、保育士の観点から見ると、年に12回も訪れる誕生日会というイベントは、頭を悩ますものでもあるでしょう。

そんな保育園で誕生日をおこなうときに注意したいポイントがこちらの5つです。

  • 直近の月とかぶらない出し物を考えること
  • 同月に行われる他のイベントと内容がかぶらないようにすること
  • 乳児から幼児まで楽しめる出し物を出すこと
  • 季節に合わせたネタを取り込むこと
  • 年度内はほぼ同じ構成で進めるようにすること

それぞれ具体的に説明しますね。

前月とかぶらない出し物を考えよう

子どもたちは、誕生日会を心待ちにして待っています。

そのためできれば、直近数ヶ月で出した出し物は出さず、新しい出し物でチャレンジしてください

子どもは意外と記憶力が良いですから、「この前やった●●会の出し物と一緒だ。つまらない。」という気持ちに簡単になってしまいます。

一度「つまらない」と感じると、そこから「楽しい」に方向転換させることは、なかなか難しくなります。

毎月考えるのは大変かもしれませんが、その子どもにとっては1年に一度きりの誕生会です。

なるべくローテーションを作り、子どもたちに飽きさせない工夫をするようにしましょう。

同月に行われる他のイベントと内容がかぶらないようにしよう

たとえば、

  • 5月にはこどもの日
  • 12月にはクリスマス
  • 3月にはひな祭り

など、誕生日会以外にもイベントがある月があると思います。

その場合、月に2回以上、全体で集まってイベントの時間を共に過ごすわけですが、誕生日会とそのイベントの内容を決して一緒にしないでください

保育士にとっての誕生日会は、仕事の流れの一環行事に過ぎませんが、子どもにとっての誕生日会は特別なものです。

その特別な行事を、他のイベントと同じ内容でおこなわれたら悲しくなりますよね。

さらに、同じ月にどんなイベントがあろうとも、子どもたちが1番喜んでくれそうな出し物は、誕生日会にとっておくようにしましょう。

MEMO季節的な行事がある誕生月の子どもとそうでない子どもで、誕生日会の内容に不公平が出ないプログラム作りが必要です。

全員が楽しめる出し物を出そう

保育園は、0歳児から6歳児まで幅広い年齢層の子どもが集まっています。

誕生日会は、保育園児全員がホールなどに集まっておこなう行事ですので、すべての保育園児が楽しめる出し物をする必要があります。

時間に余裕があるのであれば、誕生日会の序盤は乳児用の出し物で乳児に楽しんでもらい、後半は幼児向けの出し物で幼児に楽しんでもらうのも良いでしょう。

季節に合わせたネタを取り込もう

誕生日会は年に12回ありますので、どう頑張ってもネタが尽きてくるでしょう。

その場合は、季節に合わせたネタを取り込んでみるのもおすすめ。

実はいつもとまったく同じネタなのに、季節ネタを取り込むことで、いつもとは違った出し物に見えることもありますよ。

年度内はほぼ同じ構成で進めるようにしよう

誕生日会を毎月おこなっていると、「ここはもっと時間を割いたほうが良かったな」とか「ここはそんなに時間はいらなかったな」などの反省点が出てくると思います。

それを翌月以降の誕生日会で見直しても良いのですが、大幅な見直しは新年度に入ってからにしましょう。

というのも、年度内で誕生日会の内容を大幅に変更してしまうと、そこに不公平が生じるからです。

保育園の誕生日会でおすすめしたい出し物8選

以上のポイントをふまえて、最後に、保育園の誕生日会でおすすめしたい出し物を8つ紹介します。

それぞれ、「定番」「お話」「マジック」と3つにわけて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

おすすめの出し物はこちらです。

  • お誕生日ソング
  • おやつタイム
  • 絵本や紙芝居の読み聞かせ
  • パネルシアター
  • エプロンシアター
  • ペープサート
  • マジックショー
  • シルエットクイズ

