日々忙しい保育士ですが、自分の知識や経験値をさらに上げるために「本を読む」ということは、とても重要です。
育児本などの、子どもの成長に関する本を読むことはもちろんなのですが、ジャンルが全く違う、ミステリーやホラーであっても問題はありません。
「本をたくさん読んでいる子は頭がいい」というフレーズを聞いたことがあるでしょう。
ここでいう「頭がいい」とは、「情報量を持っている」ということです。
それは保育士も同じで、様々なジャンルの情報を持っていることで、子どもたちや保護者はもちろん、保育士同士の会話も広がる可能性があるのです。
では、保育士はどのような本を読むべきなのでしょうか。
この記事ではそんな
- 保育士が本を読むべき3つの理由とは?
- 子どもに還元できる!保育士にオススメしたい4ジャンル!
- 保育士にオススメの本8選
など、保育士が読むべきおすすめ本を紹介しながら、メリットなども合わせて紹介していきます。
保育士として更に勉強したい方は是非参考にしてみてください。
目次
保育士が本を読むことで得られる3つのメリット
「保育士と読書」という構図が、なかなかピンと来ない方も多いかもしれません。
ですが、実は保育士にとって「本を読む」ということは、「上手な保育をしていく」という部分でとても重要なものなのです。
保育士が本を読むと得られるメリットは、
- 情報量が増えて会話が生まれる
- 楽しいと感じることでリフレッシュになる
- 文章力がつくことで仕事の効率が上がる
大きく分けるとこの3つがあります。
それぞれ解説していきますね!
本を読むことで勉強になって、その結果会話が生まれる
「本を読む=勉強になる」ということは、誰もが知っていることですよね。
本を読む作業は自分のペースで行えるものなので、興味深いシーンがあれば一度立ち止まれますし、分からない部分があれば、そこを深堀りしていくこともできます。
これは、集団研修などではできないメリットでもあります。
興味のある分野、苦手な分野で一度立ち止まってみることで、自分の好きなことはどんどん伸ばしていき、苦手なことは解消して、経験値を積み重ねていけるのです。
疑問を次々ぶつけてくる子どもたちに対しても、定期的に本を読んでいたことで知識が付いていれば、その疑問の答えを教えてあげることができますよね。
本を読むことで様々な知識を得ることができ、その結果として会話が生まれる。
とても良いことではないでしょうか。
本を読んで楽しい!と感じることで、ストレスの発散に繋がる
ジャンル問わず、本を読むと楽しいですよね。
悲しい気持ち、ムカっとする気持ちも出てくるかもしれませんが、その後の展開が気になってワクワクしたり、「楽しい!」と感じる瞬間のほうが多いのではないでしょうか。
本を読んでいて、気付いたら深夜だった!という経験がある方もいるでしょう。
それは、その本に引き込まれている証拠です。
一瞬でも、現実を忘れて本に没頭できる時間を作るということは、ストレス発散に繋がります。
保育士は日々忙しい職業ですから、自宅で本を読んでリフレッシュできれば、次の日からの仕事もまた頑張れそうですよね。
本を読むことで文章力が付いて、仕事の効率が上がる
「読書をすると文章力が付く」とよく言われていますが、それは保育士も例外ではありません。
保育士は、「園だより」や「クラスたより」などを定期的に書きますよね。
内容を1から自分で考えて、毎週もしくは毎月書くおたよりですが、文章力があったらどれほど楽な作業になるでしょう。
もしかしたら、下書きなしの一発本番で、文章が完成してしまうかもしれません。
たとえば、今まで1記事仕上げるのに1時間かかっていたものが、読書をしたことによって文章力が付いたおかげで、半分の30分で仕上がったらどうでしょう。
他の仕事に回せる時間が増えますよね?
このように、読書をするということは、保育士としての仕事の作業効率も上げてくれるということなのです。
子どもたちに還元できる!保育士が読んでおきたい本のジャンル
文章力を付けるため、プライベートの時間を有意義なものにするためだけの読書であれば、ジャンルを問うことなく様々な文献に目を通してみても良いかもしれません。
ですが、「保育士として子どもたちに還元できる本」となると、話は変わってきます。
では、保育士が積極的に読んでおきたい、本のジャンルはなんなのか?
