幼稚園や保育園に勤めて、苦手に感じる代表的なものは「ピアノ」という方は多いのではないでしょうか?
練習はしているけれど、子どもの声が入ってくると全然弾けなくなってしまったり、保育者はピアノを弾く事だけではなく、弾き語りをするので難易度が高いです。
しかし普段の仕事もあって、中々ピアノの練習まで手が回らないのが現実です。
ここではそんなピアノが苦手な方に、少しでも練習の時間を短縮し、その中でも自分のレベルに合った弾き方があるので紹介していきます。
楽譜の読み方
ピアノを弾く前に、まず楽譜を読む所から始まります。すぐに読める方もいますが、音符一つひとつを読むまでに時間がかかる方もいます。
時間がかかる際には、まず音符を読んで、楽譜にカタカタやひらがなで音符の読み方を書きましょう。
楽譜によって隙間がなく書きずらい場合は、拡大コピーをして書きやすく工夫してください。
読み方を記入しておけば、そこを読んで弾けばいいので、何度も同じ所を読み返す必要がなくなります。
また音符には色がついています。その色を知っておくと、子どもに指導する際にとても便利なので色で音符を覚えることも良いです。
しかし♯や♭がつくと色が沢山出来てしまい、分かりにくいので、単純に♯や♭のない楽譜にお勧めです。
誰かに記入した楽譜を見られて恥ずかしいと思う方もいるかもしれませんが、自分の苦手分野を克服する為にもその気持ちは捨てて、自分に合うやり方で行うことをお勧めします。
ピアノの練習方法
楽譜が読めたら練習を始めてみましょう。ピアノが苦手な方は大体ここで苦戦しているのではないでしょうか。
誰でも楽譜を見たら譜面通りに弾くことを意識している方が多いですが、楽譜は自分なりにアレンジして弾くことが一番弾きやすいです。
アレンジという言葉を聞くと難易度が高いように感じるのですが、簡単にアレンジをする方法があるのです。
しかしアレンジしてはいけないのは「メロディー」です。メロディーを聞いて子どもたちは歌を歌うので、このメロディーがないと音程が取りずらくなってしまいます。
ピアノの伴奏が苦手な方のほとんどは、和音を弾くこと、♯や♭が多い楽譜を苦手とします。
♯や♭を少なくするには転調して楽譜を読み起こさなきゃいけないので、楽譜を変えずに弾くことを勧めます。
弾くとき、頭の中でどの音に♯や♭がついているか意識しながら練習していくと、初めは難しく感じるかもしれませんが、練習するにつれ慣れていきます。
また和音については、弾きやすいように和音をなくして、単音で弾くことも可能です。
ピアノに大事なのは止まらずに引くこと
ピアノを弾く際に1番意識して大事なことは、止まらずにピアノが弾けるようになることです。
その為右手が和音だった場合、和音の一番上の音がメロディーになっていることが多いので、上の音だけ譜読みをし弾いていきます。
また、右手が伴奏用だった場合はメロディーのみを弾くようにすることで、弾く音が減るので負担が軽減されます。
また左手は主に伴奏となっていますが、こちらも自分が弾きやすいようにリズムを変えたり、音の数を減らして練習してみて下さい。
音が減るとボリュームが少なく感じると思いますが、子どもがメロディーを聞いて歌えるように伴奏することが目的なので、ボリュームは考えなくて良いです。
その時によって、大きな行事で行う伴奏であればボリュームが必要になるので、和音を使って練習していくことが必要になります。
その際には和音も多いと負担になるので、多くても1つの和音に対し音を3つまでにしていき、分かりやすくアレンジしていくことで練習しやすくなります。
歌いながら練習する
ピアノの伴奏がスムーズに出来るようになったら、次は歌をつけながら練習してみて下さい。
伴奏だけだとスラスラ弾けていても、歌を付けると弾けなくなってしまうものです。
しかし先生は子どもに歌を教えていかなければならないので、練習が必要不可欠です。これはコツがあるわけではなく、練習あるのみです。
