保育士資格を取得する方法は大きく分けて2種類あります。1つは厚生労働大臣が指定した指定保育士養成施設を卒業すること。そしてもう1つが、保育士試験を受験して合格することです。

高校卒業後に保育士を目指す人の多くは、大学や短期大学、専門学校などの保育士養成施設に進学します

しかし、社会人として働いているけれど保育士を目指したい、子育て中に保育士資格を取りたいという人は、学校に通う時間がとれないことが多いものです。

そんな方におすすめなのが保育士試験の受験。ただ、保育士試験は合格率10から20パーセントと言われる難易度の高い試験…。勉強方法が分からないという方も多く見られます

そんな時の強い味方が保育士試験対策の通信講座です。

そこでこの記事では通信講座を利用するメリットやデメリット、そして数多くある保育士通信講座のそれぞれの特徴をご紹介します。

保育士の通信講座は独学には最適

保育士試験対策の方法は大きく分けて3つあります。

  • 保育士試験対策行っているスクールに通う通学講座を利用する
  • 保育士試験対策として自宅でできる通信講座を利用する
  • テキストを購入して独学で勉強する

この中でも保育士試験対策の通信講座は、仕事や家庭の事情で通学はできない方や、勉強の方法が分からないので独学で勉強をする自信がないという人に人気の方法です。

通信講座の内容としては、保育士試験対策用のテキスト、DVD・CD教材が自宅に届き、その教材を使って勉強をします。

自宅で解いた問題をスクールに送ると添削がされて戻ってきます。

通信講座を実施しているスクールは多くあり、中にはwebシステムを使って講義が受けられる講座もありさまざまです。

同じように通信教育を利用して、保育士資格取得を目指す方法として、指定保育士養成施設に指定された通信制大学や短期大学があります

この通信制大学と保育士試験対策のための通信講座は、通信教育という面では同じですが、全く違うシステムです。

指定保育士養成施設に指定された通信制の学校では、カリキュラムを終了することで卒業と同時に保育士資格が取得できます。

一方保育士試験対策の通信講座では、講座を受講し保育士試験に対応できる知識を学んだあとに自分で保育士試験を受験する必要があるのです。

通信講座を受講すれば必ず保育士資格を取得できるわけではないので注意しましょう。

保育士試験受験の流れ

保育士試験が実施されるのは1年に2回。前期と後期があります。

平成30年の試験日程は前期は筆記試験が4月21日22日、実技試験が7月1日。後期は筆記試験が10月20日21日、実技試験が12月9日です。

その年によって日程は違うので必ず、全国保育士養成協議会のホームページで確認をしましょう。

保育士試験受験のための流れとしては…

  1. 全国保育士養成協議会のホームページ、もしくは郵送で受験申請の手引きを取り寄せる
  2. 受験申請の手引きに記載されている必要書類を揃える(学校の卒業証明書・姓が変わっている場合は戸籍謄本など)
  3. 受験申請の手引きに同封されている受験申請書の記入、顔写真を貼る
  4. 受験申請の手引きに同封されている払込票で、郵便局の窓口から受験料を払い込み、受領証を受け取る
  5. 専用の封筒に受験申込書、卒業証明書などの必要書類を郵便局の簡易書留で郵送する
  6. 筆記試験受験票が送付される
  7. 各都道府県の受験会場で筆記試験を受ける

受験申請書の受付日もその年によって違います。過ぎてしまうと受験ができませんので、必ず全国保育士養成協議会のホームページで確認しましょう。

保育士試験は8教科の筆記試験と実技試験で構成されています。筆記試験に合格しなければ実技試験に進むことはできません。

筆記試験科目

  • 保育原理
  • 教育原理及び社会的養護
  • 児童家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

保育士の通信講座では、この筆記試験に対応したテキストを使用し、合格に向けてのカリキュラムが組まれています。

通信講座を利用するメリット・デメリット 

保育士試験合格に向けての1つの勉強方法である通信講座の利用。

独学や通学講座で学ぶことと比べてどんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。

通信講座を利用するメリットはこの7つ

  • 保育士試験対策に適したテキストが入手できるので勉強方法に迷わない
  • 講師による添削サポートがあるので、分からない部分を理解しやすい
  • 仕事や家庭の事情でまとまった時間がとれなくても、自分のペースで勉強ができる
  • 通学講座と比べると費用が安い
  • 講義の動画配信やDVDでの講座などを利用することで、自宅にいながらも講義が受けられる
  • 自分のペースで繰り返し学ぶことができる

独学で勉強をする時には、まずテキスト選びから始めなければなりません。

しかし通信講座を利用すれば、適したテキストが用意されているので効率的に勉強をすることができます

また、働きながらや子育てをしながら保育士試験合格を目指す人は特に、まとまった時間を設けることが難しいことも…。自分のペースで勉強ができることは大きな魅力の1つです。

