パート保育士になりたいと考えているものの

  • パートなのに仕事量が多すぎる
  • 体力が追いつかなくてつらい
  • 正社員でないため自分の評価が上がらない

数々の「パート保育士は大変」という情報を耳にして悩んではいませんか?

確かにパート保育士は、子どもの身の回りの世話から片付けや掃除などの雑用が多く、それをこなすには、かなりの体力が必要になります。

なぜ、パート保育士はこんなにも大変なのでしょうか?

働きやすい保育園を見つけるにはどうしたらよいのでしょうか?

今回は、パート保育士の仕事内容や給料、大変な理由、そして働きやすい保育園の見つけ方も併せて紹介します

パート保育士を目指している人や、転職を考えているパート保育士はぜひ参考にしてみてください。

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パート保育士の需要は年々高くなって来てるから正社員はちょっといや。という方は良い選択肢の1つですよ!

そもそもパート保育士とは何?特徴について

保育園で働く保育士は、主に2種類に分けられます。

正社員の保育士と、パート保育士です。

正社員は月収制で8時間勤務。一方、パート保育士は時給制で勤務時間を自由に設定できるのが特徴です。

パート保育士は2種類あり、勤務時間数によって名称が変わります。

  • 短時間パート保育士…1か月の勤務時間が120時間未満(1日4~6時間勤務)
  • 長時間パート保育士…1か月の勤務時間が120日以上(1日8時間勤務)

早番・遅番のみとパート職員の勤務時間を固定する施設が多いです。

週数日と勤務日も選べますが、人手不足な現場では、正社員と同じく週5日勤務しているパート職員がほとんど。

正規保育士の離職率も相まって、パート職員を募集している保育園も増えています。

下記の表をみてみてください。

 

参考:厚生労働省「全国の保育所実態調査報告書2011」

厚生労働省の調査によると、公立・私立保育園全体のパート保育士の割合は45.6%。

つまり、保育園で働く職員の半分近くがパート保育士なのです。

保育現場にとって、パート保育士は欠かせない存在であることがわかりますね。

パート保育士の具体的な仕事内容

 保育園によって、パート保育士の働き方は変わりますが、基本の仕事内容は大きく分けて2つあります。

①担任保育士のサポート

正規職員は担任を持ち、パート保育士はその補助が仕事です。

担任保育士は、子どもの前に立って保育を仕切ります。

製作を教えたり、運動あそびをしたり、食事の援助をしたり、子どもの活動を引っ張るのが担任保育士。

パート保育士は、担任保育士が動きやすいよう以下のようなフォローをします。

  • 活動前に保育室のセッティング
  • 子どもに活動を促す声掛けをする
  • お散歩に行くときはバギーを出す

このように、パート保育士は裏方に回るのが主な仕事です。

②保育室の片付け・掃除・製作

細々した雑務もパート保育士の仕事です。

  • 給食の配膳や片付け
  • 保育室の整理整頓
  • 保育室やトイレ・廊下や玄関の掃除
  • おもちゃの消毒
  • 壁面製作や、イベントの装飾品の製作

子どもだけで片付けられる場合はできるだけ見守りますが、0~1歳児はまだ難しいので主にパート保育士が片付けを率先してこなします。

正規職員は保育活動のほかに、日誌や連絡カード、個人の記録などの事務作業に追われているため、掃除はほとんどパート職員が担います。

施設によっては、掃除は業者に頼んでいるところもありますね。

子どものお昼寝時間に製作をすることも多いです。

その他は、哺乳瓶を洗ったり、洗濯をしたり、たくさん仕事がありますが、他のパート職員と協力して行います。

パート保育士が大変な2つの理由

保育現場で欠かせない存在であるパート保育士。

そんなパート保育士を悩ませているのは、仕事量の多さと保育現場の過酷さです。

パートなのに正社員と同じ仕事量

先ほど「パート保育士の仕事は担任保育士の補助」と紹介しました。

しかし、正社員と同じように、パート保育士にも担任を任せる保育園があるのです。

確かに、子どもの命を預かる者として、正社員もパートも関係ありません。

両者の責任は同等なものです。しかし、正社員同様の仕事量を任せることで、パート職員から不満の声が上がっているのは事実。

なぜ、パート職員の仕事量は多いのでしょうか?

