保育士の転職で失敗しやすいポイントと対策。実際にあった転職失敗談

保育士の転職を考えているけど次の職場が良いところなのか不安になる

という方も多いのではないでしょうか?

保育士の転職は、今、売り手市場と言われて、比較的しやすい状況にあります。

保育園が増えて、どこも人手不足ですから、多くの求人を目にすることができます。

ですから、転職したら、今よりずっと環境の良い園にいけるんじゃないかと考えて不思議はありません。

しかし、そんな時期だからこそ、きちんと準備して、転職に失敗しないようにすることが大切です。

この記事ではそんな保育士の転職でありがちな失敗や失敗しないポイントなどを紹介しています。

参考にしてみてください

実際にあった保育士転職の失敗体験談

まずは実際に保育士の方が転職して失敗した体験談を紹介します。

どこもブラック保育園!?

女性/35歳/きみどり

次こそは、長く勤めたいという強い思で新しい職場に研修に行くと、なんとそこもブラック保育園だったのです。6人の先輩保育士の中、4人の先輩が退職するということがわかり、目の前が真っ暗になりました。私は保育士2年目でしたが、その保育園では経験者としての立場が求められ、さらには週6勤務のうえ(もちろん保育園なので早番や遅番ありの変則勤務です)土曜日出勤の代休も無し、運動会などの行事の代休も無しと、本当に最悪な職場でした。そこの保育園で4年目を迎えたあたりから、体調が悪くなり、精神的にも体力的にもまいってしまい、結局それを機に辞めることになりました。

出典:転職失敗体験談

保育士は大変

女性/26歳/みんみん

次の職場では、きちんと休みの取れるところをと思い私立保育園へ。でも、求人とは全く違う内容でバイト→嘱託職員時給→月給残業なし→あり休日出勤なし→あり良くなったのは宿直がなくなったことくらいかな??給料も減ったし、自分の家族をないがしろにしながら他人の子供に愛情注ぐ構造に違和感があったし、人間関係も微妙だったので結婚を機にすっぱり辞めました。

出典:転職失敗体験談

紹介会社から定時に帰れる会社と聞いていたのに、実際入社してみたら、残業が多く、定時どころか週に3日は終電で帰宅する始末。入社したことを後悔しています。(28歳/医療・福祉関連)

出典:リクナビNEXT “もう辞めない!ための転職ノウハウ”

将来を考えて、残業が少ないという触れ込みの企業を転職先に転職。しかし、実際は残業代を削減するために仕事を持ち帰らせているだけ。今はなんとか仕事をこなしていますが、結婚して出産後は続けられないのでは…と不安です

出典:キャリコネ “こうすればよかった! 女性の転職失敗談”

どれもよくある失敗ですね。

特に求人内容とは違うということはよくあることです。

  • 残業がない
  • 休みが多い

などと書いてあっても実際は持ち帰る仕事が多かったり休みが取れないという保育園も多いのが現実です。

また、このような失敗談もあります。

大手福祉法人だと安心しないこと

女性/28歳/菅野さん

小さなとこよりは実習指定も受け規模も大きい職場の方がブラックさもなく間違いないはず、と思い私はとにかく規模の大きさで職探しをしました。

これが間違いでした。確かに休日はしっかり取得するように言われますので、休みが取れないなんてことはありません。

お給料も表記額を貰えないなんてこともないてます。しかし、大手だろうが小規模だろうが保育についてはその園の方針によります。

60代近くの保育士仲間が「ここのやり方は古いわ〜」と言い、0歳クラスでしたが 保護者に「うつ伏せで寝かせるんですか?」と言われてしまうほど保育が止まってしまった園でした。

