「保育士不足」そんな言葉がテレビでも報道され始めたこの頃ですが、なぜそんなことが言われているのか?
それは現場で働く保育士が仕事を続けたいと思う魅力がを感じなくなっているからです!
学校に行って資格を取って念願の保育士になれたはずなのに、どうして辞めたいと思うのでしょう・・・
保育士が仕事に対して不満を持っているのはどんなことなのでしょう
様々な意見が聞かれる中、大きく分けて5つの不満を紹介して行きます。
人間関係での不満
これは保育士だけではありませんが、保育士の場合は
- 上司・同僚との関係
- 保護者との関係
- 園長・施設長との関係
この3つの人間関係があります。
上司・同僚との関係
毎日一緒に仕事をしている人たち。ここでの人間関係がうまくいくかどうかで日々の仕事に大きく影響されてきます。
保育園では特に小さいクラス(3歳未満児)では複数担任となることがほとんどです。
まだ自分の力では何もできない子が多いので、当然大人の手が必要となるわけです。
すると当然のごとく、みんなが共通理解をしていなければスムーズなクラス運営はできません。
同じ考えのもと、意思の疎通が絶対不可欠と言って良いでしょう。
ですが人間ですから気の合わない、苦手な相手もいると思います。
もちろん大人ですから、表面上は一緒にやっていこうと努力します。
うまくいかず、上司も間に入ってくれないと、相手をけなすような事を言ってしまったり、態度に出てしまったりマイナスな部分が出てきてしまいます。
当然その空気は子どもにも伝わるます。担任の順位付けがされることも・・
その結果、ストレスが溜まり体調が悪くなったり精神的に不安定になるなどの症状を起こし、現場を離れていってしまうことがあるのです。
保護者との関係
一番大変な問題かもしれません。十人十色の子どもたちがいるように、その保護者だって様々なタイプがいるわけです。
同じ事を伝えるのにみんな同じ方法で伝わるか?
実はそうとばかりは限りません。
皆わが子が一番かわいいのですから、友達同士の喧嘩やトラブル等、いきさつを詳しく説明しても納得されない方はいます。
また、園の方針に賛同して入所される方は協力的ですが、第2希望以下や、ただ近いからという理由で入所された方の中には保育方針が合わない方もいます。
すると園への不満を持っているので、きっかけがあると怒りの矛先は保育士に向くことも・・・
または、人間同士ですから自分との相性が悪い・・ということもあります。
一人ひとりの違う人格の形成されている大人は、育ちや価値観の違いもあり、同じ目線で見れないからです。
園長・施設長との関係
保育方針のもと保育の方向性や目標などが決まってきます。
細かなことは現場の保育士に一任されます。それを束ねるのが主任です。
しかし、現場でトラブルが起こると責任を押し付けられるということになり、自分を守ってくれない園に不満を感じるのです。
保育以外の仕事・残業量
仕事が終わったからさあ帰ろうなんてことはできません。
お迎えに来た保護者の方への連絡事項があったり、保育室を片付けたり色々な雑務もありますから、一区切りしないと帰れません。
もちろん自主的な行動であり、残業命令ではないのでボランティアですね。
事務仕事の多さ
子どもがいる間は、当然子どもにすべてのエネルギーを向けるわけです。
しかし、保育士の仕事は子どもを見ているだけでいいというだけではないのです。
連絡帳を書いたり、活動の準備や後片付け必要書類への記入など、やるべきことはたくさんあるのです。行事前になるとパンク状態です。
では、いつそれらの仕事をしているのか?
それは休憩時間であったり、仕事を終えたあとだったり家への持ち帰りとなるわけです。
そうなると、実際に保育園で行っている仕事より仕事量は増えてしまいます。
給料への不満
これは昨今取り上げられている問題ですよね。
大きな原因ではありますが、それでも続けている方は多いのです。
とはいえ、待遇改善を求める声は多いです。
それだけ重要な仕事であり、責任の重い仕事でもあるからです。
子どもの世話をする母親がわりのように思われがちですが、必要な経験をさせて、体力や知識もつけていかなくてはならないのですから実に大変な仕事です。
もっともっと評価されてしかるべきだと思います。
自分・家族との時間やプライベートとの両立が難しい
家での持ち帰り作業があると言ったとおり、自宅でも仕事をしていたり、休みでも次の保育を考えていたり・・・
息抜きの自分の時間を持つ暇もないときもあります。
もちろん上手にプライベート時間を持つこともできます。
でも1~3年目ぐらいまではいっぱいいっぱいで、気持ちにゆとりが持てない方もいるでしょう。
休みが取れず、旅行などに行きたくてもいけない。私用での休みもなんとか取れればいい方・・なんてこともあるでしょう。
でも、これは職場の協力体制や、裁量によるものが多いかもしれませんね。
自分の子どもとの時間
保育士の中には自分も子育てしながら働いている方もいます。保護者の方の気持ちもわかるので、信頼度も高いことも・・・
ただし、先程から言っているように持ち帰りの仕事があったり、会議などで遅くなったりと、自分の子どもに向き合う時間が減ってしまっているなんてこともあるのです。
保護者の方には
「子どもと過ごす時間を作って欲しい」
「子どもの話を聞いてあげて」
などと伝えているのに自分の子どもにはそれができない・・などとジレンマを抱えている場合もあります。
自分の子どもよりも、他人の子どものために頑張っている自分に矛盾を感じているのです。
責任の重さ
やはり子どもの命を預かるわけですから、責任重大です。
クラスの運営や保護者の家庭支援など、難しいことも要求されるのですから、そのプレッシャーはかなりのものです。
精神的に参ってしまうこともあるでしょう。
身体的負担
特に0・1歳児は抱っこやおんぶが多い時期です。
肩や腰を痛めるなどの職業病ですね・・・
肩こりや腰痛で悩んで通院している方も多いはず・・・
最後に・・・
今まであげてきた事はほんの一部です。待機児童が多いのは保育施設の不足ではなく、保育士が不足しているからなのだということを早く気付いて欲しいです。
悪条件や、ストレスを抱えながらも仕事を続けている保育士さんたちは誇りをもって働いているのでしょう。
それだけではなく現場の雰囲気も良いのでしょう。
上司や仲間とのチームワークが取れていたり、休暇が取れる、など働きやすい職場は多少の揉め事があっても、自分たちで乗り越えようとする意欲があるのです。
不満ばかり言っていてもすぐに仕事先も環境も変えられるわけではありません。
それならば、自分の視点や考え方を変えてみるのもいいでしょう。
特に人間関係での悩むが多いなら、ストレスの溜めないポジティブシンキングの癖をつけるのがいいですね。
日々の現場で頑張る保育士さんにエールを送るとともに、政府の方にはもっと保育士の重要性を理解して欲しいと望むばかりです。