通学講座に比べて費用が安いので、手軽に勉強を始めやすいというメリットもあります。

通信講座を利用するデメリットは3つ

  • 独学に比べると費用が高い
  • 自分で学習環境を作る必要がある
  • 分からない部分をすぐに質問することができない

通学講座に比べると費用が安い通信講座ですが、独学での勉強に比べるとやはり費用がかかります。

また、自分のペースで学習ができることがメリットではありますが、反対に言うと自分で学習環境を整えて学習のペースを作る必要があります

忙しい毎日のなかでも自分で学習時間を捻出し、どれだけ学習に気持ちを向けられるかということがポイントです。

おすすめの通信講座を比較してみた

保育士試験対策に通信講座を利用することのメリット、デメリットを踏まえた上で、通信講座の受講を決めたらどの講座を受講するかを決めましょう。

保育士試験合格に向けて、各通信講座では様々な特色を打ち出しています。それぞれの通信講座の特色の比較をご紹介します。

初心者にもおすすめ!ユーキャン

通信教育と言うとユーキャンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?保育士以外にも様々な通信講座を開講しています。

保育士講座の受講者のうち、約88パーセントは保育士試験に向けての学習経験なしという情報もあり、保育士試験に向けての勉強初心者の方でも分かりやすい内容で安心して勉強ができます。

費用:59,000円

教材:メインテキスト9冊・学習資料集・保育所保育指針・実技試験対策BOOK、でる保育士・ガイドブック・パーソナル添削セット

Webコンテンツ:あり(ミニテスト・講義の動画・実技試験3教科対策動画)

添削回数:10回

標準学習期間:12カ月

サポート期間:2年

サポート期間の長さが嬉しい!ヒューマンアカデミー

難関と言われる保育士試験。勉強を始めた年に合格するとは限りません。そんな時に嬉しいのがサポート期間です。

標準学習期間中にカリキュラムが終わらなかった、試験に合格できなかったという場合でもサポート期間中であれば、学習サポートを受けることができます

サポート期間が2年という講座が多い中、ヒューマンアカデミーでは3年間のサポート期間があるので、仕事や家庭の事情で忙しく、自分のペースでじっくりと学びたいという人には嬉しいサービスです。

費用:保育士【完全合格】講座 46,000円

教材:保育士合格テキスト(2冊)、講義レジュメ(9冊)、添削問題集、過去問題集、絵本「おむすびころりん」、保育所保育指針解説書、学習資料集、講義DVD(9枚)、音声CD(16枚)、合格サポートDVD、実技レジュメ

Webコンテンツ:なし

(eランニングコース49,000円、保育士【完全合格】総合講座59,000円の受講ではあります)

添削回数:9回

標準学習期間:6ヶ月

サポート期間:3年

担任制で安心!四谷学院通信講座

合格に必要な知識を55のステップに分けて、クリアしていくことで身に着けているプログラムが特徴の四谷学院通信講座。丁寧な添削も特徴で、担任制なので信頼できる講師と共に安心して学習を進めることができます。

他の講座に比べると費用は高いですが、平成28年度の合格率が全国平均の2.7倍という調べもあり、着実に学んで合格したいという人におすすめです。

費用:79,800円

教材:学習の手引き、演習トレーニングの手引き、テキスト(筆記試験各教科分8冊)、資料集、過去問題集、添削課題、実技試験対策テキスト、どこでもチェックBOOK(8冊)

Webコンテンツ:あり(講義動画、演習トレーニング、実技試験講義動画)

添削回数:8回

標準学習期間:8ヶ月

サポート期間:2年

保育園運営から培われた実践的な講座!ニチイ

全国200か所以上で保育サービスを展開するニチイ。その中で培われた実践的なカリキュラムが特徴です。合格後には全国でニチイが運営している保育園への就職サポートも行っています。

費用:フルセット受講コース 50,920円

教材:合格ポイントブック、新保育士養成講座(9冊)、学習資料集、修了試験問題集、全国統一模試

Webコンテンツ:あり(保育士試験対策アプリ)

添削回数:2回

標準学習期間:6ヶ月

サポート期間:1年

本気で保育士試験合格を目指すために必要なこと

保育士試験への合格を目指すためには、まずは勉強方法を決める必要があります。

通信講座や通学講座を利用するのか、独学で学ぶのか。通信講座や通学講座を利用する場合にはどのスクールを受講するのか…選択肢がたくさんあります。

その中で自分の生活スタイルや性格にはどの勉強法、そのスクールのシステムが向いているのかをよく考えた上で動き出すことが保育士試験合格を目指す近道です。

学習方法やスクールが決まったら、その方法で保育士試験合格に向けて自分の気持ちを盛り上げながら学習に励みましょう。

学び始めた頃はやる気に満ち溢れている人でも、毎日の学習に疲れてくると徐々にやる気が落ちてしまうことも…。

どれだけ学ぶ意欲を持続させて保育士試験に向かえるかということが、保育士試験合格の鍵を握っています。

自分1人で学習意欲を持続させるのが難しいという人は、通信講座の添削サポートを通して講師と関わりを持ちながら、やる気を持続させることも1つの方法です。

まとめ

難関と言われている保育士試験。実際に合格率も10から20パーセントとかなり低い確率です。しかし、適切な勉強法で学習の意欲を持続させていけば、合格できない試験ではありません。

待機児童が深刻な問題である現代において、今後はさらに多くの保育士が求められると予測されます。

自分に合った学習方法を選ぶ際の1つの選択肢として、保育士の通信講座も視野に入れながら、保育士として働く将来を目指してみてはいかがでしょうか?