それは、保育現場の慢性的な人手不足が原因です。

厚生労働省によると、

出典:厚生労働省

私立保育園の正規保育士の離職率は12.0%

10人に1人が辞めている保育現場では、とにかく職員一人一人の負担が大きいのです。

たとえパート保育士であっても、人手が足りない以上、担任を任せざるを得ない状況にあります。

毎日活動を考えて準備をしたり、素材を買ってきたり、保護者対応をしたり、書類作成をしたり…。

仕事量が多いのにも関わらず、正社員程の給料はもらえませんし、ボーナスも支払われません。

パート保育士の負担削減が今後の大きな課題です。

身体的な負担が大きい

保育園では、育児を終えた中年主婦がパート保育士として活躍しています。そのため、年齢的に身体的な疲労に悩まされているパート職員がほとんど。

保育士の体に負荷がかかる活動は3つです。

  • 子どものおんぶや抱っこ
  • お散歩
  • 運動あそび

0歳児の体重は3~8㎏、米袋1つ分の赤ちゃんを支えるのはとてもつらい仕事。

腕や肩、腰にも大きな負荷がかかるため、体を痛めてしまう人もたくさんいます。

ヘルニア、ぎっくり腰、ひどい場合は骨折なんてことも。

お散歩や運動遊びに加えて、パート保育士は食事の準備や片付け、施設全体の掃除もあるため、正社員よりも身体的な負担が多いです。

若い保育士でも疲弊する過酷な業務。

中年のパート保育士にとっては、体を悪くする可能性がある、とてもハードな仕事なのです。

「パート保育士が大変」といわれるのもうなずけますね。

パート保育士の平均給料は安い?高い保育園の特徴

参考:厚生労働省「平成24年賃金構造基本統計調査」

そんなつらい仕事が多いパート保育士ですが、気になる全国の平均給料は厚生労働省のデータによれば、パート保育士の平均時給は 980円です。

全職種が1,041円なので60円ほど安いのが現状。

しかし近年、多くの求人サイトのパート・アルバイト保育士の時給相場は1000円以上の求人も増えてはきています

時給1000円を基準とした月収の例は以下の通り。

①短時間パート保育士(週3日勤務の場合)

1000(時給)×6(時間)×3(日)×4(週)=7万2000円

 

②長時間パート保育士(週5日勤務の場合)

1000(時給)×8(時間)×5(日)×4(週)=16万円

上記のことから、勤務時間によって月収に大きな差が生まれることがわかります。

ここで注意してもらいたいのは、あなたが扶養内で働く場合です。

年収が103万円以上になると、住民税の支払いが必要になりなります。

さらに年収が上がると、所得税や社会保険料の支払い、控除適用がなくなってしまうので、扶養内で働きたい人は、月収は8万5830円以内に抑えましょう

時給の相場は1000円ですが、保育園によっては以下のような時給が設定されています。

  • 都心部・大手企業の保育園… 時給1000~1200円
  • 早朝保育・夜間保育の手当がある場合… 時給1200~1500円

都心部の中でも、東京都のパート保育士の時給は高く、時給1600~2000円の保育園もたくさんあります。

都心部や大手企業のパート保育士の時給が高い理由は、慢性的な人員不足を解決するためです。

仕事がハードなので、賃金が低いと正社員どころかパート・アルバイトも集まらないのが現状。

そこで、保育士全体の給料を上げ、人員増加に取り組むようになりました。

加えて、早朝・夜間保育の手当てをつけるなど、パート保育士に長く勤めてもらうために手当を充実させる保育園も増えています

保育士資格の有無によって時給が変わる園もありますが、基本は同じ時給の園がほとんどです。

無資格でも高い給料がもらえるのは、パート保育士ならではの特権。

レジ打ちや飲食店のアルバイト・パートと比べても、実は時給が高いのです。 

パートと正社員どっちがいい?様々な観点から比較してみた

では実際にパートと正社員ではどちらがいいのでしょうか?

契約期間、勤務時間、給与形態、平均月収、平均ボーナス、社会保険、福利厚生

これらを元に比較した表がこちらです。

 正社員パート・アルバイト
契約期間無制限3、6、12ヶ月ごと
勤務時間8時間(残業も有り)4~6時間、8時間
給与形態月給時給
平均月収22万円時給1,000円の場合、8(扶養内)~16万円(扶養外)
平均ボーナス58万円なし
社会保険あり条件あり※
福利厚生あり勤務施設によっては利用可能

※31日以上の雇用継続が見込めると1週間の労働時間が20日以上のどちらも満たしている場合。

正社員とパートは勤務時間や給与形態だけでなく、社会保険や福利厚生の有無も変わります。

正社員であれば、雇用保険厚生年金健康保険などの社会保険に加入することができます。

保険料がある分、手取りは少なくなりますが、いざというときに安心ですね。

さらに、正社員は様々な種類の福利厚生を受けられるのもポイント。

保育士の福利厚生の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 有給休暇
  • 育児休暇
  • リフレッシュ休暇
  • 住宅手当
  • 結婚・出産祝い金
  • 退職金
  • リゾート施設やジム・エステ、映画などの割引優待

