「保育」というものは、子どもを主として考え、より良い時間が過ごせるよう行うものです。

その日によって子どもが取り組む保育は異なってきます。同様に、毎日ねらいや目的も変わってきます。

そんな保育を主に行うのは幼稚園教諭の仕事。実はどんな仕事よりも難しく、答えが中々見つからないものです。

どんなベテランの先生でも、日々の保育を振り返ると、100点満点といえる保育を行えたかというと、首を縦に中々振れずにいる先生が多いでしょう。

しかし自信を持つことが大切です。先生たちが自信を持って保育を行えるように、いくつか保育のコツを紹介していきます。

子どもたちのツボを知る

どんな保育も、子どもたちのことを考えて行います。しかし、実際に計画通りに保育はいかないもの。

理由は、子どもの姿は日々異なりスムーズにいかないことが当たり前だからです。

更に大人の思いばかりを押し付けても良い保育はできません。

計画通りにいかないと「なぜ?」「どうして?」と自分を責めてしまいますが、それは違います。

先生も一生懸命子どもの事を考えて保育を行っているのですから、間違えたことをしているわけではありません。

しかし子どもは正直。その保育に喜んで参加する為には、色々な工夫が必要なのです。

その保育を見直す事をする前に、まずはクラスの子どもたちが一体何に興味を持っているのかということを知る事がポイントです。

ただ今日行う活動を話していても、子どもの興味は中々持続しません。

子どもたちが興味を引くもの、子どもたちが興味を示してくれるよう声掛けを工夫する等、小さなことから始めてみてください。

もしそれが失敗した際、次の方法をまた考えていけばいいのです。そこで落ち込んでいると、中々子どもたちの注目を一つに集中させることは出来ません。

3つの具体例

具体的に例を挙げると…

  • クラスの中で流行しているものを保育に取り入れる
  • 子どもに注目してほしいときにあえて小声で話す
  • 普段行っている活動(朝の会、歌等)を少し変えていく

このように小さなことでも工夫していくことで、「先生は楽しい事をしてくれる」と判断し、どんな時でも興味を持ってくれるようになります。

子どもたちが笑顔になる為にはどのような保育が良いのかということも含めて、保育計画ができると、保育のスキルがどんどん上がっていきます。

普段プライベートで、友だちの誕生日を祝う時、家族に嬉しいニュースを話す時、相手にサプライズで喜ばせたい行動を取るといった経験は、誰もがあると思います。

また、サプライズをしてもらうと、嬉しいものですよね。実は保育も同じなのです。

子どもたちが驚くような出来事、喜ぶ顔を想像して保育を計画していくと、自然と子どもと向き合って過ごす事ができます。

一年間持続できるアイテムを作る

主に4月~3月という約一年間の中で、クラスの子どもたちと様々な活動や行事に取り組んでいきます。

もちろんそれぞれの活動や行事に楽しさがあるので、取り組むことだけでも楽しめるのですが、更に気持ちが盛り上げることができるコツがあります。

それは一年間通して使えるアイテムを作る事です。そのアイテムは決まりがなく、なんでもいいのです。

また、物でなくても架空の人物でもいいのです。子どもたちにとって、そのアイテムがあることで励みになったり、より楽しめることができます。

例えば…

  • 子どもたちが親しみやすい「忍者」を架空の人物とし、注目してほしい活動の際には、その忍者から手紙が届いたり、頑張って取り組んだ際にはご褒美として、クラスに一つシールが届く
  • クラスの部屋の見える所にパペットを置き、クラスのキャラクターとして色々な場面で登場するように工夫する

そのクラスの子どもたちが好きそうなアイテムを選び、他のクラスとの差を出す為にも大事な保育のコツとなっています。

行事を通して絆を深める

日々の保育は、もちろん楽しく行えるようにすることを目的としていますが、その活動や行事によって楽しいだけではなく、皆で力を合わせて取り組むものもあります

一学期の初めにそういった内容の保育を行うことは難しい事ですが、少し慣れてきた二学期頃から、運動会お遊戯会等の代表的な行事といった、真剣に取り組んでほしい保育もあります。

真剣に取り組んでほしい時には、いつもの保育とギャップをつけるようにしましょう。

声のトーンや、表情、少しの変化で子どもはよく気付き、感じる事ができます。

まずは先生が見本となって、子どもに示していくようにしましょう。

子どもたちなりに頑張って取り組んだ活動は、日々の積み重ねにより、完成までどんどん気持ちが高まっていきます。

窮屈になりすぎてしまうことはよくないですが、活動に取り組む時と遊ぶ時の、気持ちのオンオフがしっかりできるように、メリハリのある保育を行うことで、子どもたちは様々な経験をすることができます。

一人ひとりの良さを発表する

先生は「楽しいクラス」になるように様々な工夫をして保育を行うと思いますが、主活動が楽しいだけでは「楽しいクラス」とは言えません。

どんな時間でも、皆と過ごしていることが楽しい!と思えるクラスが「楽しいクラス」と呼ぶのだと思います。

そのようなクラスにする為には、一人ひとりのことを先生だけではなく、クラス皆が知ることが大切です。

集団で過ごすにあたってトラブルはつきもの。やはりトラブルが起きると、子どもながらも相手の子の嫌な所ばかり見えてしまいます。

もちろんトラブルが起きないように防ぐことも大事ですが、悪い所だけではなく、良い所もあることを伝えることで、トラブルが減ったり、子どもたちなりに友だちを見る目が変化していきます。

どんな時間でも大丈夫ですが、子どもたちが落ち着いて椅子に座っている時等、落ち着いている時に一人ひとりを皆の前に出し、良い所を伝える機会を作ることが一番良いと思います。

中でも5歳児になれば、友だちの良い所を子どもなりに見抜くことができる年頃です。

クラスの皆で一人ひとりの良い所を見つけてくこともいいでしょう。

さらに一人ひとりの良い所が見つかったら、それを先生が画用紙に書き、壁面として部屋に飾ってみるのも、子どもたちにとって嬉しい事だと思います。

子どもたちが感じる「楽しいクラス」になるように工夫してみてください。

まとめ

子どもたちと過ごす時間がより楽しいものになるよう、いくつかコツを紹介してきました。

もちろんそのコツを工夫して保育に取り入れる事も大切ですが、一番大事なことは先生が楽しく保育を行うことです。

まず自分も子どもの立場になって考えてみてください。先生がつまらなさそうに話をしていると楽しいと思いますか?

子どもはしっかり先生を見ているので、先生がつまらなさそうにしていたり、不安な表情をしていると、それは自然と子どもに伝わります。

その為、保育を計画する際には自分も楽しく過ごせるか…ということを中心に、まずは考えてみてください。

先生がつまらないと思った内容は、子どももつまらないです。

しかし、先生が楽しいと思った内容は、必ず子どもも楽しめます。

先生も子どもも楽しめるような保育を考えるのは難しい所もあると思いますが、皆が笑顔になって過ごせるように試行錯誤しながら考えてみてください。