何の汚れもない子どもたち。真っすぐで素直な子どもの感受性はとても豊かです。

その為、大人の何気ない言葉がその心を傷つけたり、逆に子どもの可能性を引き出したりするものです。

子育てでも大事な事ですが、幼稚園や保育園という場は子どもたちが楽しめる場ではなくてはなりません。

子どもたちが笑顔で過ごせるような保育をする為には、コツが必要です。そのコツをいくつかご紹介します。

子どもにとってNGの言葉

先生という立場になると、どんなに子どもが好きでも、思い通りにいかない子どもをみて、つい怒ってしまうことは誰でも経験があると思います。

子どもは、大人にかけられた言葉にとても敏感に反応をします。言葉のかけ方一つで、マイナスにもプラスにもなります。

その為先生からの言葉掛けは子どもを左右する程のものですので、十分に注意が必要です。

例えば…

  • 「〇〇くんはキチンと出来ているよ?」等の子ども同士を比較するような言葉
  • 「太っているね」「背が小さいね」等の外見に関する言葉
  • 「〇〇じゃねーんだよ!」等の男言葉
  • 「いい子だね」「泣かないよ」等のプレッシャー言葉
  • 「なんでそういうことをしたの?」等の責める言葉

他にも挙げたらキリがありませんが、よく言ってしまいがちな言葉を挙げてみました。

これだけ見てみると、どのような言葉が正解なのか分からなくなってしまいますよね。

なので、まず子どもに声を掛ける時には子どもの立場に立って考えてみましょう

今の子どもの気持ちはどのような気持ちなのか、今後子どもにどうなってほしいか…ということを考え、その時の子どもに合う言葉を掛けてあげて下さい。

もちろん初めは上手くいくものでもありません。

それでも子どもの姿を見て、考えて言葉を掛けてあげたということが大切なのです。

またNGな言葉として何点か挙げましたが、どのように言い換えれば子どもにプラスになるのかご紹介します。

比較するような言葉

先生から見て子どもに気付いてほしい際、周りが見れるよう仕向けようと、つい比較的な言葉をかけてしまいがちです。

しかし、子どもたちは「先生は〇〇くんのことばっかり褒めてるなぁ。」「なんで僕はこんなに怒られるんだろう?」と自分を責めてしまいます。

その際には「今みんなは何をしているか、良い目で見てみよう!」等、子ども自身が気付けるように仕向けることが大切です。

外見に対する言葉、男言葉

これは大人が言われても嫌ですよね。子どもも一緒です。

同様に、子どもは大人が言った言葉を聞くと、それが正しいと思い、真似をするようになります。

これは先生という立場だけではなく、大人皆が気を付ける必要がある言葉です。

また、この言葉は子ども同士で言い合いになり、トラブルの原因になることもあります。

その際には、「100点の人間はいないから、自分の好きな事や得意な事が増えるようにしていけばいいんだよ」と声をかけてみてもいいかもしれません。

プレッシャー言葉

言葉だけ聞くとそんなに悪い言葉だと思わないと思いますが、敏感な子どもにとっては、褒められたことに喜びを感じ、先生からみて「理想の姿」を持続しなきゃ!と思ってしまいます。

褒めることも大切ですが、子どもにプレッシャーを与えないように気を付けていくことが必要です。

例えば、「絵が上手だね」ということを言いたい場合、「色んな色を使ったね。何を描いたの?」と素直に子どもが絵に対して話が出来るように促すことで、子どもも楽しく自分の絵について話をするようになります。

責める言葉

「どうして?」「なんで?」と思う事は、子どもと関わっていると毎日思います。

それを素直に聞いてしまうのではなく、心に留めながら、まず自分で考えてみてください。

「なんでこの子はこういうことをしたのだろうか?もしかしたらこういうことをしたかったのでは?」と考えることで、子どもに寄り添うことが出来ます。

ただ「なんで?」と聞かれると、怒られることを考え、何も言えなくなってしまいます。

私はあなたを理解しているということを子どもに伝えていくことで、子どもも素直に自分の思いを話すことが出来ます。

褒め上手になるポイント

誰だって褒められれば嬉しいですよね。子どもだって同じ。ただし「ただ褒めればよい」というわけではありません。

子どもにきちんと伝わる褒め方にはポイントがありますので、これらを参考にして褒め上手を目指してみてください。

具体的な内容で褒める

ただ「えらいね、すごいね」と褒められても、子どもにはなぜ褒められたのか伝わりません。

「こういう所が良かったよ!」など具体的な内容も含めて褒めてあげることを心がけましょう。

褒めるタイミングを逃さない

時間が経ってからでは、子どもたちの喜びの大きさが異なってきます。

なるべくその場で時間を置かずに褒めてあげましょう。

結果ではなく、その過程を褒める

もちろん結果も大切ですが、子どもたちがその結果を出すまでに色々な工夫をしていたと思います。

一番褒めてあげる所は、その過程です。例え失敗したとしても、その経験をいたことで成長や気付きがあったはずです。

結果だけがすべてではないと学び、次の行動へと子どもたちを導くことができるという、大きな経験を得ることが出来ます。

当たり前の事でも、継続していることを褒める

大人でもそうですが、あることが「当たり前」となってしまい、褒める機会が減ってしまいます。

子どもが元気に挨拶していたり、給食を完食したりと一見当たり前に思える事でも継続していることに気付き、褒めてあげることで、子どものやる気にも繋がります。

子どもが笑顔になるアイテム

保育には欠かせないアイテムは沢山あります。

今まで紹介してきた先生からの言葉も、子どもたちにとって大切なことですが、より良い保育が行えるようなアイテムを持っていると、保育の幅も広がり、子どもたちにとっても素敵な時間を過ごす事が出来ます。

実際に保育で使い、経験も踏まえてご紹介します。

絵本、紙芝居

幼稚園といえば、読み聞かせは当たり前。どの先生たちも行っています。でもただ置いてある絵本や紙芝居を読んでいいわけではありません。

その年齢や環境、季節に合ったものを選び、読み聞かせしていくことが必要です

また園によっては大人数の子どもを相手に読み聞かせをすることもあります。その際には大型絵本やパネルシアター、プロジェクターを使っていく方法もあります。

パペット

年齢問わず、子どもはパペットが大好きです。3歳児はもちろん、5歳児でもパペットの存在は大きく、笑顔にさせる為には必要不可欠といってもいいでしょう。

最近は動物だけではなく、子どもが親しみやすいキャラクターのパペットも販売していますので、色々なパペットを集める保育士や幼稚園教諭は多いかと思います。

またどのような時に使うかというと、保育の主となる活動次の活動の合間に使ったり、活動の導入として使用していくことをお勧めします。

まとめ

保育をするにあたって大切なことは、子どもの目線に立ち、子どもにとって一番良い環境を整えてあげる事です。

しかし大人も一人の人間。イライラしたり、感情的になってしまうこともありますよね。

そういう時こそ一度冷静になり、子どもの気持ちになって考えてみてください。

あとで後悔してしまうよりも、その時冷静になる方が子どもの為にも、自分にとっても良い方向に進むことが出来ます。

是非褒め上手になり、保育のスキルが高い先生を目指してください。