保育園は集団生活の場であり、子ども達が安心して過ごせる大きな家庭のような役割もあります。
その中で、保育士がいて自分よりも小さい子どもや大きいお兄さん、お姉さんがいる。たくさんの人との関りの中で、子ども達は人間関係を学んでいくのですよね。
自分よりも小さな子どもや大きなお兄さん、お姉さんとの関りをより濃く経験できるのが異年齢保育です。
この記事ではそんな異年齢保育とはどんな保育方法なのか?そのメリットやデメリット、ねらいなどをご紹介します。
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目次
異年齢保育とは活動を通して交流を持つことを目的とする保育
異年齢保育とは、年齢ごとにクラスを分けるのではなく、年齢の違う子どもが同じ空間で過ごし
- 一緒に遊ぶ
- 散歩に行く
- 食事をしたりお昼寝をする
などの活動を通して交流を持つことを目的とする保育です。縦割り保育とも呼ばれます。
保育園によっては、乳児クラス(0,1,2歳児)と幼児クラス(3,4,5歳児)に分けて異年齢保育を行ったり、週に1回など決まった曜日や時間のみ異年齢児との交流を取り入れている園もあります。
また、基本は年齢ごとのクラスを編成し、早朝保育や延長保育、土曜保育の時に異年齢保育を行っている場合もあります。
少子化により兄弟がいない子どもが多かったり、近所で年齢の違う子どもと遊ぶ機会の少ない現代において、異年齢の子どもと触れ合う機会を持てる保育として、異年齢保育を取り入れる保育園が増えてきています。
保護者が保育園を選ぶ際にも、年齢別保育を希望するか、異年齢保育を希望するかという保育園選びの基準の1つにもなっています。
異年齢保育のねらい
異年齢の子どもと関わることによって、年下の子どもに優しくする気持ちを持ったり、年上の子どもの行動を見て自分もやってみようという意欲を抱くようになります。
また、年下の子が年上の子どもの行動を真似て自然と遊びのルールを覚え、年上の子どもは年下の子どもに合わせた遊び方を考えることで他人をいたわる気持ちが自然と芽生えます。
そして、年下の子どもは新しく自分よりも小さな子どもがクラスに加わることで、今度は自分が年上の立場になります。
今まで年上のお兄さんやお姉さんにしてもらっていたこと、教えてもらったことを自分よりも小さな子ども達にしてあげるようになるのです。
大人が遊び方を伝えたり、「小さな子には優しくしてね」と言葉で伝えなくても、子どもが自分達で学んで育っていける環境であると言えるでしょう。
兄弟が多い時代や近所付き合いが盛んであった時代には、家庭で当たり前のように育まれていた年齢が違う子どもとの関り。
保育園でその関わりの手助けをすることで、人間関係の基礎を作るというねらいが異年齢保育にはあるのです。
異年齢保育をするメリット
異年齢保育には年齢別保育とは違い、自分よりも小さな子どもとの関りの中で育まれる思いや、大きなお兄さん、お姉さんとの関りの中で学べる機会を自然と提供できるというメリットがあります。
その他の異年齢保育のメリットを具体的に見ていきましょう。
年下の子どもへのメリット
- 年上の子どもに優しくしてもらった経験から、自分よりも小さな子どもに優しく接することができる様になる。
- 年上の子どもの遊びを真似て、遊び方やルールを自然と覚える。
- 食事や着替えなど身近な生活習慣を、年上の子どもの姿から覚え、挑戦しようとする意欲を持つ。
- 友達との関りを年上の子どもとの関りの中で学び、子ども同士の関わりの基礎を作ることができる。
- 年上の子どもがしている遊びや活動を見る中で、様々なことへの興味が広がる。
年上の子どもへのメリット
- 自分よりも小さな子どもに優しく接するという思いが芽生え、思いやりの気持ちが育まれる。
- 小さな子どもの見本になろうという思いから、身の回りのことを率先して行おうとする。
- 遊び方を小さな子どもに伝える経験から、人に丁寧に教える術を学ぶ。
- 時にはクラスのリーダー的な役割をすることで責任感が芽生える。
- 年下の子どものお世話をした時に、保育士から褒められることで自信を持つ事ができる。
異年齢保育をするデメリット
年下の子どもにとっても年上の子どもにとってもメリットが多く見られる異年齢保育ですが、年齢別保育と比べたデメリットもあります。
その1つが保育士の負担が大きいこと。
年齢別保育の場合には、その年齢や発達に見合った保育を考えますが、異年齢保育の場合にはクラスに在籍するすべての子どもの年齢を考慮した保育を考える必要があります。
そして年上の子ども、年下の子どもそれぞれにおいてのデメリットもあります。具体的に見ていきましょう。
年下の子どものデメリット
- 年上の子どもに合わせた遊びや絵本の読み聞かせが難しすぎて、活動に参加することができない。
- 年上の子どものダイナミックな活動やお世話方法によっては、怪我をする可能性がある
- 年上の子どもが手助けをしてくれることで、できることも自分でやろうとしない状況が生まれてしまう。
- 中には年下の子どもに対して、威張ったりいじわるをする年上の子どもへのストレスを感じることがある。
年上の子どものデメリット
- 年下の子どもに合わせた活動が簡単すぎて途中で飽きてしまう。
