「20代で転職するのはダメですか?」

よく転職を考えている人が質問する言葉です。

転職の回数はなるべく少ない方がいいと言われていますが、実はそんなことはありません。

20代での転職は早過ぎると思っている人も多いみたいですが、早くはありません。

むしろ、いい職場を見つけるためには、早めに対策をした方がいいでしょう。

ここでは、そんな20代でも他の保育園に転職をした方がいい人について書いていきます。

参考にしてください。

保育士の現場

保育士の悩みで、一位は職場の人間関係です。

次いで、行事準備の大変さ、子育てとの両立が難しいこと、仕事の割に低賃金だから・・・と続きます。

保育士の資格を取れる学校は全国に600以上もあり、それだけ保育士を目指す学生が多くいるということで、毎年たくさんの保育士が誕生します。

一方で潜在保育士の数は10万人以上と言われています。

それなのに、保育士が不足していると世間で騒がれているのはなぜでしょう?

そして、保育士の離職率が、圧倒的に高いのは、どうしてなのでしょうか。

好きでなった保育士という職業を、少しでも長く続けるために、転職は考えうる最良の選択肢の1つなのかもしれません。

保育士の仕事をしていて、体力の限界を感じるような苛酷な状況に直面する保育士は、少なくないと思います。

何が過酷で、どうして、このままではまともな生活が出来ないと悩むことになるのでしょうか。

保育士の仕事が苛酷といわれる理由と、その原因についてみてみましょう。

まず、退職の理由はさまざまですが、重労働の割に給料が安いことがその一つです。

新卒保育士の平均月収は18万円程度と言われています。

当然、そこから、社会保険料や税金は天引きですし、場合によっては、退職金の積み立てや昼食代などが控除されます。

さらに、交通費に上限があったり、住宅手当が支給されなかったり、残業代が付けられなかったり、有給があっても実際にとることが許されなかったりします。

恐らく、実際に受け取る額は15万程度くらいになってしまうはずです。

他の業種と比べてもかなり低いです。

また、私立保育園で極端なところは、病気で高熱があっても欠勤を許さず、這ってでも出勤させるようなところもあります。

保育士は体力勝負といった面があり、真面目な人ほど、無理しすぎて体調を壊してしまうことがあります。

園児が帰った後も、記録、報告などの事務作業があり、残業時間が多くなって、さらに休日出勤で疲れがたまります。

そこに行事などが入ると、慢性疲労が積み重なって限界に達してしまう。

人手不足の傾向にある職場では、起こりうる話です。

社会人として、当然背負うべき責任と、保育士という職場、ひいては運営側の、個々の職場ごとに特有の事情や雰囲気というものがあります。

その見極めが難しいところなのですが、同じ職場で継続することばかりが美徳とは言えない世界感が保育士の業界にはあります

こんな人は20代でも転職を考るべき

20代で転職を考える・・・といっても、新卒で保育園に入社して1年以内なのか、数年目なのか、10年近いキャリアを積んでからの転職なのか、いくつかパターンに別れると思います。

1年以内の転機があった人

最初の連休に5月病も重なってダウンしてしまうケースなどです。

新卒や若い保育士にとって、特に社会人として、初めての職場だったりすると、無意識のうちに緊張やストレスで、体に負担がかかる場合があります。

新人は、覚える仕事がたくさんあり、ミスをすれば注意されます。

たまったストレスを上手に発散することができて、また、信頼できる相談相手がいれば良いのですが、対処に失敗すると、心と体が壊れてしまうことがあります。

学生から社会人になって1年目は、まず社会人としての生活になれることが、大切で体の不調であれば、ゆっくり静養をとって立て直し、新たに違う保育園などに転職してもいいでしょう。

結婚や妊娠などがあった人

円満退職には、ことぶき退社:今の職場を辞めたいのだけれども、人員不足でなかなか辞めにくい事情のある職場で、若い保育士の間で、暗黙の了解となっていることばです。

保育士が円満に仕事を辞めるとき、その理由は、結婚、ご主人の転勤または、妊娠・出産などです。

そうでなければ、からだを壊したり、体調がすぐれなかったりという理由がほとんどです。

職場の人間関係に疲れきっているのかもしれません。

保育士を辞めたくなるのは、思い描いていた保育士の仕事の理想と現実、現場とのギャップに悩みはじめたからかもしれません。

業界に特有の、苛酷な勤務条件が原因かもしれません。

保育士は、からだを使って五感もつかい、感情も込めて、体当たりで勝負する仕事です。

からだを壊しては元も子もありませんから、限界まで頑張りすぎないようにしましょう。

やり過ぎてしまう自分にストップをかけましょう。

あなたが、うつ状態になって、いったい誰にメリットがあるというのでしょう。

その前に辞めた方がよい場合もあります。

まだ若いので、やり直しはいくらでも出来ます。

保育園を辞めたからといって免許を取り上げられることはないのです。

怖いのは、気持ちが定まってない精神状態のまま保育士の仕事を続けていき、いのちを預かっている立場を忘れて、不注意から取り返しのつかない事故などを起こしてしまうこと。

もし保育士をつづけたいのであれば、その責務を果たすことを最優先させましょう。

その職場で、責任をとれる自信がなくなったと感じるなら、新卒関係なく潔く退職すべきでしょう

きっと、辞めてよかったと思える未来が開けてきます。

転職などがきっかけで、うつ状態による症状から解放されると、また元気に働けるようになります。

今までの頑張りがあるなら、他の職場でも、同じように力を発揮できるはずです。

キャリアアップのための転職したい人

辞めたい理由が人間関係や園の環境の問題なら、違う保育園に転職することで解決できる場合もあります。

転職することで、まったく違う環境で仕事ができるようになるかもしれません。

保育園には、それぞれの方針があり、また、保育園の規模によっても、雇用条件はかなり異なります。

また、保育士を辞めたい理由に、同僚だけでなく保護者との人間関係で悩みを抱えて退職する人もいます。

自力で解決困難で、さらに上司からのサポートもないような場合、別の保育園に転職するのが、解決手段の一つであったりします。

失敗したと思うなら、その経験を次回に活かせばよいわけですし、他園にとっては、即戦力が来てくれるのは、有難いことなのです。

いくつかの現場を経験するということは、保育士としての経験値が上がり、幅が広がることでもあります。

人間味のある経験の豊かな保育士が、これからの社会では、ますます求められています。

追いつめられて保育士という仕事自体をあきらめてしまうのではなく、反省するべき点は反省し、自分のキャリアアップの為の肥しにしてしまえばよいのです。

すでに転職をしている先輩保育士の話を聞くのは、参考になると思います。

先輩たちは、大なり小なり、自分と似たようなことを経験しているはずです。

転職する際には、その法人の保育理念や、園長先生の教育方針などをしっかり確認し、納得できる職場を選ぶようにしましょう。

転職によって、保育士としての自信を取り戻し、学生時代に思い描いていた理想の保育士に近づいていけると確信し、転職によって保育士としての人生が劇的に改善したという手記など、読んでみると良いでしょう。

まとめ

人は追いつめられているとき、自分自身をさらに追いつめてしまう傾向があります。

信頼できる外部エージェントなども利用して、転職の後押しをしてもらうことも時には必要かもしれません。