結果を得られやすいジャンルがこちらの4つです。
- 絵本
- 育児書や育児エッセイ
- 保育実践の本
- 保育所保育指針
大人が読んでも感動できる!「絵本」
絵本は、子ども向けのものだとお思いの方も多いのではないでしょうか。
実はそれは間違いで、絵本は大人が読んでも感動を得られることができます。
子どもには少し難しいかな?という内容の絵本でも、絵があることで子どもも理解がしやすいでしょう。
手に取った絵本が大人向けのものであっても、ぜひ保育園で子どもたちに読み聞かせをしてあげてほしいです。
保育士の強い味方!「育児書や育児エッセイ」
「女の子の育てかた」、「安眠ガイド」、「男の子向けの叱りかた」などが載っている育児書や育児エッセイも、保育士の強い味方になってくれること間違いなしです。
たとえば、担任を持っているクラスで、男の子と女の子の育て方に苦労を感じている時に、「女の子の育てかた」や「男の子の育てかた」という育児書を読んでみてはいかがでしょうか。
同じ〇歳児ではあるけれど、そこにはもう男女間で成長に違いがあって、保育士の接し方も変えていかなければならないんだ!ということに気付かされるかもしれません。
お笑い要素の強い漫画風の育児エッセイもあるので、疲れたときなどにそれを読んで、疲れを吹き飛ばすという方法もありますよ。
新たな遊びの発見にも繋がる!「保育実践の本」
「〇歳児の育て方」、「〇~〇歳との接し方」、「保育士さん必見!〇〇~…」などという育児実践の本は、保育士であれば一度は目を通しておいて損はありません。
保育園には、0歳から6歳までの幅広い年齢層の子どもが集まります。
たとえば来年小学校に入学予定の年長クラスの子どもと、幼稚園でいうところの年少クラスの子どもでは、できることとできないことの差は激しいですよね。
「こんなの当たり前にできるでしょ!」と思っていても、本で知識を得ることで、「こういう部分はまだまだ補助が必要なのね」と気付く部分も出てくるかもしれません。
ベテラン保育士であっても、初心に戻って育児実践の本を読んでみることで、新たな気持ちで子どもたちに接することができるようになるかもしれません。
育児実践の本には、その月齢に合わせた子どもたちの接し方はもちろん、上手な遊び方なども載っている場合があります。
毎日の保育で、遊びのバリエーションが減ってきたら、保育実践本を頼ってみるといいかもしれません。
専門的なことがしっかり載っている「保育所保育指針」
保育所保育指針は、ここまでご紹介してきたジャンルの中では、いちばん難しい本です。
保育士とはどういう仕事をするのかという初歩的な部分から、専門的なことまでが幅広く載っている本です。
学校で習った内容も載っていますし、保育士にとって欠かすことのできない本でもあるでしょう。
内容が難しいので、「保育所保育指針解説書」という公式の解説書も売られていますので、セットで購入しておくことをオススメします。
【厳選】保育士にオススメしたい絶対読んでほしい本8選
ここからは、実際に上記のジャンルを参考に
- 保育士の仕事を学べる本
- 子どもと上手に接する方法を学べる本
- 保育士が共感できる保育士のための本
この3つのジャンルに分けて、保育士にオススメしたい本を計8冊ご紹介していきます。
まずは、保育士の仕事を学べる本からです。
保育士の仕事を学べるおすすめの本【4冊】
保育士になりたいけれど、具体的にどういう仕事をするのだろう…と思っている学生さんは、保育士の仕事が学べる本は必見です。
もちろん、保育士として既に働いている方も、原点に返るために今から読んでも遅くはありません。
子どもは、育児本通りに成長する保証はどこにもありません。
そういうときに役立つ、「保育経験者監修」だったり、「保育経験者の体験談付き」という本を選んでおくことをオススメします。
そんな仕事を学べるおすすめの本がこちらの4冊です。
- 0・1・2歳児担任の保育の仕事まるごとブック/ひかりのくに
- 保育士の一日/保育社
- 保育の仕事がわかる本/日本実業出版社
- 新人保育者物語 さくら~保育の仕事がマンガでわかる~/小学館
0・1・2歳児担任の保育の仕事まるごとブック/ひかりのくに
本のタイトル通り、低月齢児の保育の仕方がまるごとわかる「0・1・2歳児担任の保育の仕事まるごとブック」。
食事や排せつ、お昼寝などの生活習慣についてはもちろん、月齢ごとの遊びの紹介もしてくれています。
現場経験者からの実践アドバイス付きなので、保育士には心強い参考書になるのではないでしょうか。
本の中にはイラストが散りばめられているので、気楽に読める本として一冊持っておいて損はないでしょう。
保育士の一日/保育社
「全国学校図書館協議会選定図書」、「日本図書館協議会選定図書」ともなっている「保育士の一日」。
保育士になりたいと夢見ている若者には、絶対に一度は目を通してもらいたい本です。
もちろん、現役保育士が読んでも勉強になる内容ですので、早いうちに購入しておいて損はありません。
