幼稚園、保育園という場では保護者との関わりがつきもの。
子どもの保育もそうですが、保護者との関わりは中々上手くいかずに悩んでしまう方が多いです。
どんな保護者でも、実は関係がぐっと深められるコツがあります。
このコツを掴んで、保護者から人気のある信頼できる先生になりましょう。
ここではそんな保護者との接し方について紹介していきます。
保護者をタイプ分けする
まずクラスの保護者がどのような保護者か、子どもの性格を見るのと同様に見抜いていくことが大切です。
そのタイプによってどのような対応が適しているのか変わってくるので、クラスの保護者をタイプ分けし、関わるようにしましょう。
「保育園にお任せします」タイプの保護者
保育園のことをよく理解してくれる保護者の方も、クラスに一人は必ずいます。
かといってその子の様子を見逃したり、連絡を怠ってはいけません。
子どもの良い所も伝えながら、注意したこと等、保育園で起きた出来事をお話してあげてください。
理解力がある保護者が多いので、どんな話でも受け止めてくれる方が多いです。
だからといって何でも大丈夫という訳ではありません。
「お任せします」という言葉は、先生がしっかりと見てくれるということを前提に考えているからこその言葉ですので、そこを理解して付き合っていってください。
心配性タイプの保護者
我が子を預けている保護者は誰もが心配に思うでしょう。まずは、心配性の保護者が一番多いと考えていた方が無難です。
特に新学期は、このタイプの保護者の連絡は密に行っていきましょう。どんな些細な事でも連絡をもらえるだけで、保護者は安心します。
擦り傷一つだけでも、保護者は心配になるものです。
保護者に色々言われる前に、こちらから連絡をして安心させてあげましょう。
大体の保護者の方が、初めは心配性であっても、時期に落ち着き、「保育園にお任せします」と言ってくれるようになります。
我が子しか見えていない保護者
保育園という場の意味を考えずに、我が子のことだけを考えてもらえるように、色々な場面で口うるさく保育園に抗議してくる方のことモンスターペアレンツと呼びます。
心配性の保護者と同様に、我が子を預けているということで心配な気持ちからみられる姿です。
まずは保護者の気持ちを否定せずに、受け止めてあげましょう。
そして出来る限り、保護者の思いに寄り添えるように対応することが大切です。
しかし保育園にも限界があります。対応できない内容も出てくるかと思います。
その際には、きちんと理由を説明していき、説明だけではなく保護者の思いに寄り添いながら、別の手段を提案したり、保護者に一生懸命な気持ちが伝わるよう工夫しましょう。
しばらくは細かい所を指摘されることもあるかもしれませんが、やはり保護者も人間です。
先生の一生懸命な気持ちが伝われば、保護者の方も理解してもらえる時が必ず来ます。根気強く丁寧に付き合っていってください。
子どもの良い所を沢山伝える
子どもには必ず良い所があります。もちろん見えてしまうのは欠点や課題の方が見えがちですが、必ずどの子にも良い所があります。
やはり自分の子どもの良い所を言われると、どの保護者も嬉しいですよね。
自分に置き換えて考えていき、言われたら傷つくことよりも嬉しいことを沢山伝えていってください。
その為、子ども一人ひとりの良い所を沢山見つけ、保護者に話すネタの一つとして記録しておくことをお勧めします。
先生から見て、子どもの良い所として判断するのは簡単そうに見えて、実は難しいことです。
その目線によって、良い所でもあれば、欠点という風に解釈してしまがちなこともあります。
例えば、Aくんは友だちに抱き着いたり、友だちの真似をするという事に対し、良い所として判断するのであれば、友だちが大好きで、とても興味を示しているということになります。
それと反対に欠点として見るのであれば、スキンシップが激しく、自分の意思があまりないと判断します。
この例題を見てみると同じ話でも、考え方一つによって変わってくるものです。
トラブルになってしまうと欠点に見えてしまいがちですが、一度冷静に考えて、それが良い所でもあり、欠点でもあるという風に見てあげると、子どもの可能性は増えていきます。
また、そのことを保護者に伝える事で、子どもを理解している事がより良く伝わるので、視野を広く持つようにしましょう。
子どもの課題を伝える
保護者との関係が少しずつ深まった時期になった際、良い所だけではなく、その子の課題も伝えていってください。
保育園という場で過ごす子どもの姿は、全てが良いことはなく、トラブルがあったり、その子の課題も見えてきます。
それを保護者に伝えることは、先生の義務でもあります。
言い方もよく考えていく必要がありますが、コツとしてその子の良い所を伝えていきながら、「こんな所もあって・・・」という風に、保育園で過ごすその子の課題を伝えていくと、スムーズに受け止めてくれるケースが多いです。
またその課題を伝える際に、長い目で見ていくことが大切だということを一緒に伝えてあげて下さい。
理由として課題を伝えると、保護者の方は早く良い方向にいくよう焦ってしまう事から、子どもに口うるさく言ってしまい、子どもに負担がかかってしまうことがあります。
その為にも、「色々な経験の中で学んでいければと思っているので、一緒に長い目で見て頂けたら嬉しいです。」等、保護者も安心できるように伝えていくことがポイントです。
保護者と話した事を記録する
子どもの記録はどの先生も取り組んでいますが、保護者とより良い関係を築いていく為には、保護者と話した内容を記録しておくことも一つの手です。
保護者と話した内容をしっかり覚えていられる先生であれば、記録しなくてもスムーズに話を進める事が出来ると思いますが、そうではない場合は記録しておくと役立つことが沢山あります。
まず保護者と話す面談の際、一学期と三学期に同じ話をされたらどう思いますか?一年間変わっていないんだ…という印象を受ける保護者が多いと思います。
記録をしておくことで、同じ話をしないよう防ぐことが出来たり、一学期の課題が三学期ではどのように変化していったか一年間の経過を話すことが出来ます。
また連絡をしたときの内容を記録しておくと、次保護者に連絡するときに以前話した内容と被らずに話せたり、会話が弾んだりと、プラスになることばかりです。
それに話したことと同様、保護者から言われたことや悩みを記録しておくと、今後子どもの姿と同様にフォローしていくことが出来ます。
補足ですが、その記録を取るものは持ち歩きが可能なノートをお勧めします。
理由として、どんな場面でもすぐに記入ができるようにする為です。
もしパソコンやしっかりとしたものに清書して記録しておきたい場合は、「なんでもノート」という持ち運び可能なノートを作っておくといいでしょう。
特に忘れやすい性格の場合であれば、なんでもノートがあると
- 子どもの記録として残しておきたい事
- 職員同士で話した事
- その時に思いついた事
などを、記録に残しておくと間違いなく伝える事が出来たり、忘れる事がないです。
まとめ
先生という仕事は、子どもと関わる他にも事務作業があったりと、毎日目まぐるしく過ごしています。
しかし保護者はそのことに気付きにくく、自分の子どものことだけを考えているといっても過言ではありません。
それでも関係を深めていくことによって、保護者も安心し、保育園への理解に繋がります。
保護者皆が「保育園にお任せします」と言ってもらえる事を目標に、子どもと同様に保護者にも寄り添いながら関わりを深めていってください。