保育士不足が騒がれている昨今、保育士は常に求められています。しかし多くの求人があるからこそ、自分が本当に働きたいと思える職場を探すのは意外と難しいものです。

自分が働きたいと思える職場に出会うことは、仕事を長く続けるための第一歩です。そのためには妥協せずに就職先を見つけたいですよね。

どの様な面に重点をおけば良い求人を見つけられるのか、保育士の求人というポイントに絞って、求人情報の見つけ方から見学の際の注目点までご紹介します。

良い求人が見つかる時期とは?

保育士はどの時期でも多くの求人を見つけることができる職業です。しかしその中でも、より一層求人が増える時期があります。それが10月から12月です。

その理由としては、保育士は年度末である3月に退職をすることが一般的で、秋以降に新年度の面接を行うことが多いからです

運動会などの行事が終わってから新年度の面接を始め、退職希望者が分かります。

園側としては、退職希望者の人数が分かったらすぐに求人を出すことでより多くの応募者を集い、その中から優秀な人材を確保したいという思いがあるのです。

また、保育園不足が深刻な中で新たな認可保育園の設立も進められています。オープンは年度初めである4月が多いので、新規保育園への採用で多数の求人を出すこともあります。

多くの求人がある時期には、それだけ良い求人も多く集まります

また、4月入社の求人は、3月まで働く人材が確保できているということです。

3月まで待てずに退職してしまう人の中には、保育園の環境に耐えられなかったり、仕事量が多すぎて体調を崩してしまうという人もいます。

4月入社の求人を出しているということは、少なくともそこまでの環境ではないと言えるでしょう。

そうとは言っても、新規保育園を4月以外の時期にオープンをすることもありますし、秋に求人を出していたけれど予定の人数が集まらずに年明け以降も求人を出し続けることもあります。

新年度の面接を年明けである1月以降に行う場合や家庭の事情などで突然の退職を余儀なくされる場合もあります。

10月から12月以外の求人だからといって、良い求人ではないとは言えませんので、諦めずに求人情報は常にチェックすることが大切です

求人情報は幅広く入手する

求人情報を入手する方法は様々です。保育士を目指す学生であれば、学校に来ている求人票が1番の求人情報となります。学校との繋がりもあり安心です。

他の職種から保育士に転職する、すでに保育士として働いているけれど他の保育園に転職を考えている人は、求人サイトや転職サイト、ハローワークや折り込みチラシなどが一番身近な求人情報となります。

ハローワークで探す、決まった転職サイトで探すなど求人情報を1つに絞ってしまう方法もあります。

ただ求人の中には、転職サイトだけに求人情報を載せている場合もありますし、

保育士専門の転職サイト比較

ハローワークだけに求人を出している場合もあります。

転職にハローワークは必須ではない!メリットとデメリット

そのため、求人を探す時には求人情報を得られる方法をできるだけ多く利用しましょう

多くの方法を利用することでより多くの求人と出会い、自分が理想とする職場と出会える確率も高くなります。

保育士を目指す学生であっても、学校には来ていない良い求人に出会える可能性もありますので、アンテナを張っておくことをおすすめします。

ただ、その場合には学校からのフォローが受けられない場合もありますので、1度学校に相談をしてみて下さい。

求人情報から分かる良い求人

就職活動をしていて、一番初めに就職先を選ぶ基準となるのが求人情報です。どの様な面に重点を置いてチェックをするべきかをご紹介します。

自分が希望する条件との合致が1番のポイント

まずは、自分が希望する条件と合致している職場が1番です。そのためには、自分はどの様な条件を希望するのかを書き出してみましょう。

  • 正社員もしくはパート勤務
  • 給与面(賞与のあり、なし)
  • 通勤時間
  • 勤務時間(時短勤務の有無)
  • 休日・休暇
  • 利用している子どもの人数
  • 利用している子どもの年齢
  • 経営母体(社会福祉法人、株式会社など)

その他にも自分が希望している条件をまずは妥協せずに全て書き出します

全ての条件に合っている職場が見つかったとすれば、すぐにでも見学予約の連絡をしましょう。

希望条件の優先順位をつける

全ての希望条件に当てはまる職場が見つかると良いのですが、難しい場合もあります。

そんな時には、希望条件に優先順位をつけましょう。

  • 絶対に譲れない条件
  • できれば叶えたい条件
  • 叶えられれば嬉しいけれど必須ではない条件

に分けます。

できれば定員40名以下の保育園で働きたいけれど必須条件ではない、土曜日が休みだと嬉しいけれどその他の条件を満たしていれば妥協できるとい場合には必須ではない条件になります。