保育の仕事がわかる本/日本実業出版社
保育士とはどういう職業なのかという部分が、しっかり勉強できる「保育の仕事がわかる本」。
保育士になるためにはどのようなルートを歩めばいいのか、保育士資格を取ったけれど、実際にどのような園で勤務が可能なのかという部分について解説しています。
保育士と幼稚園教諭の仕事の違いなどにも触れていますので、保育士という仕事だけではなく、同じ「保育」という職業に就いている人たちの仕事内容を知ることのできる本でもあります。
「保育業に就きたいけれど、保育士か幼稚園教諭かそれ以外か…」と悩んでいる学生には、一度目を通して頂きたい本です。
新人保育者物語 さくら~保育の仕事がマンガでわかる~/小学館
本のタイトル通り、新人保育士の主人公さくらと共に、保育士という仕事を一緒に見て行ける「新人保育者物語 さくら~保育の仕事がマンガでわかる~」。
マンガなので、普段本を読まない方も読みやすいのがメリットです。
このマンガの最大の特徴は、多くの新人保育士の体験談を元に書かれた作品ということです。
多くの保育士1年目のみなさんは、慣れない業務に追われ、精神的にも肉体的にもギリギリのところで仕事をしていることと思います。
ですが、「自分だけじゃないんだ!」と思えることで、少し勇気が湧いてきますよね。
このマンガを読んで、保育士の原点に返ることもできますよ。
子どもと上手に接する方法を学べるおすすめの本【2冊】
保育士として働いている人は、一度は必ず、子どもたちと上手く接するためにはどうしたら良いのかという悩みを抱えたことがあるでしょう。
そんな悩みを解消するために、おすすめなのがこちらの2冊です。
- 0~6歳 心の育ちと対話する保育の本/学研プラス
- 0~6歳 子どもの発達とレジリエンス保育の本/学研プラス
0~6歳 心の育ちと対話する保育の本/学研プラス
忙しい保育士には嬉しい、一目で子どもの成長を把握することができる発達表が付いている「0~6歳 心の育ちと対話する保育の本」。
子どもの発達の様子と、そのときの保育のポイントがまとめて書かれているのが特徴です。
子どもの発達の理論も書かれているので、ちょっと難しい理論的なことも勉強ができる一冊となっています。
「難しい本なんだ…」と落胆しなくても大丈夫です。
本の中にはイラストがたくさん散りばめられているので、難しい内容でも簡単に理解することができますよ。
0~6歳 子どもの発達とレジリエンス保育の本/学研プラス
保育園に在園する、すべての月齢を網羅できる「0~6歳 子どもの発達と保育の本」。
子どもの成長の様子と、そのときの保育のポイントが具体的に示されているので、保育に悩んだときに参考にしたい一冊です。
1つ前でご紹介した「0~6歳 心の育ちと対話する保育の本」と同じく発達表が付いているのも特徴のひとつです。
文字だけでは理解しにくい部分も、図や表があれば理解しやすくてありがたいですよね。
保育士が共感できる保育士のためのおすすすめの本【2冊】
保育者目線で書かれた小説本も、保育士に読んでもらいたい本の1つです。
実際の保育現場では「絶対にあり得ない!」と感じてしまう描写もあるかもしれませんが、その非現実的な描写があるのも、小説のいいところであったりもします。
あり得ない展開にクスっと笑ってしまったり、ホロっと涙してしまったり…。
日々の疲れを、保育者目線で書かれた小説で癒してみてはいかがでしょうか。
そんなおすすめの小説がこちらの2つです。
- 椿先生、出番です/理論社
- かもめ幼稚園/メディアファクトリー
椿先生、出番です/理論社
舞台は幼稚園なのですが、同じ「保育者」という立場でじっくり読める作品となっている「椿先生、出番です」。
主人公が、元ヤンキーの幼稚園教諭というおもしろい設定なのですが、常に子どもたちと同じ目線で物事を考える主人公に、心打たれる保育者も多いはずです。
小学校中学年より読める内容になっているので、難しい描写はほとんどありません。
寝る前の数分を読書タイムにすることで、簡単に読み進めることができますよ。
かもめ幼稚園/メディアファクトリー
「かもめ幼稚園」は、新米幼稚園教諭の話ではあるのですが、同じ「保育者」として共感できる部分が多くあると、保育士の中で噂になっている小説でもあります。
他人の子どもを預かるという責任感、園や先輩に対しての不満がリアル!という、保育士の感想もありますよ。
モンスターペアレントや個性的な園児たちとの付き合い方は、保育士にとって参考になる部分がある作品ではないでしょうか。
まとめ:上手な保育をしたいのなら本を読もう!
保育士としての知識を付けたいのであれば、育児書などの保育関係の本を読むと、効果が得られるかもしれません。
ただ単純に、文章力をアップさせたい、趣味として読書を楽しみたいというのであれば、特にジャンルは問わなくても大丈夫であるでしょう。
本を読むことで、世界観が広がる
読書の魅力は、ここにあるのではないでしょうか。