保育士になるために、一生懸命勉強をして念願の保育士に!でも、保育の現場は思い描いていた仕事ばかりではありませんよね。

保育士をしていると、誰でも必ず1度は「辞めたい」という思いに直面するものです。その時に保育士を辞めて違う道に進むのか、それとももう1度保育士としての道を歩むのかは人それぞれ、どちらが良いとは言えません。

しかし、辞めてしまう前に自分の気持ちとしっかりと向き合うこと、冷静に進む道を選ぶことは大切なです。

保育士を辞めたいと思い悩んでいる方へ、保育士として働いた経験と退職、転職をした経験から、後悔しない辞め方と続け方をお話します。自分の気持ちと照らし合わせてもらえたら幸いです。

保育士を辞めたい理由は?自分の思いを整理してみる

保育士を辞めたい理由はどんなことでしょうか?誰でも保育士を目指した時には、保育士の仕事に憧れを抱いているはずです。

そんな気持ちから「保育士を辞めたい」と気持ちを抱えるまでには、保育士として働く中で必ず理由があるはずです。

保育士がどんな時に「辞めたい」と感じるのかを見ていきましょう。

人間関係の悩み

厚生労働省の調べによる、職場関係においての保育士離職理由としても圧倒的に多い割合を占めているのが人間関係の悩みです。

参照資料:厚生労働省 潜在保育士ガイドブック

新人保育士が初めに抱える悩みが先輩保育士との関係ではないでしょうか?初めての保育の現場は分からないことばかり。

しかし、先輩保育士にやり方を聞こうとしても、忙しそうにしていて教えてくれない。1年目の保育士に多い悩みです。

実際に保育が忙しくて丁寧に教える時間がない時もあります。しかし中には、後輩保育士に冷たく当たったり、いじめの様な対応をする人も残念ながらいるのです。

人間関係の悩みは、先輩保育士との関係だけではありません。年数を重ね中堅の立場になった時には、後輩保育士や園長との関係などの悩みも出てきます。

後輩保育士がいつまでも仕事を覚えてくれなくて、フォローが大変。後輩のミスも園長からは自分の責任であるかのように言われるなど、園長と後輩保育士の間に挟まれる辛い立場になることも…。

給与面の不満

保育士は、仕事量と賃金が見合っていないと言われることの多い仕事です。実際に、子どもの命を預かるという責任の重い仕事であるにも関わらず、他の職種に比べて給与が低いという現状があります。

更には、残業をしても残業代が出なかったりと仕事内容や仕事量と給与が見合っていない状態は、保育士のやる気を低下させてしまいます。

保育士の給料は低賃金?それぞれの保育園の平均給料と政府の対策

仕事量の多さ

保育士の仕事は子どもとの関りだけではありません。保護対応に事務仕事、製作準備など、やるべき仕事が山積みです。

結果、保育時間内では終わらずに持ち帰って作業をしたり、残業をすることに…。

仕事量の多さから子どもとじっくりと関わることのできないジレンマや自分の時間が持てないことのストレスから辞めたい感じる人もいます。

保育への自信がない

周りの保育士のように

  • 子どもと上手に関われない
  • 自分だけ仕事の進みが遅い
  • 他の保育士からも仕事ができない保育士と見られているようで辛い

という自信のなさから、職場に行きたくないと思い悩んでしまう人もいます。

保育士を辞めたいのか今の保育園を退職したいのか

辞めたい理由は、1つである場合もありますし、複数が重なって耐えられなくなることもあるでしょう。

そんな時には、保育士という仕事を辞めたいのか、それとも現在勤めている保育園を退職したいのかを考えてみましょう。

人間関係で悩んでいる場合には、保育士ではなく勤めている保育園の問題です。他の保育園に転職をすることで解決される可能性が大きいです。

給与面や仕事量は保育士を続ける上では、避けられない問題です。そのため、他の職種に挑戦するという選択肢もあります。

ただ保育園によっては、もっと良い給与条件のところや保育士人数が多いことで仕事量が減る場合もありますよ。

おすすめ保育士専門転職サイトランキング

保育への自信は、年数と共にできてくるということが率直な意見です。しかし、周りの目が気になる、一度保育が出来ない人と思われてしまい働きにくいという場合には他の保育園で保育士としての再出発をすることも1つの方法です。

また、働いてみないと仕事への向き不向きはなかなか分からないものです。頑張ってみたけれど保育士は向いていなかったと感じる時には、他の職種を検討してみてもいいでしょう。