でも、そこではそれが保育であり、そうしなければなりませんでした。転職をする際は、できるのであれば直接保育園に行って保育園の様子を見ることをおすすめします。

参考記事:保育士の転職に失敗した体験から成功ポイントを徹底紹介

こちらも大変な転職だったみたいですね。

上記の失敗した体験談などを踏まえた上でこれから紹介する失敗しないポイントなどを参考にしてみてください。

今が本当に辞め時?退職する前に考えてみよう

一般的に転職に関しては見極めが重要だと言われています。

今が「辞めたい時」なのか、「辞めるべき時」なのかをです。

「辞めるべき時」だと判断したら、退職しても後悔はないと思います。

しかし、「辞めたい時」というのもあり、ただ単にあなたは今がそういう時期なのかもしれません。

当たり前のことですが、一度退職すると、同じ園にはなかなか戻れません。

辞めたい時に勢いで辞めてしまったが、後々後悔した、なんてことがないようにしたいですね。

退職を決意する前に、一度立ち止まって、考える必要があります。

退職する前にすべきことをまとめてみました。

今の状況が本当に変えられないか試してみる

もしあなたが「人間関係がつらいから退職したい」と考えているなら、それを改善するために何かしましたか?

例えば

  • 園長や園の運営会社に相談する
  • 思い切って職員会議で提案する

など、その問題に正面からぶつかって、結論を出してみたことがありますか。

今悩んでいることは、間違いなく、次の職場でもまた起こりえます。

まずは、どんなやり方でもよいので、状況を変えるために、何かをしてみましょう。退職するのは、その後です。

退職した後のイメージを固める

退職してから、その後のことは考えるという方がいますが、それは間違いです。

退職する前に、次に進みたい転職先をあらかじめイメージしておきましょう。

また保育園に転職したいなら、今度はどんな園でどんな働き方がしたいか。

保育園でない転職先に進みたいなら、それはどんな勤め先か、情報を集めて、具体的に語れるぐらいにしておくべきです。

退職した後のイメージがないとしたら、今の目先のことにだけ囚われている可能性があります。

それは「辞めるべき時」でなく、ただ単に「辞めたい時」に、今自分がいるのかもしれないと、自問してみましょう。

転職の際の「経験3年以上」の価値

一般に、転職する際に求人が多いのが、経験3年以上です。

保育士の方が転職する場合にもそれが当てはまります。

「新卒で入社したら、3年は我慢する」という言葉がありますが、意味がない訳ではありません。

実際に、そうした求人は多いのです。

あなたが新卒で就職した保育園で転職を考えているなら、まずは3年を目安にそこにとどまって経験をためるのも一つの考えです。

保育士は経験が重視される職業ですから、転職する際に、自分の価値を高めることに繋がります。

ステップアップであるとしたら、3年以上の経験を積んだ時が「辞めるべき時」であるかもしれないのです。

 それでも転職したい場合のステップ

いろいろと考え、今の状況を変えようと試みたりしたが、やはり決意は変わらないとします。

あなたが、ただ「辞めたい時」ではなく、今が「辞めるべき時」だと判断したら、転職活動を始めましょう。

転職活動のステップを紹介します。

<ポイント>在職中にも転職活動は可能!
もちろん頻繁に面接に行くなどは難しいですが、在職中の転職活動にはメリットがあります。収入が途絶えないことと、ブランクをつくらないで済むことです。あなたに特別な理由がない限りは、在職しながらの転職活動をおすすめします。

1.退職後のイメージを固めて転職の目的を定める

どんな職場でどんな働き方をしたいか、明確にしましょう。

転職活動が長引くと、そのあたりがぼやけてきてしまいます。

迷ったら、常に立ち帰れるようにしたいですね。

2.スケジュールを立てる。

一般に、転職活動は3~4ヶ月と言われています。

始まってしまったら、あっという間です。

以下のポイントを考慮して、余裕を持ったスケジュールを考えましょう。

3月末には退職して、新年度を転職先で迎えるのがベスト

周りの迷惑を考えると、年度の途中で辞めるのは、保育士は難しいからです。

特別な理由がない限りは、新年度に転職を合わせるのが間違いないです。

転職活動開始は秋ぐらいから

一般に求人が増えるのが、9月~12月と1月~3月と言われています。

例えば、秋に入ったら転職活動を始めて、冬になるころに内定をもらうという道筋が一つ見えてきます。

来年度の継続についての面接が一つのタイミング

通常、保育園では、来年度の継続についての面接があります。

そこで、辞意を伝えるというのが、一つのパターンになってきます。

あなたの保育園では、毎年いつぐらいに面接があるかもスケジュールに入れておきましょう。

辞意は面接の時にだけ伝えられるというわけではありません。ただ、遅くとも退職の1~2か月前に伝えるのが一般的です。[/su_note]

