4歳児は、「お兄さん、お姉さん」と呼ばれる存在になってきて、お世話をしたり、3歳児の頃にはあまりみられなかった姿がみられるようになります。
同時に、反抗期がくる時期もこの4歳児です。
その子によって様々ではありますが、悩ましい年代ともいえます。
では具体的にどのような姿があるのか、またどのように保育を進めていくべきか、紹介していきます。
4歳児の主な姿
幼稚園では、年少と年長の間である年中に値する年代です。
まだまだ甘えたい時期なのに、お世話を頼まれることも少なくありません。
具体的にどのような姿が多くみられるか、紹介していきます。
- 友だちの輪を広げ、集団遊びを好む
- 「自分のやりたいこと」「自分の言いたいこと」が明確になる
- 自分の思いを言葉にして伝えられるようになり、自己主張するようになる
- 箸が使えるようになる
- いけないことが理解できるようになる
- 気持ちと反対のことを言うようになる
このように、3歳児に比べて出来るようになることが沢山増えていきます。
同時に自己主張が激しくなることから、最も悩まされる程の難しい年頃と感じる保育士は少なくありません。
様々なことを理解するようになるからこそ、自分の気持ちと葛藤し、反抗的になったり、自分を見てほしいが故にあえて気持ちと反対のことを言うような姿もみられるようになります。
そんな4歳児への上手な関わり方、保育をする上でのポイントをいくつか紹介していきます。
4歳児への関わり方のポイント
一人ひとり姿は異なりますが、この時期は子どもも不安定になりやすい時期です。
保育者一人で色々考えるだけではなく、保護者とよく連携を取りながら子どもの保育を行うことが大切です。
その上で、4歳児に対しどのようなことに心掛けていけば良いかまとめてみました。
おしゃべりを無視しない
この時期は、言葉がしっかりと出るようになります。
その為、子どもも話をすることが楽しいと思うようになり、どのような時でも色々な話をするようになります。
また「誰かに聞いてほしい」という思いから、一日中話している子もいます。
しかしクラス運営をしている保育士が一日中その子の話を聞いてあげることは、不可能です。
だからといって、一番してはいけないことは無視をすることです。
無視されることは、大人でも寂しいと思いますよね。子どもももちろん同じです。
もしどうしても、その時に話が聞けないときは、子どもにしっかりと説明をしましょう。
例えば、「今はお片付けしているから終わったらお話聞くね。」「今日は楽しいこと沢山あるから、明日お話聞かせてね。」等、子どもが納得いくように話してあげましょう。
そして、そのような約束をしたら必ず守ってください。約束したのに話を聞いてくれないと、子どもも苛立ったり、どうせ約束しても聞いてくれない・・・と思ってしまうようになります。
「嫌だ」「やらない」等のイヤイヤタイムは、見守るべし
保育士がクラスの子どもたちに「00しますよ~」と毎日声掛けをしています。
その際に「嫌だ!」「やらない!」と言うのは4歳児に多くみられます。
3歳児でもみられるのですが、実はそれぞれに意味がしっかりあるのです。
個人差はありますが、3歳児は本当にやりたくないので、正直に嫌だという姿が多くみられます。
しかし4歳児は、本当はやりたいのに嫌だと言ったり、大人の反応を見ているという奥底に秘めている気持ちがあります。
自分を見てほしい、構ってほしい時も反対のことをいう姿もよくみられるので、しっかりと受け止めてあげることが大切です。
なので、「嫌だ」と言ったら「分かった!」と一言受け止め、しばらく様子を見守るようにしましょう。
場合によっては、様子を見守っていると声を掛けなくても自然と行っていることもあります。
見守っていても取り組まないようであれば、スキンシップをとったり、その子が好きなものを通してコミュニケーションを取るようにしましょう。
つい「どうしてやりたくないの?」と言ってしまいがちですが、恐らく答えられないでしょう。子どもも何が嫌なのか分からないはずです。
またその言葉が責められてるように感じてしまいます。
難しいことですが、その子がなぜ活動に取り組まないか、嫌だというのか、ということを見極め、その子に合った関わり方を探すことが必要です。
なんで?どうして?の質問にはしっかり答える
活動の説明をしている時、遊んでいる時、どんな時でも「なんで?」と聞いてくる子いますよね。
保育士も中々話が進められず、「静かに!」とついつい言ってしまいますよね。
でも「なんで?」というのはそのことに興味を持っているから出てくるのです。
その姿をしっかりと理解してあげることが大切です。
話しの途中で言われたら、
- 「なんでかというと。。。お話を最後まで聞いてたら分かるよ!」
- 「なんでだろう?一緒に調べてみよう!」
等、受け止めてあげる声掛けをしてあげて下さい。
中には癖のように、言われたこと全て「なんで?」という子もいます。
その際には、「なんでかなぁ?って思ったら調べてみてごらん。それでも分からなかったら先生に聞いてみて!」と自分で答えを探すように仕向けてみて下さい。
その後「なんで?」と言われたら、「自分で調べてみた?」と聞き返すことができます。
なるべくなら子どもの小さな疑問に耳を傾けてあげることが大切ですが、常にそれを行うのは難しいので、子ども自身が解決できるように促すことも関わり方の大きな鍵となっています。
ついてはいけない嘘は、叱る前になぜついたのか理由を知る
色々なことを理解するようになるこの時期は「知恵」がつくようになります。
- 「こうなったらどうなるんだろう?」
- 「嫌だから隠そう」
など、軽い気持ちからいけないことをして、怒られたくないので嘘をつくようになります。
この行動は、どんな子どもにみられてもおかしくありません。しっかり成長している証拠です。
しかし、いけないことはいけない。これは子どもにしっかりと伝えなくてはなりません。嘘をつくことも良くないことだと伝える必要があります。
でもその前になぜ嘘をついてしまったのか、子どもの気持ちを考えながら受け止めてあげましょう。
ついそこで叱ってしまうと、ますます言えなくなって、嘘をつくようになってしまいます。
子どもが自分の気持ちを正直に言えるような雰囲気を作ってあげることも大切です。
子どもがしっかりと自分の気持ちが言えたら、「よく言えたね。教えてくれてありがとう。」と声を掛けてあげます。
その後に、嘘をついたこと、いけないことをしたことを「いいこと?悪いこと?」と子どもになげかけながら話をしていき、最後にはどうすれば正しかったかという答えを教えてあげます。
例えば、「いけないことをしてしまったら、ごめんなさい。って謝れるといいね」など、具体的に分かりやすく伝えていきます。
嘘を見抜くことが難しいですが、しっかりと子どもの様子を捉え、出来たらその日のうちに声を掛けていけるように心掛けていくといいです。
まとめ
つい「ダメでしょ!」「お兄さん、お姉さんなんだから!」と構ってもらえなかったり、我慢が多くなってしまう4歳児。
出来るようになったことが増えていきますが、子どもは子ども。まだまだ甘えたい時期です。
出来るようになったことを沢山誉めてあげながらも、頑張りすぎず、甘えてもいいんだよ!と手を広げてあげる時間も作ることが大切です。
難しい時期ですが、保護者としっかりと連携を取り合いながら、あたたかく見守っていくようにして下さい。