強いて言うのであれば、右手がメロディーになっているので、その右手を意識して歌をつけていくと歌いやすくなります。
しかし、右手だけに意識を向けすぎて左手がついていかなくなることもあるので、繰り返し練習をしていくことが必要です。
もし歌をつけながら伴奏をすることが困難な時は、その曲のCDを子どもたちに聞かせてみて下さい。そのCDに合わせて歌の指導をすることも可能です。
しかし、CDに頼りすぎてはいけません。CDとピアノだと音やリズム、伴奏が異なります。
その為、子どももCDの方に慣れてしまうと、ピアノの伴奏で歌いずらくなってしまいます。
CDを使用する際は緊急用として頭に入れて置き、どのような曲かというイメージを持ってもらう為に活用することが適切です。
子どもに歌を教えるポイント
ピアノの伴奏が出来て終わりではありません。指導していく上で子どもが楽しく歌えるようにすることが目的です。
子どもたちが楽しく元気に歌えるようにする為には、ただ繰り返し歌の練習をしていても子どもには響きません。
まず自分に置き換えてみて下さい。一つの曲を初めて聞く時、自分が「好きだなぁ」と思った曲を何度も聞いて覚えていきますよね。
子どもも同様です。「好きだなぁ」と思ってもらえるように指導していくことが大切です。
ここではそんな子供に歌を指導する上でのポイントを4つ紹介していきます。
歌詞カードを作る
まず子どもたちが歌だけではなく、歌詞にも興味が持てるよう仕向けていくことが大切です。
その為には、子どもたちが読めるように歌詞カードを作成する事をお勧めします。
歌詞カードはひらがなで大きく書いて、その歌が親しめるように絵を描いたり、装飾をするようにしてください。
そうすることでより子供が興味を持ちます。
歌詞カードを見ながら曲を聴く
初めて聞いた曲を、すぐに歌えるようになることはできません。
どのような曲なのか、まず子どもたちに聴かせることから始めてください。
この時点で弾き語りとしてピアノで弾けることが一番ですが、もし難しいようであればCDを流したり、アカペラで歌うとよりわかりやすいです。
ピアノに合わせて歌う
2回目以降からは、ピアノに合わせてテンポを少し落として歌っていくようにしましょう。
つい「元気よく」「大きな口で」という表現で元気に歌えるように仕向けていくことが多いですが、聞いたばかりの曲を口を大きく開けて歌えるわけがありません。
歌詞を覚えて、歌が楽しく歌えるようになってから元気に歌えるように声を掛けるようにしてください。
曲に踊りを付ける
歌が歌えるようになると、何度も歌うことで飽きが来てしまいます。
その為の対策として、その歌に合わせて踊りをつけるようにすると飽きがきません。
年中~年長児であれば、子どもと振り付けを考えていくことで回避することができます。
年齢が低い子であれば、その年齢に応じて分かりやすい踊りを保育士が考えてください。
元気の良い曲であれば踊りがつけやすいですが、静かな曲の場合は踊りがつけにくいので、その際には手話を活用するのも1つの手段です。
手話は、踊りとは異なりますが、子どもたちはとても興を示します。
色々な手話がある事を伝える為にも、歌の中で取り入れていくことをお勧めします。
まとめ
保育士にとってピアノを避けることは出来ません。だからといって練習しても思うように弾けないとストレスになります。
他の先生の目もあるとは思いますが、一番は自分に合った練習方法を知ることです。
先輩の先生から、アドバイスをもらうこともあると思いますが、まずは自分でどのような方法がいいのか考えてみて下さい。
また先生が楽しく歌を指導しなければ、子どもも楽しめません。先生が楽しく笑顔でピアノを弾くことで、子どもも楽しい気持ちになります。
笑顔でピアノを弾けるまで時間がかかる場合もありますが、自分なりの楽譜を作成し、練習してみてください。