転職する場合には、転職を考えることになったきっかけの条件は必ず満たす場所を選びます

例えば、給与面に不満があり転職を考えたとすれば給与面が、通勤時間が辛くて転職を考えた時には通勤時間が譲れない条件です。

絶対に譲れない条件は曲げずに、必須条件ではない部分を満たしていないという場合には、応募の候補に入れておくことをおすすめします。

求人が毎年出ている職場は要注意

常に求人が出ている、毎年求人が絶えないという職場は要注意です。

退職者が相次いでいるということですので、職場環境に問題がある可能性があります。

条件を満たしていれば見学に行く価値はありますが、見学の際にはより一層注意して職場環境や保育士の様子を見ておきましょう。

良いと感じた求人は全てピックアップしておく

求人情報から良いと感じた求人は全てピックアップをしておきましょう。より多くの候補があれば、それだけ選択肢が広がります。

応募期日が決まっていることがほとんどですので、応募期日は求人情報から把握しておきます。

候補としてピックアップしていたけれど、いざ応募をしようとしたら、応募期日が過ぎてしまっていたという事態は絶対に防ぎましょう。

少しでも良いと感じた求人は全てピックアップをして、その中から自分が見学ができる数まで絞ります

すでに退職しているなど時間が許されるならば、ピックアップした全ての保育園を見学しても良いのですが、働きながら転職活動をしている場合には時間が限られます。

自分の希望する条件との合致が多い職場や、求人情報から得られる保育園の雰囲気が良い職場から見学に行くと、効率的に就職先を探すことができますよ。

保育園に限らなくても、児童養護施設や院内保育施設、託児施設など保育士が求められている職場は多くありますので、保育園以外の職場にも興味がある方は候補に入れておくと良いでしょう。

就職希望先の園見学は必須

求人情報から自分が希望する条件と合致し、働いてみたいと思える職場を見つけることができたら必ず見学に行きましょう

求人情報からでは分からない職場の雰囲気、園長や働く保育士、子どもの様子を自分の目で見て確認することが目的です。

園行事など保育園の都合もありますので、見学予約の電話をする前にはいくつか見学希望日を決めておくと良いでしょう。

見学に行った際に特に注目すべき点についてご紹介します。

園見学で職場の雰囲気を知る

見学の1番の目的は、求人情報からは分からない職場の雰囲気を自分の目で見て知ることです。

ポイントは5つです。

  • 園舎や園庭は整備されているか
  • 保育士が笑顔で活き活きと働いているか
  • 子どもが楽しそうに過ごしているか
  • 挨拶をした時に保育士が挨拶を返してくれるか
  • 保育士間でぎくしゃくとした様子はないか

園舎や園庭が整備されていない、保育士に笑顔がないという場合には、仕事量が多く保育士に余裕がない可能性があります。

子どもに楽しそうな様子が見られないということはあまりありませんが、中には保育士が厳しすぎて子どもが委縮してしまっていることも…。

その様な場合には、新しく働く保育士にも同じような保育を求める可能性もありますので要注意です。

保育士が挨拶を返してくれない場合には、挨拶を返すほどの余裕がないか、新しく働く保育士にを受け入れる体制が整っていないかのどちらかです。

どちらの場合も、働き始めてから職場環境や人間関係に悩む可能性がありますのでおすすめしません。

保育士間の様子は、特に先輩後輩の関係性に注目してみましょう。後輩指導のためには時に厳しいことを言う必要もあります。

しかし理不尽に後輩に当たっていたり、後輩保育士が必要以上に先輩に気を遣っている様子が見られたならば、保育士間の関係が上手くいっていない可能性も…。

保育士同士が笑顔で話をしているか、後輩と思われる保育士がのびのびと保育をしているかという点に注目すると良いでしょう。

保育士人数は要チェック

認可保育園の保育士人数は、国が定めた基準を元に地方自治体が定めます。

認可保育所の設備運営基準

参考:厚生労働省ホームページ「保育所等について」より

全ての認可保育園はこの基準を満たしていなければ運営できません。

しかし、クラスの子どもの人数と担任の人数の比率としては満たしているけれど、書類作成や会議などで担任の1人が抜けてしまい、規定よりも少ない人数で子どもを見ているという場合が実際にあります。

もちろん、活動準備などで子どもを見ている保育士の人数が短時間減ってしまうということはやむを得ないことです。

しかし、常に保育士が少ないという状態では子どもにも保育士にも負担がかかりますし、目が行き届かず危険です。

保育士は常に仕事を抱えていますが、その様な状態を回避するために園側はパート保育士を雇うなどの工夫をする必要があるのです。

見学に行った時には、子どもの年齢と人数に合った保育士人数が配置されているかということも念頭においてみてください。

人数が満たされていて、保育士が余裕を持って子どもと触れ合っている園は、保育士の仕事軽減や仕事時間の確保のための対策をしているのでおすすめです

園長の人柄は職場環境を表す

園長は保育園の顔です。園長が穏やかな保育園は保育士ものびのびと穏やかな保育ができますし、反対に園長が常にピリピリとしている保育園では、保育士も常に気を張り園長の顔色を伺うような保育になりがちです。

見学の時には、できるだけ園長と話をする時間を設けてもらいましょう。園長が保育士と接している様子が見られれば更に良いです。

園長の人柄は、自分がその職場で働いていけるかという目安になります。

保育経験が豊富で、子どもと保育士目線で保育園の運営を考えている園長がいる保育園は、良い職場、良い求人であると言えるでしょう。 

まとめ

保育士の求人があふれている現在だからこそ、どんな求人に出会いどんな職場を選ぶかということは、今後の保育士としての生活を大きく左右します。

まずは、多くの求人情報から自分の希望する条件と合致する職場を見つけることから。そして、良いと感じる職場は必ず見学をしましょう。

働きながら転職活動をする場合には見学ができる日にちも限られてしまいますが、有給を利用したり土曜日保育の際に見学をさせてもらうなど、勤務との兼ね合いをつけながら見学予約をしてみてください。

求人情報から条件を把握し、見学で自分の目で見て選ぶことが良い求人と出会う最良の方法です。