- 年下の子どものペースに合わせることで、手持無沙汰になる時間が多い。
- 戸外活動で散歩に行く範囲が限られてしまい、活動の範囲が狭まる。
- 年上のお兄さん、お姉さんと見られることにストレスを感じたり、保育士に甘えたくても甘えられないという子どももいる。
異年齢保育をする際の注意点
メリットの多い異年齢保育ですが、異なる年齢の子どもを一緒に保育をすることのデメリットも見られます。
そのデメリットをなくすためには、保育を工夫するしかありません。異年齢保育のデメリットを緩和する方法をご紹介します。
年齢ごとの活動も取り入れる
基本的には、年齢の異なる子どもを1つのクラスとして保育をする異年齢保育ですが、常に全ての年齢の子どもを一緒に保育するわけではなく、年齢ごとに違う活動を取り入れることも1つの方法です。
例えば時間や曜日を決めて、5歳児は少し遠くの公園まで散歩に行き戸外活動を行う。その時間帯には、3,4歳児は近くの公園で遊具を広々と使って遊ぶ。
0,1,2歳児の混合クラスでは、年齢ごとに違った食育や製作を取り入れるなど、異年齢で編成されたクラスに拘りすぎないことが大切です。
子どもにとって充実した活動になることを1番に考えると、年齢ごとの活動も取り入れやすくなります。
平成9年のデータではありますが、日本保育協会が厚生労働省の補助事業としておこなった、「保育所の保育内容の実態に関する調査研究」において、「日常的に実施されている保育形態」の調べがあります。
参照資料:保育所の保育内容の実態に関する調査研究より「日常的に実施されている保育形態」
この結果によると、「基本的に同年齢だが、異年齢混合保育するときもある」が一番多く、72.1%。
次いで「同年齢」が11.6%。
「基本的に異年齢混合だが、同年齢で保育する時もある」が10.1%。
「異年齢混合」は5.4%となっています。
異年齢保育の注目が高まっている現在では、異年齢混合の割合が増えている可能性もありますが、異年齢保育と同年齢保育の両方を取り入れている保育園が圧倒的に多いことが見えてきます。
異年齢混合クラスとして運営する時には、デメリットも考慮しながら時には年齢別保育を取り入れる意識も大切ですね。
年齢、発達に合った玩具の設定
年齢によって、興味のある玩具や発達に適した玩具も違います。
例えば、0,1,2歳児混合クラスで誤飲が心配だからと言って、2歳児の発達に適した大きさのブロック遊びを禁止してしまったら2歳児は満足できる活動ができません。
指先の遊びを促すという意味でも、小さな玩具を摘まんだりはめることは大切ですね。
では、誤飲を防ぎながら発達に見合った遊びを提供するにはどうすれば良いのでしょうか?
場所を区切って遊ぶことも1つの方法です。0歳児がブロック遊びのスペースに入れないようなパーテーションを用意し、ブロック遊びは必ずその場所で行うようにします。
異年齢保育では、怪我や事故の危険がないように小さい子どもに合わせた玩具になりがちです。
スペースや使用する部屋を替え、保育士が事故に繋がらないような配慮のもとで、年齢に見合った玩具が提供できるようにしたいですね。
大きい子の負担にならない様な配慮
大きい子どもにとって、小さな子どものお世話をすることを負担に感じてしまうと、小さな子どもへ強く当たる姿も出てきます。それでは、異年齢保育のメリットがなくなってしまいます。
大きい子どもが負担に感じないようにするためには、小さな子どものお世話を義務にしないことが大切です。
あくまでも子どもが自主的に関わることができる様に配慮をしましょう。
そして、進んでお世話をしてくれた時には、感謝の気持ちを伝えることで子どもは満足感を得ることができます。その結果、小さな子どもに優しく接する余裕ができるのです。
そして、時には思い切り甘えさせてあげてください。異年齢保育では小さな子どもとの関りがどうしても増えてしまいますが、大きな子どもとどれだけ密に関われるかということがポイントです。
異年齢保育に力入れている保育園で経験を積むのもおすすめ
異年齢保育ってどこの園でもやっているわけではないので全く経験が無いという方も少なくありません。
これから更に異年齢保育は注目を浴びていくでしょう。
そんな時に全く経験がないと何をやっていいかわからなくなりますよね。
そうならないためにも異年齢保育に力を入れている保育園でちょっと経験を積む方も多いです。
ちなみに異年齢保育に力を入れている保育園を見つけるなら保育士転職サイトを活用するのがおすすめ。
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まとめ
同年齢の子どもだけではなく、異年齢の子どもとの関りを持つことは、子どもにとって大きなメリットがあります。
もちろん同年齢保育とは違うデメリットもありますが、保育士の工夫や室内環境を少し変えるだけでも解決できることがたくさんあります。
全ての保育時間を異年齢混合クラスで過ごすのではなくても、時間や曜日を決めて異年齢児との関りを持つ方法もあります。
自分がどんな保育を目指すのかを異年齢保育も含めて考えてみると、更に保育が広がっていきますよ。
働く保育園選びに迷った時や自分の保育を一歩進んだものにしたいと思った時には、ぜひ1つの選択肢にしてみてくださいね。