休暇や祝い金、嬉しいサービスが受けられるのは、正社員の大きなメリットです。

メモ

ただし、保育園によって福利厚生の内容は異なります。

一方、パート保育士は正社員よりも労働時間が少ない分、給料が安く、手当の受給も制限されてしまいます。

しかし、パート保育士でも条件さえ満たせば社旗保険の加入や福利厚生の一部を利用できるので、勤務先の保育園に相談してみましょう。

パートと正社員、どちらも違った良さがあります。何を優先するかによって、選ぶべき勤務形態は変わるものです。

パートであれば、勤務時間・勤務日を選ぶことができるので、仕事とプライベートの両立ができます。

家事や育児とのバランスが取りやすいので、プライベートを優先させたい人にはおすすめです。扶養内で働きたい主婦にもピッタリですね。

一方、正社員の保育士は月給制でボーナスや昇給もあり、住宅手当などの補助も受けられます。

正社員であるため、責任はありますが、その分、子どもたちとの距離が近く、やりがいを感じることができます。

安定した生活・給料に重点を置く人にはおすすめです。

担任を持っていて、給与面で不満を持つパート保育士は正社員の道も検討してみる価値はありますよ!

まとめると下記のようになります。

  • プライベートを優先=パート保育士
  • 生活・給料を優先=正社員

パート保育士が働きやすい保育園の特徴

「パートなのに担任も任されるし、毎日忙しくて疲れる…」と悩んではいませんか?

パート保育士の仕事は確かに大変ですが、労働環境が良く、働きやすい保育園も実はたくさんあるのです。

ここでは、パート保育士にもおすすめできる働きやすい保育園の特徴を4つ紹介します。

正社員の人数が多い

正社員の人数が多ければ「人手が足りなすぎる」こともなく、担任を任されることもありません。

正社員だけでなく職員全体の人数も多ければ、仕事を分担して取り組めるので、職員一人一人の負担は少ないはず。

特に、職員数が常に多く、10年以上勤めているベテラン保育士がいたり、職員の入れ替わりがあまりない保育園がねらい目です。

離職率が低い保育園は、保育環境だけでなく、給与面・人間関係が良いところである可能性が高いでしょう。

求人票を見る時は、園児の人数に対し、職員がどれぐらい在籍しているのかをきちんと確認してくださいね。

職員同士の仲が良い

職場の人間関係の良さは働きやすさに直結する

これはとても重要な条件です。

どんなに職員が多くても時給が良くても、職員同士の仲が悪ければ長く働くことはできません。

とはいっても、求人票を読むだけでは人間関係はわかりません。

保育園の中には、面接前の見学やボランティアを受け入れている施設がたくさんあります。

見学の際は、いかの4つに注目しましょう。

  • きちんと挨拶を返してくれるか
  • 笑顔が多いか
  • 後輩保育士が先輩保育士に畏縮していないか
  • 園長と保育士の距離感

ふとした瞬間に実際の職員の人となり、人間関係がわかります。

どんなに忙しくても、挨拶を返してくれて、職員同士に気張った感じがない現場は、人間関係が良好な傾向があります。

さらに、園長と保育士の距離感も大切です。

園長の中には、威圧的で、現場の苦労がわからず無茶な要望を押し付ける人が多いからです。

園長が職員に対して優しく接していて、職員も園長に対し畏縮せず親しい雰囲気であれば問題ありません。

気になっている保育園があれば、一度見学の連絡をしてみてください。

実際に人間関係が良い職場を見つける方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しております。

時給が高い

働く以上、給料面も重視しなければなりません。

例え時給が低くても、労働環境さえよければ働くことはできます。

しかし、どの保育園も仕事内容は同じなので、それなら時給が高い保育園の方が良いですよね?