【定番】誕生日会には絶対に欠かせない「お誕生日ソング」

誕生日会には絶対に欠かすことのできない誕生日ソング

「ハッピーバースデートゥーユー♪」と大きな声で歌ってあげられるよう、誕生日会前には各教室で練習したいですね。

保育園でおこなう誕生日会の場合は誕生月の子どもの数が多くなるので、個々に「●●ちゃん♪」とお祝いするのではなく、複数人をまとめて呼ぶようにしましょう。

【定番】誕生日会の終盤で特例の「おやつタイム」

普段は午前中におやつタイムをおこなわない3歳児以上のクラスでも、誕生日会の日だけは特別です。

乳児クラスと一緒に、午前中のおやつタイムを作ってあげましょう。

そこで出すおやつは、誕生日の定番でもあるケーキの必要はありません。

おせんべいやクッキーなど、その後の給食に響かない程度のものをあげるようにしましょう。

誕生日会にあえておやつタイムを設ける理由は、「誕生日会の日は、おやつタイムが2回ある!」とワクワクしてもらうことが目的です。

【お話】お誕生日にちなんだお話を!「絵本や紙芝居の読み聞かせ」

世には誕生日用の絵本や紙芝居が多くあります。

図書館に借りにいけば、毎月違った絵本や紙芝居を読み聞かせしてあげることができます。

おすすめの絵本は、

  • ももんちゃんのポップアップえほん おめでとうのももんちゃん
  • おたんじょうびのケーキちゃん
  • ピヨピヨ ハッピーバースデー
  • ケーキがやけたら、ね
  • 3びきこりすのおたんじょうびケーキ

などです。

特には、「ももんちゃんのポップアップえほん おめでとうのももんちゃん」ポップアップ絵本なので、乳児から幼児期まで楽しめる絵本になっています。

紙芝居は、「おたんじょうびおめでとう」がおすすめです。

紙芝居に関しては、自分たちで手作りのものを作ることで、バリエーションが広がります。

【お話】保育園の出し物の定番中の定番「パネルシアター」

仕掛けがいっぱいのパネルシアターは、保育園児が大好きなイベントの出し物のひとつですので、内容を変えて毎月出してあげると良いでしょう。

最終的な終着点は毎月同じ「お誕生日おめでとう」でも、登場人物や過程のお話しをアレンジするだけで、毎月違ったお話を子どもたちに楽しんでもらえます。

子どもたちが大好きなキャラクターを登場させても、おもしろそうですよね。

【お話】まるで四次元ポケット!「エプロンシアター」

エプロンシアターは、保育士の定番中の出し物でもあり、保育園児にとっても馴染みのある出し物です。

誕生日会に出す特別な内容のものを作っておき、それを披露するようにしましょう。

まるで四次元ポケットのように、次から次へと出てくるキャラクターに、子どもたちもワクワクすること間違いありません。

【お話】誕生月の行事に合わせた「ペープサート」

ペープサートを作って、お誕生日のお話しや歌に合わせて使ってみましょう。

ペープサートは、エプロンシアターなどと比べて簡単に作りやすいので、手が空いたときにいくつかのストーリーを作っておいても良いかもしれません。

誕生月ごとに、その季節や行事に合わせたペープサートを作っておけば、毎月違うストーリーを見ることができて、子どもたちも盛り上がるのではないでしょうか。

【マジック】子どもたちは解読できるかな?「マジックショー」

一瞬で水の色が変わるマジックや、瞬間移動ビーズなど、準備は簡単なのに子どもたちが大喜びしてくれるマジックはたくさんあります。

誕生日会が終わったあと、種明かしとして子どもたちと一緒に作れるものであれば、同じもので2度楽しめるので良いでしょう。

マジックがマンネリしてきたら、市販のマジックグッズを購入し、それを披露してみても良いかもしれません。

【マジック】みんなで楽しめる「シルエットクイズ」

子どもたちが誰でも絶対に知っているようなキャラクターや、野菜や動物などを題材にして、シルエットクイズを出しましょう。

紙皿の表面に、答えとなるもののシルエットを作り、裏面に答えのものを色付きで描きます。

形に特徴のあるものであれば、折り紙や厚紙などで直接形を作っても良いでしょう。

言葉を話すことのできない乳児クラスの子どもたちも、喜んでくれること間違いなしです。

保育園の誕生日会は子どもたち全員が笑顔になる出し物をしよう!

保育園の誕生日会は、子どもたち全員が笑顔になれる出し物を出したいものです。

定番中の定番である「ハッピーバースデー」の歌は、内容が変えられませんが、それ以外のものは、内容をアレンジして、毎月違った出し物で楽しんでもらいましょう。

誕生日会は、保育士の腕の見せどころです。

ぜひ、保育園児全員が楽しんでくれる出し物を作ってください!