保育士の仕事は、子どもの貴重な成長の姿を毎日見届けながら、喜びややりがいを感じられるとても魅力的で素敵な仕事です。
しかし、蓋を開けてみると、低賃金、ボランティア残業、持ち帰りの仕事、重労働、休憩時間なし、体育会系並みの厳しい上下関係等と、ウンザリするところもあります。
「好きな仕事だけど、他の職場、仕事へと転職したい!」
30代の保育士が転職する場合に、スムーズに転職を成功させるためのコツはなんでしょうか?
どのような点に注意しておけば良いのでしょうか?
私自身、同業他社へ、または保育士から幼稚園教諭への転職を経験してきました。その経験をもとに、まずは同業他社への転職の時に気をつけるべきポイントをまとめてみました。
目次
優先順位をつけて転職活動
30代の転職になりますと、売り手市場でチャレンジできる最後の機会になってきます。
保育士の転職は35歳を過ぎたころからだんだん難しくなってきます。
ですから、特に、慎重に転職先を選ぶようにしましょう。
ステップアップ転職にしても、不満があるとか、やむにやまれぬ事情での転職にしても、まず、転職するにあたり、譲れない点は何か、自分が何を大切にしているかを、しっかりと確認しておきます。
- 給与が高い方が良いのか
- 休みが多い方が良いのか
- 勤務時間が短い方がよいのか
- 通勤が楽なところがよいのか
それぞれの事情によって優先順位は違ってくると思われます。
自分が何を優先させたいかはっきりしておかないと、求人を見ても迷うばかり、といったことになりかねません。
条件が完全に合う求人はほとんどないものと思われますので、妥協できるのであればどこまでが妥協範囲かについても、あらかじめ設定しておきます。
評判の善し悪しについて
保育士の業界は狭いので、いろんな噂が耳に入ることでしょう。
特に悪い噂は広まりやすく、評判の悪い保育園の情報が聞こえてくることがあるかもしれません。
しかし、うわさは、あくまでうわさです。
実際に働いていた人の口コミも、たいていは主観が入っているし、情報が古かったりもするので、気になるようであれば、実際にその保育園まで面接に行って、自分の目で確かめたてみるべきでしょう。
数年の間に運営母体が代わっていて、まったく違った雰囲気の保育園になっていたというケースもあります。
上記のこと踏まえ同業他社へ転職する際のポイントを書いていきます。
同業他社への転職をする時に気をつけるポイント
どのような職場・就業条件を希望するのかを明確にする
転職をするにあたり、何もかも希望ぴったりの完璧な職場はそうそうないと思いますが、自分が望む条件とは何かを優先して考え、職場選びをすることが大事です。
見学をする
実際に見てみなければ、その場の雰囲気は感じにくいもの。
できることなら、事前に見学させてもらう事をお勧めします。
転職先の職場の方針ややり方に従う
保育園とは、同じ保育業とはいえ、それぞれのやり方があるので、根底はその職場に合わせた上で自身の経験を生かすようにすることを意識するようにしてください。
30代でも転職をすれば新人
当たり前のことですが、再就職をすればその職場では新人。心機一転、1から学ぶ気持ちで働きましょう。
仕事に慣れてくると、経験を発揮しやすい状況になると思うので、そこから自分らしさを出していってください。
保育士専門転職・求人サイトをフル活用
今は、転職活動の際も、ハローワークや地域情報誌だけでなく、インターネットで簡単に求人情報を探せる時代になりました。
それは、仕事をしながらでも、転職活動しやすいということに繋がっています。
もちろん、自分でハローワーク等で探すのもいいですが、ハローワークには紹介されていない求人が保育士専門転職サイトには豊富に紹介されていたりします。
保育士不足の時代、このように求人情報を探す利便性はどんどん高くなっているのですが、同時にそれは、インターネットを使いこなせるか否かで、大きな情報格差が生まれるということを意味します。
転職エージェントといった専門の求人転職支援サービスなども、インターネットを介して利用できると転職への垣根がぐっと低くなります。
保育士として転職する際の面接や、円満退職の方法についてのアドバイス、求人の動向他、就職した後でも、さまざまな相談に対応するサービスも行われています。
