その時にしか作れない子どもの作品。

保護者は、子どもの作品をみて成長を感じることが出来ます。

もちろん子どもの作品はどれも素晴らしいものですが、保育士のアレンジや考え一つで、見栄えよく、更に子どもの作品を輝かせることが出来ます。

手間がかかるものもありますが、手間をかけるほど達成感を感じるものです。

「見栄えのいい作品」を作るポイント

子どもたちの作品を更に良くみせられるよう、いくつか工夫するポイントがあるので紹介します。

1.サイズが大きめの作品

作品展がある保育園は尚更、他クラスと差をつけたいと思う保育士は多いです。

かといって難易度を上げる事が難しい場合は作品のサイズを大きめに作りましょう。

小さいものでももちろん素敵に見えますが、華やかにみせたい時は、大きく作ることを勧めます。

しかし持ち帰る際に、カバンに入りきらなかったり、家に持ち帰って飾りにくくなってしまうと、保護者受けは良くないので、作った後の保管も含めて考えていくことが大切です。

2.色鮮やかな作品

同じ物を作っても、好きな色を使っていいという作品にしていくと、展示をする際にとても華やかにみえます。

更に全体を飾るにあたって、保育士が何色が厳選し、そこから子どもたちが好きな色を選べるように工夫すると、様々な色があっても統一感が出てきます。

3.個性が出る作品

色や形、大きさ、一人ひとりの味が出せる作品は、園長先生や保護者からの受けはとてもいいです。

また子ども自身、友たちの作品をみて「こんなやり方もあるんだなぁ」と学ぶ事もできます。

同じものを作る中でも、一人ひとりアレンジができる作品を作れるよう工夫していくことが大切です。

おすすめの作品

それでは見栄えのするオススメの作品をいくつか紹介していきます。

1.写真立て

子どもの写真が入った写真立ては、様々な学年で作る事ができます。

乳児の場合は、写真たての枠は保育士が作っていき、飾りつけをメインに行っていけると個人差が出て良いです。

更に、写真の枠だけではなく、手形や足形の場所も作っていけると更に華やかになります。

3歳児になると集中力がつき、手先が器用になるので、写真の枠から子どもが作ることが可能です。

粘土を使って動物の写真立てや、自分の顔の写真たてを作ってみてもいいでしょう。

写真は、家から選りすぐりの写真を持ってきてもらうのもいいですが、園で撮った写真の方を勧めます。

保護者目線で考えると、家にいる時とは少し違った表情をしていて、それがまた嬉しく感じるものです。

2.張り子

風船に和紙や新聞紙をくっつけていき、固めて作り上げていくという、根気が必要な作品です。

風船そのままの形の卵型で作り上げていくのでもいいですし、風船の半分だけを使って帽子型にしても可愛いです。

半分にすれば、2・3歳児にも取り組める内容です。

卵型では、マトリョーシカやだるま等の様々なものを作る事ができます。

帽子型では、パーツを粘土で作り、動物や食べ物に見立てて作ると可愛らしさが増します。

帽子型の場合は、サイドに穴をあけ、ゴムを通すと安定感が増します。

更に帽子をかぶった写真を隣に展示してあげると、雰囲気も分かりやすく、見栄え良く展示することが出来ます。

3.お店やさん作り

4・5歳児向けですが、クラスの皆でテーマを決めてグループごとに製作していくのでもいいですし、「商店街」という大きなくくりの中で一人ひとりが考えてお店を作る等、見せ方が様々あります。

グループ製作の場合では、実際に子どもが出入りできる大きさに作るよう仕向けていきます。

子ども同士で話し合って作り上げていくことが楽しみの一つで、このような経験をさせたあげると、子ども同士の中がぐっと深まります。

個々で作るお店は大きめだと大変なので、ティッシュ箱をお店に見立て、作っていけるといいでしょう。

一人ひとり違うお店でも見ていて楽しいですし、ある程度テーマを絞って似た作品になっても、個性を出すことが出来る作品を作ることができます。

細かいものは紙粘土を使って表現していくこともできますし、廃材を使って見立てていくこともできるでしょう。

子どものイメージの幅を広げる為に、ある程度保育士がテーマを決めたら、絵本や図鑑を出してアイディアが出るよう促すのもポイントです。

4.干支にちなんだ作品

これは園長先生受けが一番いいといっても過言ではないです。

子どもたちに干支を伝えていきながら、その年に取り組んだという証にもなります。

作品展は大体2月頃に行う保育園が多いと思うので、年が明けてから取り組むことが多いです。

また子どもに親しみのある動物から、干支をきっかけに知る動物もいるので、勉強感覚で取り組むことができます。

例えば…

  • しめ縄を作り、干支を真ん中に飾り、壁掛けを作る
  • 猿(見ざる、言わざる、聞かざる)の置物
  • 干支のパペット

5.縫い物

これは5歳児にオススメです。

十分に説明をしてからですが、落ちついて取り組めるよう環境を整えてあげることが大切です。

普段の製作で取り組める内容ではないので、特別感を出したい場合は縫い物をいれてあげると楽しめます。

細かい作業になりますが、縫う場所が多すぎると負担になるので、少なめにできるよう配慮しましょう。(一日で終われる範囲)

また縫う場所を子どもたちに分かりやすくかいてあげることで、子どもも安心して取り組めるので、保育士の下準備が大事になってきます。

縫い物作品は様々ありますが、中でも自分の顔のクッションがとても見栄えが良いです。

顔のパーツはフェルトで貼り付けていき、顔の周りのみ縫い物で行っていきます。

飾る際には、ティッシュ箱でソファを作り、飾ってあげると更に可愛らしく展示することができます。

他にもマフラー編みに挑戦する保育園もあります。子ども用マフラーであれば、根気入りますが取り組める作品となっています。

6.宝箱

子どもたちは宝箱が大好き。それ作るといったら、大喜びすること間違いなしです。

箱はティッシュ箱二つ分程の大きさにし、見た目はキラキラとした宝石箱のように作り上げ、中見はそれぞれ宝箱に入れたいものを作っていくと個性が出ます。

更に紙粘土で宝箱の鍵を作ると、よりリアル感が増し、華やかに見えます。

ここで気をつけることは、宝箱の中身です。子どもに委ねて好きな物を作るよう仕向けると、見た目が何か分からないものばかり出来てしまいます。

見た人たちも分かるように、更に子どものアイディアを引き出せるように、事前に紙に書いて、設計図を作る等の工夫が必要です。

また箱が大きめなので、中見も箱に入りきる程度の大きさに作っていくといいでしょう。

可能であれば地図を作り、展示する部屋のどこかに隠したり、見る側が楽しめるように工夫することもいいでしょう。

まとめ

子どもの作品をいかに素敵に展示をする為には、保育士の工夫が大切です。

子どもたちが一生懸命作った作品にスポットライトをあてるには、ダイナミックに子どもらしく作り上げることがポイントです。

取り組む前に、どのような作品を作るか、どのように展示をするか等、見栄えも気にしていくことで、周りからの評価がぐっと上がります。

更に保育室の壁面もその作品にあった壁面に変えることでより世界観を出すことができます。

そして一番のポイントは決して無理をしない事です。見栄えを気にしすぎて子どもに難易度の高いものを提案してしまうと、行き詰ってしまいます。

子どもも、保育士も楽しみながら、更に作り上げた達成感を感じられるように十分に下準備をして取り組めるようにしていってください。