実際、正社員やパートの給料が高く労働条件が良い保育園は、職員全員に「ゆとり」が生まれるため、人間関係が良い傾向があります。

地域によって、賃金の差はありますが、都心部や大手企業は時給が高いのでおすすめです。

パート保育士でも、正社員経験が10年以上あったり、早朝出勤・夜間保育可能であれば、さらに時給アップが実現できます。

面接の際に、今までの経歴をしっかり伝え、手当金はいくらもらえるのか、保育園側と相談しましょう。

都道府県別の保育士の給料事情についてはこちらの記事で詳しく解説しております。

④小規模保育園

少人数保育園は、子どもの数が少ないので職員の負担もさほどありません。

一人一人の子どもとじっくり向き合うことができるので、子どもとの触れ合いを重視している人にはおすすめです。

また、事業所によっては行事やイベントが少なく、その分準備をしたり、子どもに練習をさせたりする手間を省くことができます。

中には園庭がない保育園もあります。

子どもの健康や成長を考えると手放しに喜べるものではありませんが、運動・散歩を含む園外活動が少ないので、身体的な負担は抑えることができます。

また、施設自体も小さいため、掃除する箇所が少なく身体的な負担も軽減できるのも大きなメリット。

大規模保育園で疲れた人やとにかく負担を無くしたい人は小規模保育園での勤務がおすすめです。

小規模保育園は人気なので、早めの応募が転職成功のカギですよ!

小規模保育園について知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

働きやすい保育園を見つけるための3つのポイント

初めての転職では「良い保育園の探し方がわからない」という人もいるでしょう。

アルバイト募集サイトなど、ネットで探せばいくらでも保育園を見つけることはできます。

しかし、中にはブラック保育園の求人も掲載されているサイトもあるのです。

そのため、本当に信頼できる情報がほしいなら、以下の方法をおすすめします。

ポイント①:知り合いに紹介してもらう

知り合いから保育園を紹介してもらえば、その人を通して内部事情が分かります。

勤務経験がある人からの情報は、ネットの情報よりも信用度が高いので、職場探しに失敗したくないならこの方法がおすすめです

ただ、採用率が高いという嬉しいメリットがある一方、辞めにくいというデメリットもあります。

知り合いからの紹介での採用は、受験で例えると指定校推薦のようなもの。よほどのことがない限り、面接で落とされることはありません。

しかし、紹介してくれた人がいる手前、もし「辞めたいかも…」と思っても言えずに困る人も多いです。

辞めてしまったら、その人を紹介した本人の評価が下がってしまうからです。

紹介してもらう以上は、長く働き続けるという責任を持って面接に臨みましょう。

ポイント②:転職サイトに登録

数ある求人サイトの中でおすすめなのは、保育業界に特化した保育士転職サイトです。

転職サイトでは、正社員からパート、アルバイトまで雇用形態に問わず、有力で信憑性の高い求人情報が掲載されています。

  • 勤務地
  • 時給
  • 人間関係
  • 園児数
  • 園の方針

このような希望条件に合わせて求人を検索することができるので、入社後のギャップを最小限に抑えることができます。

保育士や園長のコメントが記載されていたり、保育園の様子を写真に載せたり、園の雰囲気も分かりやすいのも大きな特徴。

色々な保育園を見比べたい人はぜひ活用してみてください。

サイトに登録しなくても求人検索はできますが、登録すればスカウト機能が利用できるので、あなたにぴったりの職場が見つけやすくなります。

応募するには会員登録が必要ですが、無料なので気軽に利用できますよ。

おすすめの保育士転職サイトについてはこちらの記事でより詳しく比較して紹介しております。

ポイント③:転職エージェントの利用

転職エージェントとは、専任のアドバイザーがあなたの希望にあった保育園を紹介してくれるサービスです。

アドバイザーは就職・転職のスペシャリストで、元保育士・幼稚園教諭など業界に精通している人も多数在籍しています。

そのため、保育園の評判や園の方針、社員の雰囲気など、他のサイトでは得られない有益な情報を知ることができるのです。

  • 非公開の好案件の紹介
  • 履歴書の添削
  • 面接対策

非公開の好案件とは、他のサイトでは紹介されていない「高時給・風通しが良い・福利厚生が利用できる」労働条件が良い保育園のことです。

そのサイトのみが独占している求人なので、競争率が低く、早く職場を決めたい人にはおすすめのサービスですね。

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さらに、保育園と面接日の設定や合否の連絡などもアドバイザーが担当するため、あなたが直接保育園に連絡する手間が省けるというメリットも。

初めて転職する人は、ぜひ利用してみてください。

転職エージェントに関してはこちらの記事で詳しく解説しております。

理想の保育園は必ず見つかる!

働いている保育園が大変で悩んでいるパート保育士はたくさんいます。

今の職場に不満があるなら、転職も選択肢に入れましょう。

近年、パート保育士の需要は高まりつつあり、労働条件が良く、働きやすい保育園の求人もたくさんあります。

今回紹介した転職サイトや転職エージェントを利用すれば、あなたにぴったりの職場が見つかるはずです。

現役パート保育士も、パート保育士を目指している人も、保育士として長く勤めるために、まずは自分に合った職場選びから始めてみましょう。