3.自己分析をする

履歴書、職務経歴書の記入、面接に自己分析は必須です。

今後、あなた自身を紹介する場面がどんどん出てきますから、きちんと話ができるように、自己分析をしておきましょう。

4.情報収集。転職サイトに登録する

転職に際して、稀に「ハローワークしか使わない」という方などがいます。

情報をどれだけ集められるかが、転職の成功に大きくかかわってきます。

たくさんの求人情報に接することができますし、転職の成功まで付き合ってくれるアドバイザーに出会えることもありますから、まずは保育士転職サイトに登録をおすすめします。

在職期間中に転職するのであれば、時間はなかなか取れません。空き時間にスマホを使って保育士転職サイトなどから、情報を収集してください。

実際に転職する際に失敗しやすいポイント

求人への応募は、考えに考えてすることだと思いますが、ここにもいくつかの落とし穴があります。

実際に転職先に応募した際に、失敗しやすいポイントをまとめてみました。

企業サイトのイメージにコロリ

まず、あなたのすべきことは、情報収集です。

ただ、情報を集め始めると迷いも多くなってきます。あまりにも情報が多く、しかも魅力的に見える情報が目に飛び込んできたりします。

その一つが、企業サイトです。

最近は保育園を企業が運営することも多くなってきました。そうした企業は、イメージ戦略が巧みです。

今、保育士獲得は企業の生命線ですから、そこに非常に力を入れています。

保育士募集専門サイトを持っていることも多く、そこには、思わず「いいなー」と思えるようなイメージのよい動画が載っていたり、先輩の声が載っています。

それをそのまま、鵜呑みにしないでください。

そうしたサイトを作っているのは、現場の人間ではありませんし、保育園の現場を知って、そのありのままを表現しているわけではありません

そのイメージと現場とはおそらく大きな隔たりがあります。

企業サイトのイメージを信じて転職したら、大きなギャップがあったということも十分考えられるので注意しましょう。

転職サイトからのスカウトメールには冷静に 

もう一つ、転職サイトからのスカウトメールも非常によく考えられていて、イメージのよい文面だったりします。

あなたの今までの経験に注目して、あなたをスカウトしたいというような内容だったら、転職活動中のあなたは嬉しくなってしまうと思います。

ただ、スカウトメールは、あなたにだけ送られているわけではありません。

無数の、同じ文面のスカウトメールがあなた以外に送られているといって間違いないでしょう。

ただ、スカウトメール自体に問題があるわけではなく、それも一つの情報だと考えるべきです

スカウトが来たと舞い上がることなく、冷静に対応をする必要があります。

「モデル年収」「残業なし」などの条件面を鵜呑みにしない

今の園を辞める理由が待遇面だとしたら、求人の待遇面を見ていくうちに心惹かれてしまう場合も多いと思います。

ただ、求人に書かれた「モデル年収」や「見込み額」をそのままもらえることは、まずないと考えましょう。

そうわかっていても、つい待遇面に惹かれてしまうことはあります。

そして、お金の話は、面接などでもなかなかしづらいもの。

給与・賞与の確認を怠ってしまい、転職してから求人票とのギャップに直面するなんてことは、意外とよくあります。

「残業なし」についても同じことが言えます。表向き「残業なし」とあっても、持ち帰り残業が常態化しているのが保育士の世界です。

まずは疑ってかかるぐらいがちょうどいいと思います。

実際の職場が想像と違う

転職の失敗で一番多いのが、転職活動中にイメージしていた職場と、実際に入ってみたら全く違っていたということです。

待遇面など、数字で推し量れるところは問題ないかもしれませんが、人間関係や職場の雰囲気などは入ってみないとなかなかわからないものです。

 転職で失敗しないためにすぐにできる3つの対策

上記のようなことが起きないように、その対策についてまとめました。

参考にしながら、応募する園を選んでください。

イメージに流されないように保育士転職サイトは賢く使おう