担当者が求人の紹介、希望する勤務形態等の条件を交渉、面接の日程調整など、仲介役として無料でサポートしてくれます。また、言いにくいことや聞きにくいことも気軽に相談できる点もありがたいです。
守秘義務なども徹底しているので、相談先として確保しておけば、力強い味方になってくれます。
転職活動をするに際し、気をつけるべきこととして、転職が決定するまでは、職場の同僚などにも伏して気付かれることのないようにしなくてはなりません。
孤独な戦いを強いられることになりますが、その時にも、転職エージェントは支えてくれる、心強い相談相手になります。
とても便利で、無料登録できるのでオススメです。
自分の保育士としての実力に自身のある方、現在の職場で正当に能力を評価してもらっていないので、ステップアップ転職を目指したいという方には、特に管理職専門の人材紹介サービスもあるので、利用してみてください。
保育園以外にも目を向けてみる
保育士は主に保育園で働いているものと思われていますが、近年では、さまざまな現場で保育士は活躍しています。
たとえば、児童館、学童クラブ、障害者・高齢者施設などです。
求人情報を保育園に絞らなければ、選択の幅はさらに広がります。
病院や美容院などでも託児所を設置しているところがあります。
最近では企業内保育所もたくさん開設されています。
基本的に子どもがいるところは、保育士が活躍する場と考えて、広く求人を見るように意識することが大切です。
そうした現場では、即戦力のある保育士を求めています。
保育園での経験が数年でもあれば、たいへん評価され、養成学校卒ですぐ就職する保育士よりも、現場経験のある保育士として優遇されるはずです。
ですから、視野を広く持って、就職先を探すという視点も大切です。
ここまでは同業他社への転職について述べてきましたが、ここからは保育業ではない他の職業への転職についてのポイントを調べてみました。
保育士の仕事は専門職であり、専門のスキルしかなく、他の畑での仕事をするイメージが湧かず自信がない為に、転職することを後込みしてしまう気持ちが多少なりともあると思います。
私自身もそうでした。そんな気持ちも踏まえ、以下にまとめてみました。
他の職業への転職をする時に気をつけるポイント
やりたい仕事に必要なスキルを磨く
例えば、パソコンを使う仕事ならExcelやパワーポイント等、少しでも知識を高めておくと自信につながります。
言動は『ハキハキ、キビキビ』を心掛ける
残念ながら保育士の仕事は、世間からユルいという印象を持たれることも。子どもの中で働いてきたが故にそう思われるのかもしれませんが、大人の中での仕事となると、印象を良くするためにも言動を意識したほうが良いでしょう。
保育士として培った強みをアピール
もちろん保育士としてのキャリアは、良さもあります。
例えば、臨機応変に対応・決断する能力や、先を見据えて物事の段取りを考える能力には長けていると思います。
また、与えられた仕事以外のことも率先して取り掛かったり、協調性もあるので、このような強みをどんどん活かしていきましょう。
まとめ
保育士の求人はさまざまなところから検索することができます。
最近ではインターネットに、たくさんの求人情報が掲載されており、気軽に調べたり応募したりすることができます。
気軽に検索できるということは、裏を返せば、情報過多になりがち。
一方で、30代での転職なので慎重になってしまい、なかなか転職に踏み切れないといった悩みもきかれます。
慎重になることも大切ですが、ある程度の条件のところがあればとりあえず応募してみるというのも良い経験になるかと思います。
最近では人材紹介会社が間に入って転職するといったケースも多くあります。
保育士専門の人材紹介会社では業界の内情を良く知っていますので、登録をしておけば良い職場を探してきてくれるかもしれません。
面接を受けないと雰囲気が分かりませんし、実際に活動してみないと新しい可能性も開かれないので、まずは、行動してみて、それから考えるというのでも、決して不利益にはなりません。
実際に、転職をしなかったとしても、自分を見つめ直し、自分に対する世間の評価を知るという意味でもよい経験になると思います。
30代といえば、転職するには遅いのかもしれないと不安に思う気持ちもあるかもしれませんが、本当に転職したいと思う気持ちがあるのなら勇気と自信を持って、ポジティブな目標を掲げて臨んだ方がいいと思います。
自分だけの一度きりの人生、自分の力で切り開きましょう。