勤務をしながら転職活動をしてみる

保育士を辞める、または今の職場から他の保育園に移るという気持ちが芽生えたら、まずは今勤めている保育園で働きながら転職活動を始めてみましょう。

保育とは違う職種や違う保育園を見ていく中で、今よりも良いと感じる職場が見つかる可能性もあります。

働きながらであっても、保育士転職サイトや求人サイトなどを利用して自分のペースで転職活動をすることはできます。ハローワークのインターネットサービスを利用しても良いですね。

条件に合う職場はピックアップをして、実際に見学をすることをおすすめします。記載されていることと、実際に自分の目で見た印象は違う場合があるからです。

働きながらですので、見学の日にちは限られますが、有給を利用したり土曜日も開園している保育園などでは土曜日に見学に行く方法もあります。

退職をしてから就職活動をすると、早く就職先を決めなくてはという焦りから、冷静な判断ができなくなることがあります。

働きながら余裕を持って転職先を探し始めることで、退職をする時には再就職先が決まっているという状態が理想です。

もう少し続けてみるという選択肢

転職先を探す中で、自分が働いている職場の良さが再発見できる場合もあります。

給与が安いと思っていたけれど、他の保育園に比べると意外と高かった。

仕事量は多いけれど、見学に行った保育園はもっと忙しそうだったなど他の保育園を見ることで現在の職場の良さに気付くことも多いのです。

また、他の職種を探してみたけれど、やはり保育士としてもう少し頑張ってみたい!と保育士を続ける意欲が芽生えることもあります。

今の保育園でもう少し続けてみようと思えた気持ちは大切にしてくださいね。

転職活動を始めたからと言って必ず転職をしなければいけない、という訳ではありません。

ただ、自分が辞めてしまうと他の保育士の負担になる。自分が辞めてしまったら子ども達が可哀そう。自分さえ我慢すれば…という思いで続けることはおすすめしません。

そのストレスで体調を崩してしまう可能性もあります。転職をするか続けるかは、自分主体で考えてみ下さいね。

円満退職を目指して

転職の意志が固まったら、退職に向けて動き始めましょう。現在の職場を円満に退職することで、気持ちよく次の仕事に向かうことができますよ。

円満退職をするために必要なことを詳しくご紹介します。

退職の意志を伝える時期は?

多くの保育園では秋以降か年明けに次年度の面談をします。その面談を通して次年度のクラス担任なども検討するのです。

面談時に転職先が見つかっている、もしくは退職の意志が固まっている時にははっきりとその意思を伝えましょう。早めに伝えることで、保育園側としても早く求人を出すことができますので、助かります。

退職理由は、他の職種に挑戦したい場合には伝えても良いですが、保育園への不満が理由の場合には伝えない方が無難です。面談後も勤務は続きますので、働き辛くなるからです。

もし理由を聞かれた場合には、他の保育園も見てみたいからなど当たり障りのない答えにしておきましょう。

面談時に退職の意志が固まっていない時には次年度の進退は保留となります。また、面談がない保育園も中にはあります。

就業規則で、退職の何ケ月前に告げなければならないと決められている時には、その就業規則に則って退職の意志を告げます。

就業規則で定めがない時には、法律で退職の2週間前に申し出る必要があると定められています。

しかし、2週間前では次年度のクラスも決まっています。円満退職を目指すためには、遅くても1ヶ月前には退職の意志を告げるようにしましょう。

年度末の退職は絶対条件?

保育園でクラス担任を持っている時には特に、子ども達が卒業、進級をする3月31日までは勤めるべきという暗黙の了解があります。

しかし、精神的な苦痛から体調を崩してしまっているという場合には、一刻も早く職場から離れる必要があります。

中には、職場に向かうことすら苦痛で毎朝、頭痛と吐き気があるにも関わらず「年度末までは勤めなければいけない」という思いから通勤を続け、入院をするまでに体調を壊してしまった保育士もいます。

もちろん、年度末まで子ども達をしっかりと見てあげたいという思いは大切です。ただ、1番大切なのは自分の身体です。

体調に表れてしまっている時には、年度末までという思いは捨てて早急に退職に向かいましょう。

円満退社は必要?保育士が上手に円満に退職する方法と理由

まとめ

保育士をしていると責任の重さに潰されそうになったり、人間関係の悩みから職場に行きたくないと感じることもあります。

それを乗り越えて一人前の保育士になると言う人もいますが、より良い職場があるならばそちらに転職をした方が、自分の生活が充実したものとなります。

ただ、保育園のカラーはそれぞれです。現在働いている保育園が辛いからといって全ての保育園が同じように辛い場所であるとは限りません。

保育士を辞めずに他の保育園に転職するという選択肢を選ぶことで、より良い環境で働ける可能性はありますよ。

辞めたい理由と向き合いながら自分の道を選んでみてくださいね。