一人で転職活動をしていると、イメージのいい企業サイトや、転職サイトのスカウトメールに惑わされてしまうことも多いかと思います。

保育士転職サイトには、アドバイザーがいる場合が多いので、経験豊富で事情に精通したアドバイザーと連絡を取り合いながら、転職を進めてください

また、保育士転職サイトには、口コミが載っていることもあります。

気になる保育園があれば、その口コミも見てみましょう。同じ保育士の生の声は参考になることも多いかと思います。

情報の海の中で、自分自身を見失わないためにも、保育士転職サイトは上手に使ってください。

たくさん保育士転職サイトはこちらで比較して紹介しております。

保育士転職サイトランキング

待遇面は必ず確認しよう

就職してから「こんなはずじゃなかった」と思わないためにも、待遇面は書面でもらっておくなどがおすすめです。

保育園によっては、契約書をきちんとかわす場合も多くなっています。その際にも待遇面はきちんと確認しましょう。

「お金のことを言うのはなんだか気が引ける」という方もいるかと思います。

採用側は慣れていますから、あなたが思うようには気にしていません。

後々まで引っ張る問題ですので、後悔しないように待遇面のことははっきりさせておきましょう

ギャップが起きないように園見学もおすすめ

就職してからギャップが出ないように、面接の前に、一度、園見学をおすすめします。

職場の雰囲気を肌で感じることは重要です。

  • 保育士同士の会話
  • 園長・主任からの保育士への指示
  • 園児への声掛けの様子

などを気に留めて見ていくのがいいでしょう。職場での人間関係を知る参考になります。

自分がここで働くことに、ワクワクできそうか、自問してみるのもいいと思います。

その際に気を付けたいことは、以下二つです。

保育士がきちんといる時間を選ぶ

園によっては午前中散歩に出てしまい、誰もいないなんてことがあります。よく確認しておきましょう。

見学しているあなたも見られていることを自覚する

一緒に働くことになるかもしれない方たちですから、言動には気を付けてください。

職員同士の雰囲気を見る

人間関係はどこでも何かしらはあります。

しかし、あまりにも合わないところはあるものです。

古株が力を持っている園、園長の好き嫌いに左右される園、空気の良い園。

それを面接や見学時にしっかりチェックして下さい。

私は虐めのある園を経験しましたが、面接や見学で聞き耳を立てていたら雰囲気がわかったのにと後悔しました。

面接は確かに面接官と真剣に受けなければならないですが、園の場合何かあって「少し待って」と言われることありたすよね。

この時は耳を済ませてみましょう。

職員同士の会話の内容で不満が多い、愚痴ってるようならあまり良い園ではないです

見学の時もフリーの保育士同士の会話見て下さい。

実際に、保育士も女性の職場なので”何もない”ということはほぼないです。

しかし、そんな女性の職場の保育園でも先生同士が仲良くて雰囲気が良い保育園もあります。

私は、そこが見抜けずに失敗してしまいましたが。

他の職業ですとこのように自分勝手に雰囲気などを見て、決めるというのは難しいと思います。

でも、今は保育士が少なくて保育士に転職するには、最高の環境にある状態です。

それはそれほど、保育士という仕事は今は必要とされている仕事です。

せっかくですので、少しでも悪いなと思ったら違う保育園などを探すなどするようにしましょう。

入ってしまったら、中々すぐには辞めることはできないので。

まとめ:小さな失敗はプラス思考で

転職する機会は、一生の中でそう多くはありません。初めての方も多いかと思います。

慣れない転職活動には失敗も付きものです。

ただ、致命的な失敗はしたくありませんから、慎重に事を進めてくださいね。

よく言われることですが、転職活動を経て、自分を見つめなおせたり、働くことの意味を考え直せたりと、転職には自分の成長にプラスになる側面があります。

小さな失敗は自分の糧になると考え、プラス思考でいきましょう。